がくしゃさん、がんばる
「はい、てな訳で次はルーチェに逝ってもらおうか」
「ニュアンスがおかしいのです!? と言うか何がてな訳なのですか!?」
突拍子もないジンの発言に、ガタッとルーチェは立ちあがって抗議した。
それを涼しい顔でジンは受け流して、
「どの道やるんだから細かい事は気にしない! ほい、Aランクシングルメダルな。さあ、行ってきたまえ!」
と、強引にメダルを握らせながら笑顔でサムズアップしながら送り出した。
「ああ、もう! こうなったら思いっきり暴れてやるのです!」
ルーチェはがーっと吠えてコインを台座に置き、ツカツカと闘技場に向かって行った。
その様子をジンはじっと眺めている。
「……普段おとなしいが、やるときゃやるタイプって奴だな。ま、そうでもないとあの時コインは取れんか」
「今の会話、狙ってやったのかい?」
独り言を呟くジンにルネが話しかけてきた。ルネはジンの隣に座り、横から顔を覗き込む。
ルネの目からは、ルーチェがジンの口車に乗せられて自分で戦場に向かうように仕向けられた様に見えたのだ。
そんな彼女の質問に、ジンは小さく笑って答える。
「まあ、ちょっとだけな。性格ってのは意外と重要でな。その性格に合った行動を取らせないと上手く働いてくれない事がある。ほら、臆病な人間に前衛で盾をやれって言ったところで上手くできるわけがないだろ?」
「確かにそうだね。それにしても、君は真面目に考えているのか適当なのかが読めないね」
「下手に読まれりゃ死ぬ可能性もあったもんでね」
ジンは苦笑しながらルネにそう言う。その表情には、様々な苦労を重ねてきたであろうことが現れていた。
「……どんな相手なのでしょうか……」
その一方で、ルーチェは本を片手に闘技場の真ん中に立っていた。その表情はかなり緊張した様子で、額からは冷や汗が流れていた。
しばらくして、相手が出てきた。 相手は黒い狼を三頭引き連れたオークだった。
それを見て、ジンは一瞬びくっと体を震わせた。
「ジン? どうかしたんですか?」
「い、いや、俺の勘違いだ。俺の知ってる奴に、黒い狼に化ける凶悪な魔物がいるからそいつかと……うん、あいつならテイマーオークごときに操られたりはしないな」
ジンは冷や汗をかきながら苦笑した。ユウナはそれを見て首を傾げたが、闘技場に眼を移した。
テイマーオークとそれが連れている狼――イビルファングと呼ばれる彼ら三体を前にしてルーチェは本を開く。
「“<ruby>契約の許に命ずる、目覚めよ<rt>セット・ビーストスペル</rt></ruby>”」
ルーチェがそう唱えると本がぱらぱらとめくれ、光を放ち始めた。
すると、中から虹色に光る球体が四つ出てきて、ルーチェの周りを飛び回り始めた。
「ガウ! ガウアア!」
「“飛翔”」
テイマーオークはイビルファング達に指示を出して、ルーチェに襲いかからせた。ルーチェは冷静にそれを見据え、杖を使って空に舞い上がった。
杖に腰かけたルーチェの周りを飛びまわっていた球体はテイマーオーク達に向かって飛び出して行き、その周りを激しく飛び回り始めた。
「ウウ?」
テイマーオーク達は何もしてこない光の球体に首をかしげている。
そうしていると光の球体は本の中に戻って行き、ルーチェはそれを確認すると額に手をやった。
「うう、このクラスは全然持っていないのですが……自分で頑張るしかないのです」
ルーチェは本を閉じ、テイマーオーク達を深緑の眼で見下ろした。
イビルファング達は宙に浮かんでいるルーチェに対して何とか攻撃を当てようと飛び跳ねている。
その間にルーチェはテイマーオークに対して魔法を使って攻撃をかけた。
「“凍える鉄槌”!」
ルーチェはテイマーオークの頭上に巨大な氷の塊を落とした。相手を押しつぶすほどの質量を持った氷が、敵の頭上に落ちていく。
「ガウ!」
しかしテイマーオークは素早くイビルファングに飛び乗り、それを難なく避ける。
巨大な氷の塊は地面にぶつかると、粉々に砕けて消えた。
「ダメですか……なら、これならどうなのです! “氷雪の散弾”!」
今度は無数の氷の鋭利なかけらをテイマーオークに投げつけた。
割れて尖ったガラスのような氷が、吹雪となって相手に襲い掛かる。
「ギッ!? ギギギ……」
テイマーオークはそれを受け、傷を負った。
しかし一つ一つの弾丸が小さいせいで威力が足りず、オークの鎧や厚い皮下脂肪に防ぎきられて致命傷を与えるには至らなかった。
「ううっ、飛びながらじゃ不十分なのですか……」
長い耳をしんなり下げてそういうと、ルーチェは本のページをめくり詠唱を始めた。
「“|精霊の名の下に命ずる。再生せよ《コール・テイミング》”」
そう言うと本が消えて光の玉に変化し、ルーチェの肩の上に向かう。そしてその光が消えると、そこには炎をまとった小鳥が現れた。
ルーチェは小鳥の頭をなでると、小鳥は甘んじてそれを受け入れる。
「頼むのです。あいつらを可能な限り引っかき回してほしいのです」
小鳥はそれを聞くとルーチェの肩から飛び立ち、一直線にイビルファングに襲いかかった。
それに対し、イビルファングはルーチェからその襲撃者へと標的を変えた。
「ギャウウウウ!」
「ガアアア!」
イビルファング達は一心不乱に小鳥に飛びかかるが、その度に小鳥はひらりと攻撃をかわす。
そして隙だらけになったイビルファングに対して、小さいながらも炎を吐き、相手の注意を引く。
そうして自分が相手の攻撃対象から外れたその間に、ルーチェは地面に降り杖を構えて詠唱に入った。
「ギ!? ガウ、ガウガ!」
テイマーオークは詠唱を始めたルーチェに気付き、イビルファングに指示を出した。
イビルファングは指示に従い、ルーチェに向かって一斉に走り出した。
「“大地の大牙”!」
「ギャン!?」
ルーチェがそう言うと、足もとから槍衾のように尖った地面が飛び出してきた。
ルーチェに襲い掛かろうとしたイビルファングは岩の槍に阻まれ、または貫かれる。これにより、テイマーオークは四匹のうちの二匹のイビルファングを失うことになった。
「グウ、ガガウ!」
テイマーオークは残ったイビルファングを呼び戻すと、それに跨った。そして、槍衾の横に回り込むべくイビルファングを走らせ始めた。
それに対し、ルーチェは槍衾を消して即座に次の詠唱に掛った。
「ガアアアアア!」
「……っっ!」
しかし、その間に敵は一気に間合いを詰めてくる。ルーチェは魔法を発動させるよりも早くイビルファングの牙に自分が掛ることを察知し、詠唱を続けながら退避を始めた。
そのルーチェに対し、テイマーオークを乗せたイビルファングはまっすぐに迫りくる。
そしてあと少しで手が掛るその時、
「ギャアアア!?」
突如イビルファングの目に先ほどの小鳥の嘴が突き刺さった。
それによりイビルファングは転倒し、テイマーオークはルーチェの足もとに投げ出される。
「“大地の大牙”!」
「グガアアアアア!」
その全身をルーチェの魔法が深々と貫いた。テイマーオークは心臓を貫かれ、即座に絶命した。
「ガッ……」
一方のイビルファングも小鳥に両目をつぶされた上に、渾身の火球をくらって炎上していた。もはや誰の眼から見ても、勝敗は明らかだった。
闘技場の門が開き、戦いの終わりを告げる。
「お、終わったのです……」
ルーチェはそう言うとその場に座り込んだ。その肩に小鳥が止まり、元の本に戻る。
その本を手に取り、杖をついて立ち上がると、ルーチェは仲間の元に戻って行った。
「お疲れ様です、ルーチェさん」
先ほどの受付嬢からAランクのゴールドメダルを受け取って戻ってくると、ユウナが飲み物をもって待っていた。
「あ、どうもなのです」
ルーチェはそれを受け取り、ジンの元へ向かう。ジンはそれを笑顔で迎え入れた。
「よお、お疲れ。なかなかの戦いぶりだったな。あれは演習かなんかで習った戦い方か?」
「はい。防衛術の演習のときに教わったのです」
「それにしても、「生物写本」の使い手だったのか。いや、珍しいものを見せてもらったよ」
「ねえ、アンタ達だけで勝手に納得してないでアタシ達にも説明しなさいよ」
ジンとルーチェが話していると、そこにリサが割り込んできた。ルーチェはリサに向きなおり、教鞭を取った。
「では説明を始めるのです」
「……ねえ、その白衣と眼鏡は何?」
「まずは私の得意分野なのですが……」
「質問に答えなさいよ!」
リサの一言を華麗にスルーしつつ、何故か白衣と眼鏡を身につけたルーチェが説明を始めた。
「見てお分かりの通り、私は魔法を主体とした立ち回りをするのです。ですが威力の高い魔法ほど詠唱に時間がかかり、さらに高い集中力が求められるのです。その間を狙われると非常に弱いという、魔導師によく見られる弱点があるのです」
「……それ、経験次第で何とでも……」
「規格外は黙るのです!」
「……うぃ」
横槍を入れるジンを、ルーチェは一喝することで黙らせる。それに対して、ジンは肩をすくめて押し黙った。
「確かに、ジンの様に人間やめた集中力と器用さがあれば、大魔法の詠唱をしながら気を放ち剣をふるうことは不可能ではないのです。ですが、ごく一般的な魔導師にそんなことはできないのです。剣を振るいながらでは詠唱が中断させられる可能性が高く、できてもせいぜい短い詠唱で氷のつぶてを二、三個出すのが精一杯なのです。ましてや、気功を使いながらの詠唱なんて出来るのは、余程の修行を積んだか、それが出来る天才だったかのどちらかしか居ないのです。魔力を籠めながらの詠唱というものは、それほどの集中力が必要なものなのですよ」
気を取り直して、ルーチェは一同に説明をする。
剣を振るいながら気を放ち、更に魔法を唱えると言う行為は、例えるのであれば交通量の多い高速道路を、本を一字一句音読しながら制限時速三十キロオーバーで前の車を掻い潜りながら走るようなものである。
この例えから、ジンの立ち回りがどれほど危険なものなのかがお分かりいただけるだろう。
「たっはっは~ 人外認定もらっちゃった~い……」
「よしよし……大丈夫、ジンはちゃんと人間ですよ?」
ルーチェが説明する脇で、ジンは床にのの字を書いていじける。その横でユウナはジンの頭を撫でながら慰めにかかるのだった。
「でもよ、ルーチェちゃん杖使って空飛んでたじゃん? ずっと空飛んで魔法撃っとけば良いんじゃね?」
「レオ、それは違うぜ。一人の人間が一度に出せる力の総量は決まっている。たとえば、全体で使える魔力が十あるとする。他に何もしていなければ十をそっくりそのまま攻撃に使えるが、空を飛んだりして四消費していたとすると攻撃に使えるのは残りの六だけになる。つまり、同時にこなす動作が多ければ力が分散して、一つ一つの威力は弱くなるということだ。だから空を飛びながらでは大威力の魔法は使えない」
「あ……」
レオの疑問にジンが横からスッ、と立ち直って答える。
そのジンの頭頂部を名残惜しげ見つめるユウナを無視してルーチェはそれにうなずくと、説明を続けた。
「それを解決してくれたのが、この生物写本なのです。これを使えば、呼び出した生物を護衛に使いながら詠唱ができるのです」
「でも、それじゃ根本的な解決になってないんじゃないのかい? 結果的に君の魔力を使っているのなら、最大の威力は見込めないはずだろう?」
「それなのですけど、実を言うとこの本は少し特殊で、この中にいる精霊が最初に受け取った魔力を元にして作った生物を召喚することになるのです。ジンの例えを借りるのなら、一度に十の水が出せる井戸から先に五の分の水を別の桶に移しておいて、十の力の井戸水ととっておいた五の分の桶の水で十五の水を一度に使うようなものなのです。これなら大元の魔力は減らないので、全力で魔法が使えるのです」
ルネの質問に対して、ルーチェは簡単な例えを用いて答える。
それを聞いて、ルーチェの本がどういったものなのかを大まかに理解したユウナが次の質問を行った。
「どんな生物が召喚できますか?」
「先ほどの虹色の玉を使って覚えさせれば、どんな生物でも召喚できるのです。あれは相手の気性、能力、体調などのステータスを分析して、登録するためのものなのです。欠点としては、実際に実物と会わないことには登録できないことと、一度に一体しか召喚できないことがあるのです」
「それなら、ジンを登録したらどうなのよ? ハッキリ言って、ジンに守ってもらえれば大魔法とか唱え放題じゃない?」
「それはできないのです。 まず、ジンは私よりも遥かに魔力量が多いのでそのまま再現することはできないのです。ジンの魔力を百とするならば、魔力や身体能力を考えると百五十は必要となるのですが、若輩者の私はせいぜいあっても七十五程度しかないのです。だから、作れたとしてもジンの劣化コピーしか作れないのです」
「つまり、自分の能力の限界までしか召喚できないってこと?」
「平たく言えばそうなのです。ですがそれは人間を再生した場合のこと、ほかの生物であればある程度格の高いものも呼び出せるのです」
「何で人間だとそんなに厳しいんだ?」
「人間の知性というものは非常にランクの高いものなのです。その知性のコントロールに大きな魔力を使うのです。 同じ力の生物を召還した場合、知性のない生物に百必要である場合、知性のある生物には百二十五必要なのです。だから、人間に限らず知性を持つ生物を再生することは非常に難しいのです」
知性というのは、非常に複雑なものである。
例えば、私達は脳の構造をかなり詳しく解明することが出来ている。しかし、未だにそれをコンピューターで再現することは難しい状態である。
それと同じように、魔法で生物を生み出す際も、知性の創造と制御は難しいものであり、相応の魔力が必要とされるのであった。
「ついでに言えば、呼び出した時点で魔力はしっかり使われる。あまりすごいのを呼び出すと自分で使う分がなくなって何もできなくなるから、普通はよほど強力な奴が必要にならん限りは自分の魔力の半分までが限度だな。ま、ルーチェはハーフエルフだろ? 魔力なんて使わんと伸びんし、恐らくこれから伸びていくんだろうな。とにかくAランククリアおめっとさん」
ルーチェの説明にジンが補足を加え、質問を締めくくった。
ジンの最後の一言を聞いた瞬間、ルーチェはあっ、と声を上げた。自分がまだアドバイスをもらっていないことに思い至ったらしい。
「ジン、そういえば私はまだアドバイスをもらっていないのです。ジンから見て、私はどうだったのですか?」
「そうさなぁ……まず、訓練を一しきり受けていただけあって自分の得手不得手は理解しているとは思う。使った魔法も相手の特性を考えれば理にかなっている。ただ、やたらと使う魔法の範囲を広げすぎとも思う。もう少し範囲を狭めて威力を上げる方向に持って行ったほうが良いな」
「少し待ってほしいのです。威力を上げることには同意なのですが、地上であればまだ余裕はあるのです。そのまま威力を上げるということでいいのではないのですか?」
ルーチェの一言を聞いた瞬間、ジンは固まった。そして、額に手を当てて天を仰いだ。
「……ルーチェ、ひょっとして抜けてるとか天然とか言われないか?」
「うぐっ、な、何故それを……」
ジンの指摘をルーチェは心底驚いた様子で肯定する。それを見て、ジンは呆れ顔で大きなため息をついた。
「あのなぁ……何があるかわからん遺跡や洞窟の中で辺り構わず大魔法を使うつもりか? もしそれで先に進む鍵ぶっ壊したり罠発動させたりしたらシャレにならんのだが……」
「あ……」
ルーチェはポカーンと口を開けて硬直した。
そのあまりの間の抜けっぷりに、ジンは重ねてため息をつく。
「おいおいおい、学者として一番気をつけないといけないことでしょうがよ。それから、他の奴もひとごとじゃないから気をつけておけよ? 特にレオ、お前が一番危険なんだからな!」
「な!? おいコラ、ジン! 俺のどこが危険だっつーんだ!?」
「固い岩盤深々と抉ってキノコ雲が起きるような大爆発を起こしておきなが、ら! そんな戯言を口走るのはどの口かな、アァン?」
「ぐあっ、ちょ、しま」
ジンは鬼の形相でレオのみぞおちに掌打を加えたのち素早くヘッドロックをかけ、一息で絞め落とした。
レオは一瞬のうちに窒息し、青ざめた顔で床に転がった。
「さて、何か質問はあるかな?」
「あ、あの、範囲を狭めたら避けられ易くなると思うのです。どうすれば避けられずに範囲を狭められるのですか?」
「レ、レオーーーーっ! しっかりせい、レオが死んだら我は帰らないといけなくなるではないか!」
気絶しているレオに涙目ですがるアーリアルを尻目に、ジンは晴れやかな笑顔でルーチェに質問を促す。
ルーチェはそれに質問を重ねると、ジンはほうっと感嘆の声を上げた。
「ああ、威力を上げる方法じゃなくて確実に当てる方向に来たか。 確かに外した時のロスを考えるとそっちのほうが良いか。それなら……あ~、実際に体で覚えたほうが早いな。よし、今から魔法を撃つから避けてみな」
「え、ええ!? いきなり何なのです!?」
「ちなみに、当たるとそこは一日中赤く残るから本気で避けろよ? “微熱の蛇”」
「ひあっ!?」
ジンは突然の事態に慌てふためくルーチェに対して、手を横一文字に振り横一線にオレンジ色の炎を放った。
ルーチェは咄嗟にその場にしゃがみ、それを避けた。
「おお、よく避けた。ま、これも範囲を広げれば避けにくくはなるが、周囲に被害は出るし消費も激しくなる。相手が大人数でない限り割に合わないというわけだ。それじゃ相手が少人数のときどうすりゃいいか? 答えはこうだ、“微熱の蛇”」
「きゃああああ!?」
ジンが再び魔法を唱えると、今度はルーチェの周りに巻き付くように炎の蛇が現れ、ルーチェを締め上げた。
それを避けきれずに受けたルーチェは、その熱さに思わず悲鳴を上げた。
「……とまあ、こうすれば簡単には避けられないし、相手の詠唱も妨害できるわけだ。人数が少なければこれを複数人に掛けることで魔力の消費を抑えることができる。目安としてはそうだな……六人位まとめてできれば上等だな」
「えうう……ひどいのです……」
説明を続けるジンをルーチェは目に涙を溜めて睨みつけた。白い肌には炎の蛇が這った跡が残り、腕と太ももに紅白の縞模様が出来ていた。
それを見て、ジンは頭をかきながら苦笑した。
「……悪かった。外に出る前には治してやるし、後で何かおごるから機嫌直してくれよ?」
「……約束なのですよ」
ルーチェはそういうと近くにあるベンチに腰掛けた。
ジンはメダルホルダーからメダルを一枚取り出すと、台座に向かった。
説明が入る分どうしてもルーチェさんのセリフが長くなる。
というか、ユウナさんがしゃべってくれない。
幼馴染ーズはジンとレオばっかしゃべるし、世間を知っている分ルネのほうが質問できるし……困った!!!




