90話
魔導書とバトのキャラが被っている問題。話し方や性格は違うけど、かなり似ている。
そのうち、変更させるべきだろうか?
――――――マタ、来タナ主ヨ。
「…‥‥またここか」
タイタニアであったはずのあの怪物の中で気を失ったはずなのだが、いつの間にかルースはまたあのいつもの謎の空間へ来ていた。
目の前には金色に輝く魔導書が開いており、どこか残念そうなというか、呆れたような声で話しかけてきていた。
―――――ハッキリ言オウ。主、死ニカケ状態ダ。
「・・・・・・・分かっているよ」
はっきり言われなくとも、ここに来る前の状況を覚えている。
タイタニアの中に引きずり込まれ、毒を含んでいるとしか思えない口臭にやられ、気絶したという事を。
消化液などが迫っており、もはや溶かされるのを待つだけだという事も、はっきりと理解していた。
―――――ナオ、現時点デ左腕カラ・・・
「聞きたくないぞそんな情報!!」
自分の現時点での状況を、詳細には聞きたくない。
というか、左腕から溶けていっているのかよ・・・・・・うわぁ。
―――――主ノ死ハ嫌ダ。ダガシカシ、以前一時的ニ解放シタ「力」ヲマタヤルト・・・・主ノ封印、3ツ綻ブ。
「ん?3つの封印?」
―――――ア、ヤベッ。
今、なにやら聞き逃せないような言葉があったような。
封印の1つが、その「力」とやらだとして、残る2つは何だろうか?
―――――・・・・・
パタン
ルースのつぶやきを聞き、うっかり口を滑らしたのを自覚したのか、魔導書が閉じた。
どうもこの魔導書にとって、今のはかなりの失言だったようである。
――――――イ、今ノハ無シダ!!ソノカワリ「力」ヲ前ヨリ長ク解放スル!!
「いやちょっと待てよ!!封印云々の方が気になるのだが」
―――――問答無用!!
ルースの質問に応じず、焦るかのように魔導書はそう告げるのであった。
一方その頃、タキたちはタイタニアに対峙していた。
避難誘導を済ませたエルゼとレリア、バルション学園長も来たのだが、戦況は変わっていなかった。
「なんですって!?ルース君が食べられた!?」
【そ、そうじゃが・・・・・うぉぉぉぉ!?なんかすごい殺気なのじゃが!】
喰われた表紙にルースが気絶したせいか、召還をタキは解除されたのだが、観客席に混じっていたこともあって、すぐにこの場に戻っていた。
そして、エルゼたちにルースが食べられたことを話したら・・・・修羅化した。
「ふふふふふふふ、ルース君を食べるなんて・・・・・許セナイ」
「まだ消化はされていないようだけど・・・・・友人を食べるとはな」
「大事な生徒を食ーべる様な屑にーは、きちーんと世の中の不条理な力の差を見せーつけーる必要がありそうね」
【なんじゃろうか・・・・・あの化け物よりも、今は味方が恐ろしいのじゃが】
―――――主様ヲ触食タノハ許サナイ。デモ、ソノ意見ハ同意。
タキとバトの目には、それぞれの背後に般若などが見えたような気がした。
と、その時である。
【ブジュワァァァァァ!?】
突然、タイタニアに変化が起きた。
【な、なんじゃ!?】
突然タイタニアは体を震わせ、巨大化・・・・いや、ルースを飲み込んだ口の部位が膨らんでいく。
まるで、風船が膨らんでいくがごとく、どんどんその部分だけが大きくなり・・・
バァァァァン!!
【ブジュワァァァァァ!!】
膨らんだ部位がはじけ飛び、肉片が散乱。
そして、中から何かが飛び出した。
【召喚主殿!?】
出てきたのは、飲み込まれたはずのルース。
だがしかし、いつもとその様子は違った。
左上に大きな金色の籠手のようなものが装備されており、ルースの身体全体に金色のオーラのようなものが立ち込めていた。
飲み込まれる前とは違う変貌。
それにタキたちは驚愕していたが、ルースは彼女達を見ずに、そのまま空中に泊まり、タイタニアを見下ろす。
【ブブ、ブジュギュガァァァァァッ!!】
見下ろされることに腹を立てたのか、それとも中から爆散されたことに怒りを覚えているのか、タイタニアは咆哮をあげ、再び舌を伸ばしつつ、残っている目玉から怪光線を一斉に放射する。
「・・・・・」
だがしかし、ルースはそれを目にするとすっと上を前に突き出す。
「『-------』」
そして、何かを唱えると同時に、左の金色の籠手が輝き、その籠手にあった爪が伸び、舌を切り裂き、光線を切り裂き、タイタニアの攻撃をすべてなかったかのように平然とその場に浮かんだ。
【ブジュグガァァ!?】
自分の攻撃がすべて一蹴されたことに驚いたのか、タイタニアが驚きの声を上げる。
そして、全ての目玉でルースを改めて見て・・・・・タイタニアは逃げ始めた。
そう、タイタニアは悟ったのだ。
ルースをよく見て、その纏うオーラと己の格の違いを
このままでは、ほぼ間違いなく己は消し去られ、その生を終えてしまうと。
化け物となっても、そのぐらいの理性は持っており、タイタニアは逃走を決意した。
だがしかし、時すでに遅し。
逃げるタイタニアを見て、ルースは金色の籠手を構え、タイタニアへ向ける。
「『------』!!」
そして、魔法を唱えると同時に、タイタニアの身体が消滅した。
一瞬の出来事であり、何が起きたのか理解できなかったであろう。
だがしかし、それは確かに起きて、タイタニアは光の粒子となり、そして消えた。
そのあまりの光景に、二度目のエルゼやレリア、タキは驚愕してもまだ浅かったが、バトやバルション学園長は驚愕から抜けなかった。
そして、完全にタイタニアが消滅したのを見てすぐ、ルースの身体が空中で傾き、金色の籠手が消失し、落下し始めた。
【あ!いかんのじゃ!!】
すぐさまタキは駆けだし、落ちてくるルースを柔らかい尻尾で包み込んでキャッチした。
そのままふんわりと着地し、衝撃を与えないように心がけてルースを地面に下ろす。
ルースの無事を確認するためにエルゼたちも素早く着地場所に駆け付け、ルースの容態を見た。
顔を見れば、どうやら気絶しているだけのようだが・・・・その左腕の惨状がひどかった。
金色の籠手のようなモノを装備していたのは、おそらくその部分を補うためだけに出していたのだろう。
だが、気絶と同時にその籠手が消えうせた後には、骨が見えている左腕があった。
「いけないわね・・・・『ライトニックヒール』!!」
ルースの左腕の状態を見て、素早くバルション学園長は医療用の魔法を発動させる。
とはいえ、学園長一人では限界があるので、魔法をかけ続けて急いで病院へと皆で向かうのであった…‥‥
‥‥‥何やら重要そうな言葉が出たが、ルースはそれを問いただせなかった。
というか、左腕が骨が見える状態で溶けていた。
急いで治療するために、病院へ担ぎ込まれて・・・・
次回に続く!!
・・・・・なお、コレもしR15かR18だったらさらに生々しい描写だったりする。優しく配慮して、コレなのだ。
後、この後絶対に今回の騒ぎの元凶共をしょっ引く予定。
身分を傘に脅迫、貴族にあるまじき醜態、怪しいものを受け入れフェイカー製らしい怪物を代理人へ、決闘では暗黙の了解で対戦者の命を奪うのはダメなのに、勝手に動いたとはいえ奪いかけた。
その他もろもろの罪がソークジ達にあるんだけど、どのあたりが妥当かな?というか、ある程度決めてやらないとどこぞやのストーカーが先に刑に処すような気がする。




