★書籍化決定 記念小話★
「わ、私が触っても大丈夫でしょうか?」
生まれてまもない双子の赤ちゃんを前に、ヴァイス様が私と赤ちゃんを交互に診ながらどうしていいかわからない様子で聞いてくれた。
「はい、ヴァイス様に抱いてもらったら子どもたちも喜ぶと思いますよ」
私がベッドに寝たまま笑って言うと、ヴァイス様がごくりと唾を飲み込んで、おそるおそる手を伸ばし――子どもたちの前でその手が止まる。
「ヴァイス様?」
「本当に大丈夫ですか!? 壊れたりしませんか!?」
ぷるぷると震えていうヴァイス様に
「どんだけ剛力で抱くつもりなんですか」
キールさんが薄目で突っ込んだ。
「まったく、旦那様は変なところでヘタレなんですから。手をこうしておいてください」
マーサさんがヴァイス様の手を赤ちゃんを抱くポーズにさせて、赤ちゃん二人をそっと置いた。
ヴァイス様が目を輝かせて赤ちゃんを見て、スヤスヤ眠っている赤ちゃんたちに嬉しそうに笑ったあと、しばらくニコニコしながら見つめ……そのままカチコチに固まって
「か、かわいいです!で、ですがこの後どうしたらいいのでしょうか!?」
と抱きしめたまま、少し涙目でマーサさんに助けを求める。
「旦那様なんでそんなにヘタレなんですか?」
キールさんが突っ込むと
「そ、そういわれましても、子どもの頃に、どんなものかと小動物を抱き上げたら潰してしまったことが……」
言いかけたヴァイス様から速攻でマーサさんとキールさんが子どもを取り上げた。
「ちょ!?ひどいですっ!?」
「いや、素で怖いですっ!」と、キールさん。
「もう少し大きくなるまで旦那様は見ているだけにしましょう」
マーサさんも、いそいそと子どもを私に預けながらいう。
「こう、な、撫でるだけでも駄目でしょうか?」
ヴァイス様がすがるように私に言うのがおかしくて、私は笑って
「はい。パパに撫でてもらったら喜ぶと思いますよ」
私が言うと、ヴァイス様が顔をふにゃりと嬉しそうにほころぼさて、おそるおそる頭を撫でる。
嬉しそうに撫でるヴァイス様の姿とすやすや眠る子供たちの姿に私は胸が熱くなるのを感じた。
赤ちゃんたちが頑張って無事生まれてきてくれたとこ。
そして喜んでくれるヴァイス様。
見守ってくれる、マーサさんにキールさん。
幸せで少し涙が溢れてしまい、はたっとヴァイス様と目が合う。
「大丈夫ですか?まだどこか痛むのでしょうか?」
ヴァイス様がおろおろして、私は首を横にふった。
「違います。幸せだなって」
私が微笑むとヴァイス様も笑ってくれて、
「貴方の頑張りのおかげですよ。マイレディ。本当にありがとうございます。今、この時貴方とこの子たちと時間を共有できるその喜びに感謝を」
と、軽くおでこにキスをしてくれた。
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閲覧・ブクマ・ポイント・レビュー応援いただきありがとうございました!!
素敵レビューも本当に本当にありがとうございます!!!
角川ビーンズ文庫様で書籍化が決定いたしました!!これも皆々様のおかげです、本当にありがとうございます!!
素敵美麗絵をくにみつ先生に担当していただけることになりました!!
物凄く素敵なのでぜひぜひよろしくお願いいたします!!
書籍化につきサニアとマリアやリックスとの関係や子どもなどの設定などWeb版と書籍では設定等変更が多々あります!
修正&改稿にともない、シルヴィアさんの活躍シーンやヴァイスさんとのイチャイチャシーンの加筆などたくさんしましたのでWeb版と書籍版の違いを楽しんでいただけるととっても嬉しいですっ(๑•̀ㅂ•́)و✧
ヴァイスさんは書籍版も元気にぶんぶんモーニングスター(モルゲンシュテルン)を振り回しております!何卒よろしくお願いいたします!!
書籍版にてキースさんの名前がキールさんと変更になりましたので、Web版も少しずつ訂正していきます。少しずつ訂正していきますので、訂正中はしばらく名前が混在してご迷惑おかけするかもしれませんが申し訳ありませんorz
書籍化できたこと、皆々様にを心より感謝っ(❁´◡`❁)
何卒、何卒よろしくお願いいたしますっ!!(土下座)








