284話
少々短め。もうそろそろ新章というか、一区切りつきそうかも。
冷え込み、雪も深々と降ってくる冬。
これを乗り越えた春には、卒業式、爵位授与、結婚式が待ち受けている。
まぁ、乗り越えるほどの厳しさは…‥‥
「‥‥‥無いと言えば無いな」
「大体の教育課程は、終えちゃったわよね」
雪が降りしきる中、寮内の食堂にて、ルースのつぶやきにエルゼが答える。
流石にここまで来ると、学園内で学ぶ内容はほとんどない。
あとは生徒たちの自主的な勉強や、魔導書での魔法の鍛錬、卒業後の就職へ向けての就活など、この時期には見られる光景が出てくる。
まだ不足している者たちへは、補講などがあったりするのだが…‥‥幸いな事に、ルースたちの中でそのような事になっている者はいない。
正確に言えばこの場にいないだけであって、何処かへ攫われたきりのスアーンの卒業が危ぶまれるのだが…‥‥どうにもならないので、放置気味である。
何にしても、今の時期はだいぶ落ち着き、別の準備の方へルースは取り掛かる。
卒業後の爵位授与に着用する衣装の用意や、夏に見に行った予定領地での経営予定組立、結婚式会場の改装等々、それなりにあるのだ。
「で、結局目の前にある書類の山が、この冬の相手ともいえるか……」
「量が馬鹿みたいに多いな」
さささっと片付けつつも、残る書類の山。
各方面への仕事に関しての報告書、申請書、手続き確認書……その他諸々、これでもかと言うほどあるのだった。
……正直言って、今までに出会った敵の中でこれが一番手ごわいのではなかろうか?いや、比較対象がこれまで戦闘してきた化物だし、分野も違うが…‥‥
とはいえ、この書類の山、ただの仕事ばかり集まっているわけではない。
「バトによる悪組織の壊滅、アルミアとの新商品の特許、他国の学園から何故か他の教員要請……いや、これは学長案件では?」
「しっかり押し付けられた。あの人はあの人で色々となぁ…‥‥」
忘れがちだが、あれでもバルションはこの学園の学園長。
それなり発言権もあるようだが、今回の卒業生たちは色々とあり過ぎるので、その対応に追われているのである。
‥‥‥その一因でもあるので、ルースはそう強くは言えなかったりもする。
「まぁ、何にしてもこの書類も終えてたら、数日ほどは遊べるかもね」
「そしたら、何処かへちょっと行きたいわね」
「ああ、そうだな」
卒業前に、皆で色々と遊ぶ予定も立てておきたい。
学生時代ももうじき終わりを迎え、いよいよ社会人となり、しっかりと自立の時を迎えねばならないのだ。
「でもその前に、スアーンも戻ってくればいいんだけどなぁ…‥‥確かそろそろ、やばいんじゃないっけ?」
「期限は後、2週間ほどだったはずよ」
―――――現状、手ガカリ無シダヨ。
‥‥‥入学もしたし、できれば卒業は皆で迎えたいが…‥‥やっぱり、本格的に捜索を視野に入れたほうが良いのではなかろうか?
何にしても、今は目の前の書類を終わらせつつ、その辺の捜索予定も計画しておくべきかと、頭の片隅へルースは入れておくのであった。
……そして期限三日前まで、ついうっかり忘れっぱなしとなったが…‥‥まぁ、今は気にすることではない。多分。
……うん、まぁ、わざとではない。
スアーン、留年決定されるまでの期限三日前に思い出し、皆そうごまかす。
とは言え、真面目にやらないと本当にヤヴァイ状況であり……
次回に続く!!
……スアーン、戻って来るか否か。留年決定するか否か。
果たして彼はどうなるのか?まぁ、決定せずに戻って来ても、卒業後をどうするのかという話もあるけどね。




