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31話

このタキとエルゼの間の争いの描写は残酷を含みましたのでカットいたしました。

見せられるものではないレベルだったよ‥‥‥ついうっかり書いて、読み直したら出したらいけないものだと判断したのでスイマセン。

・・・・・・タキの人の姿がエルゼにバレてから30分後。


 

【ひ、酷い目に遭った‥‥‥】


 何とかエルゼを止め、解放されたときには、タキはズタボロであった。


 着物が乱れ、あちこちはだけており、放っておけばエルゼの手によって全裸で簀巻きにされて、外に投げ出された可能性もあった。


 というか、もっとやばい状態にされてされる可能性もあっただろう。少なくとも、18禁レベルで収まればいい方で、下手すりゃグロテスクというか、完全に人前に出せない状態にだ。



 その元凶のエルゼは、ルースからの誠心誠意な説明と今度は一緒に都市内をめぐることを約束し、何とか機嫌を直しつつも、タキを嫉妬の目線で睨む状態に何とか収まった。


 なぜ体調不良のはずの彼女がこの場にいるのかをルースは尋ねたかったが、藪蛇なような気と、知りたくないことを知りそうになったので尋ねるのを止めた。




 一方、エルモアはさっさと家の中に入って、お茶を出してくれていた。


…‥‥仮にも同居人のタキが悲惨な目に遭っていたのに、止めなかったのは見ていたほうがおもしろかったと素直に言ったのである。


 我が道を行くというか、火に油を注ぐような行為を避けたようにもルースは感じ取れたのであった。



「というか、タキって一応、過去に国を滅ぼしたこともあるんだよな?そんなやばい存在なのに、たった一人の少女にぼろ負けするってどういうことだよ?」

【召喚主殿、あ、今は召喚されておらぬからそう呼ばなくてもいいかもしれぬが‥‥‥我はな、確かに国を滅ぼせるだけの力はあるのじゃ。だがしかし、そんなでかい力をうかつにこの都市で使えるか?討伐対象のモンスターにもされたくはないし、ある程度制限を自分でかけておるのじゃよ】


 要は、今は全能力を加減しているわけであり、その為エルゼにフルボッコにされてしまうほど弱くなっているのだとか。


 全力を出せば簡単に反撃できるが、それだと相手の命を奪いかねないという、大きな力を持つが故のやりにくさというのもあるそうだ。


【まぁ、本当のところはその殺気に押されて負けたのじゃがな‥‥‥‥ドラゴン以上の殺気って、その娘は本当に人間じゃよな?】

「失礼な!!あたしはれっきとした純粋のか弱い人間の少女よ!!」


 タキのその言葉に、ぷんすかとエルゼが反論したが‥‥‥‥


(((か弱い?)))


 その場にいた全員が、そう疑問を抱いたのであった。


 本当にか弱いのであれば、先ほどのような惨事を起こせないと思うのだが…‥‥関節を逆方向に曲げようとするとか、尻尾を引き抜こうとするとか、どの点でか弱いんだよ。






 とにもかくにも、何とか落ち着き、せっかくだからという事でエルモアはルースたちにお茶を出し、先ほど買ってきたお菓子を取り出し、皆で食べることにした。


【おおぅ!やっぱりこういうどらやーきとか、ダンダンゴとかはおいしいのじゃ!!】

「素材のその甘さを活かす東方のお菓子は、本当に上品な味わいでいいな。この辺りのお菓子も購入してみたが、それはそれでうまいしな」

「見た目はシンプルだけど、その中身はとんでもなくおいしいものが詰まっているわね」


 お菓子談話に花を咲かせる女組。


 先ほどまでの対立していた部分から、お菓子で皆意見が一致したようで、和気あいあいと話していた。



‥‥‥にしても、このお菓子とかって絶対に同郷のやつが関わっていないか?どう考えても日本の和菓子としか思えないものが多いんだが。


 どら焼きならぬどらやーき、団子ならぬダンダンゴ、その他にも饅頭じゃなくてうまいじゅう、おはぎじゃなくておいはぎとか‥‥‥いや、最後のやつだけ違う意味にならないか?


 名前が少々異なるとはいえ、これらのお菓子が前世の日本のお菓子としか思えないルース。


 似たような環境であるならば、同じようなものが生み出されてもおかしくはないとはいえ、これだけほぼ類似しているとなると、絶対に転生者とでもいうべき存在が関わっていそうなのは間違って居なさそうだと、ルースは考えた。


 だがしかし、確かめるすべも今のところないし、こういうおいしいモノを生み出してくれているのであれば、大歓迎であろう。


 難しいことを考えるよりも、今はただ、このおいしいお菓子を味わうことにするのであった‥‥‥








 食べ終えた後、気が付けば外がやや薄暗くなっており、空が赤くなって夕暮時になっていた。


「エルゼ、そろそろ寮に戻ろうか?」

「あ、もうこんな時間なのね」


 ルースが声をかけると、お菓子談議で盛り上がっていたエルゼは今の時間帯が夕暮時なのに気が付いたようである。


「それじゃ、休日にお邪魔させてもらいありがとうございましたエルモア先生。ついでにタキ」

【我はついでかのぅ!?】

「当り前よ女狐。あなたがここにいること自体、間違っていると思うのだし、本当はルース君に止めてもらわなかったら、今頃(自主規制)になっていたけど、今回はやめておくわ。だけど、その姿でたぶらかそうものなら…‥‥」


 そうエルゼはタキを睨みながら、手を動かして何かしようとして、エルモアがそれを察してリンゴのような果物をエルゼに渡した。


「あ、ありがとうございますエルモア先生。…‥‥さてと女狐、言い直すけど、もしその姿でルース君の事をたぶらかそうものなら‥‥‥」


 そうエルゼは言って、手に持っていた果物を握りつぶした。



‥‥‥リンゴのような果物だが、硬さは大体同じほど。


 つまり、握る潰すにも同じぐらいの握力が必要であり、その力は70~80㎏ほどらしい。



 か弱い発言をしておきながら、タキを人睨みして力んだだけで、一瞬で潰せるその握力はすさまじい。


「こうなるから、覚悟してね」

【は、はいなのじゃ‥‥‥】


 エルゼはそうどす黒い笑みを浮かべ、タキは顔を真っ青にして返事した。


 仮にも一国を滅ぼしたモンスターが、たった一人の少女に脅されるとはこれいかに。


 とにもかくにも、ルースたちは別れを告げ、帰路につくのであった‥‥‥








【‥‥‥ふぅ、流石に命の危機を感じたのじゃ】


 ルースたちの姿が見えなくなり、家の中に戻ったあと緊張の糸が切れたかのようにタキがへたりと座り込み、そうつぶやいた。


「お前ほどのとんでもない力の持ち主が、たかが一人の少女の狂愛にやられるとは面白いな」


 くすりとエルモアは笑い、お風呂の準備を始める。


「にしても、あの少年がタキの召喚主であり、これまでにない金色の魔導書(グリモワール)を顕現させた少年か‥‥‥‥」

【ん?どうしたのじゃ、そんな難しい顔をして?】

「いや、あのもう片方の娘の実力にも驚いたが、なんとなくあの少年の方の潜在的な力に驚いただけだな」

【潜在的な力?】


 エルモアのその言葉に、タキは疑問を抱いた。


【召喚主殿に何かやばいものがあるのかのぅ?】

「彼は普通に行動していたけど、私はこう見えても力に関しては敏感でな。あの彼の中にある黄金の魔導書(グリモワール)の持つ力をなんとなくは感じて、その力の大きさにも驚いたが、それではなく彼自身がもつ潜在能力の方に驚いたんだよな。…‥‥まぁ、彼自身まったく気が付いていないし、まだまだ引き出せているわけでもない、未熟な状態だがな」


 そうエルモアはつぶやき、風呂上り用の着替えをタンスから出し始める。


「なんにせよ、将来的に大きく化けるのは間違いないな。わかる人にはわかるだろうし、放っておいてもその力が開花するだろうが…‥‥‥」

【‥‥‥それ目当てに、馬鹿な輩が出てくる可能性もあるということかのぅ】


 エルモアが何を言いたいのかタキは悟り、真面目な表情になってそう言葉を続けた。


【魔族でも人間でも力を求める者は変わらぬ。だがしかし、その中には明らかに厄介な大馬鹿野郎が出るじゃろうし、うっとおしくてたまらんのじゃよ。モンスターである我から言わせてもらえば、奪うものでも従わせるものでもなく、身につけるか惹きよせるかなのにのぅ】


 タキのその言葉に、エルモアは重みを感じた。


 彼女もまた、大きな力を持つモンスターであり、その力を求めてどれだけの馬鹿が犠牲になったのか分かっているのである。


【ま、召喚主殿に呼ばれた時には全力で守るし、馬鹿が出ぬようにしっかりと見ないといけないのぅ】

「私としても、その力には大いに興味があるし、今は教師であり、あの少年たちは大事な生徒だ。生徒を守るのは教師の役目であり、そのあたりの見解は一致するな」


 そう互いに話し合い、密かにルースを守ることを二人は決めたのであった‥‥‥


でもよく考えたら、これって二人じゃなくて一人と一匹の方があっているかな?

何にせよ、ルースに味方が増えたようなものである。

次回は再び騒動かな?

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