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61話

さてと、新たな騒動が幕開けそうです

「‥‥‥またこれか」


 そうルースは溜息を吐き、目の前にいるものに体を向けた。



 久しぶりというか、辺りが真っ暗で、それでいて目の前には金色に輝く魔導書(グリモワール)


 何度も経験した分、もうこの状況にルースは慣れていた。




「久々に干渉して話しかけてくるとは珍しいな、俺の魔導書(グリモワール)

―――――アア、久シ振リノ会話ダナ、主ヨ。



 ルースが声をかけると、目の前の魔導書(グリモワール)はいつも通りの声を出す。



「で、何の要件だ?」


 こうやって、夢の中で魔導書(グリモワール)が話しかけてくるとき、何かしらの用事があるはずである。


 そう思い、ルースは尋ねかけた。



―――――主二知ラセテオコウト思ウ件ガアッタ。

「知らせておこうという件?何の話だ?」

―――――単純ナ事ダ。主ノ使用可能複合魔法デ、2属性カラ3属性マデナラデキルヨウニナッタダケダ。

「…‥本当かよ!?」



 今までルースが使用できていた複合魔法は、最大で2属性までしか使用できなかった。


 だがしかし、どうやらこのたびついに1属性が追加され、使用可能な組み合わせのレパートリーが増えたことになるようなのだ。


 これは非常に喜ばしいことである。


 たかが1属性、されど増加したことによって、新たな魔法も扱える等になるのだ。



 先日のエルゼとレリアと一緒に協力してやった、水の電気分解からの着火による爆発の魔法はもちろん、これによって‥‥‥


「やっとバルション学園長に対抗できる魔法の幅が増やせる…‥‥いや本当に、せめて3属性は組み合わせたいと考えていたから、増えたのはものすごくうれしい!!」

―――――‥‥‥苦労シテイルナ、主ヨ。



 喜びに震え、涙を流しているルースを見て、黄金の魔導書(グリモワール)は何処か哀れんでいるような声をかけたのであった。


 魔導書(グリモワール)に哀れみを持たれるのはどうなのだろうかと言いたいが、とにもかくにも喜ばしい。




 と、ここで話は終わりかと思っていたが、どうやらそうではないようだ。



――――――時二主ヨ、ココデ言ッテオクガ、北ノ方、ソチラカラオソラク面倒事ガヤッテ来ル。

「…‥‥面倒事?しかも北の方から?」


 あくまで3属性まで使用可能になったというのはついでのようなもので、この話の方が本命のようだ。


「って、何でお前がそんな事を理解しているんだ?ずっと俺の手元というか、身体にあるはずなのにそんな遠くの方まで感知できるんだよ?」

――――――‥‥‥主ノ前世ノ言葉「黙秘権」ヲ行使スル。




‥‥‥この魔導書(グリモワール)、秘密が多くないか?


 思わずルースは半目になって、金色に輝く魔導書(グリモワール)を見た。


 そもそも魔導書(グリモワール)に意志があるようなのも変だし、ルースのあずかり知らぬ場所の事を感知したり、この間のルースにあるとかいう謎の力を解放したり、その能力は未だに全部把握し切れていない。


 というか、まずこれ本当に魔導書(グリモワール)が話しかけているのだろうか?


「まさかとは思うけど、誰かが別の場所で遠隔操作していて、そこから話しかけているとかなんてことはないよね?」

――――――ソンナ事ハ無イ。多分。

「多分って何!?」



 たまに冗談じみたことも言ってくるようだけど、これは冗談と捉えて良いのだろうか?



――――――マァ、面倒事ガ起キルコトダケハ伝エタ。デハ主ヨ、起床ノ際、右手ニ注意シロ。

「ちょっと待てよ魔導書(グリモワール)!!その詳細を教えろよ!?」





 思わず、そのままルースは起床して体を思いっきり起こした。


 夢の中とは言え、つかもうとした手が現実でも動いていた。


 注意されていた右手を前に出し、その先にあったのは…‥‥



ドスッツ!!

「…‥‥は?」

「…‥‥!?」


 見事に右手の指二本が、目の前にいたエルゼの顔に直撃する。




 なぜこの男子寮にエルゼがいるのか。


 そしてなぜベッドの上に載っていたのか等、ツッコミは入れたい。


 だがしかし、既に目に入った指で間に合っていたようだ。



「---------っ!?目がぁぁぁぁぁ!?目がぁぁぁぁぁぁ!?」



 某どこかの3分も経っていないだろうという人のごとく、エルゼが背を大きくそらして悶絶する。


 とりあえず、魔導書(グリモワール)が言っていた右手の事についてはこれで理解できた。



 だが、北の方からの面倒事とやらは不明なのであった…‥‥


「おぅぅぅぅぅ!?目がぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「あ、エルゼごめん‥‥‥でも、どこか自業自得だと思うのはなんでだろうか」



 じたばたと生け作りにされる前のエビのごとく、エルゼが床をのたうち回る。


 この後、騒ぎを聞きつけてやってきた学園長に事情聴取された後、治療してもらい、放課後に流星群をよけ捲る地獄の特訓がルースたちを待っていたのであった…‥‥







‥‥‥ちなみに、バトは熟睡中だったため気が付かなかった。

あと、これエルゼは実は最近ややレリアにどこか先を越されているような気がしたので、その分の埋め合わせのために、朝のドッキリとして忍び込んでいただけだったりする。

次回に続く!


‥‥‥にしても、この魔導書本当に謎が多いな。そもそも、叡智の儀式とかどうやって人間が知ったのだろうか?

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