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黄金の魔導書使い  -でも、騒動は来ないで欲しいー   作者: 志位斗 茂家波
夏も過ぎ去り、最後の学園生活で章
317/339

282話

あと18話で300話。

何気に大台乗りそうだけど…‥‥ちょっとした面倒ごとの予感。

……進んでいく時間の中、いよいよ冬本番となっていく。


 朝の冷え込みはもちろんの事、吐く息は白く、寒空に震え、人々は暖を求めていく。



 赤い魔導書(グリモワール)を持つ者は火をおこし、この時期限定で非常にありがたいものとして重宝され、白色の物でも暖かい光を出してみたり、茶色のものはドームを作製し疑似的なかまくらとして利用する。


 創意工夫が得意な人は己の持てる力を使って防ぐ方法を算出し、苦手な人であろうとどのような手段があるのか模索していく。


 これはこれで、冬によく見られる光景なのだが‥‥‥‥







【…‥‥のう、召喚主殿】

「どうした、タキ」

【流石にこうも皆べっとりとは、ちょっと動けないのじゃ】

「うん、ごめんね。でも我慢して」


 本日の授業は召喚魔法でのモンスターについて、学園としては最終的な総まとめという事で、広いグラウンドを利用して、各自は召喚魔法を使用していた。

 

 だがしかし、この寒さ吹き荒れる中、屋外は辛い。


 ゆえに皆、各自の召喚した者たちにくっ付いているのであった。


 ルースの場合はタキを召喚し、そのモフモフにあやかっていたのだが………



「あたしたちの方は、ちょっとばかりくっつくのに向いていないのよね」

「それもそうだよな」


 エルゼにレリア、彼女達が召喚するのはシーサーペントに火竜、どちらも鱗露があり、くっつくには少々難がある。


 召喚されて早々、シーサーペントの方は泳いでいたのか全身濡れており、火竜の方は火を纏って熱すぎた。


 召喚するタイミングは相手側の事情もあるとは言え、何というか間が悪い。



 ゆえに、本来であればタキにそうくっ付くことはないエルゼでも、この寒さをしのぐためにくっ付いてるようであった。


 なお、その他この授業で召喚されながらも、寒さをしのぐのに向いていない者たちで固まって、端っこの方で体育座りをして落ち込んでいるように見えるのだが…‥‥まぁ、どうしようもない。


 精々、夏場になったら盛り返すだろうと思いつつ、授業は進んでいくのであった‥‥‥‥











 一方その頃、まだ一介の令嬢であるリディアは今、バトと共にお茶会を開いていた。


「ふふふ、こういうのも嗜みなのですが‥‥‥妖精女王と飲むのも、悪くはないですわね」

―――――私モ、色々ト学ベルヨ。


 紅茶を飲み、その香りを堪能しつつ、談笑しあう彼女達。


 ルースが卒業後に、結婚した時の妻になるもの同士、こういうところで絆を深め合う。


 いつもならばバトはルースの側に入るのだが、たまにはこうやって離れて、他の場所にいる者たちの元へ向かうのだ。


 正妻の座としては色々と話し合う必要があるが、まぁ、エルゼ辺りで大丈夫という結論はあり、特にぎくしゃくとした関係にはなっていない。


 しいて言うのであれば、タキとの衝突が考えられたが、それもルースがどうにかするだろうと彼女達は予想済みなのである。



―――――トハイエ、卒業マデ時間アルケド、何カ物騒ナ話アル?

「しいて言うのであれば、ちょっとありますわね」


 バトの問いかけに対して、リディアは少し考え、そう言葉にした。


「えっと、以前にわたくしには別の婚約者がいたのだけれども……」






……数年前の話だが、リディアにはルースではない別の婚約者がいた。


 そのお相手は色々と問題を起こしまくっていたバズカネェノ侯爵家の当主になっていたソークジである。


 ルースとの決闘で代理人を呼び、それが反魔導書(グリモワール)組織フェイカ―の怪物で騒動になった末に、決定的なつながりやその他諸々の罪状によって拷問送りになった話はあったが‥‥‥



「‥‥‥あの後、鉱山へ強制労働として連れていかれて、それ以降は特に気にもしていなかったのだけれども……どうも、脱獄したらしい話があるのよ」

―――――ホウ?


 その言葉を聞き、バトは目を細める。


 当時のバトはまだ小さい妖精であったとはいえ、騒動の事は見ており、どのような屑であったのか覚えてはいた。


 その末路に関しては誰もが特に気にせず、ほぼ放置していたのだが…‥‥



―――――デモ、脱獄ッテ普通デキル?

「出来ないはずなのだけれども……誰かが手引きしたのかしらね?」



 重度の犯罪者の場合、逃げられないように枷や重りが付けられていたりする事があり、ソークジも例にもれずしっかりと付けられて、強制労働中だったらしい。


 だがしかし、ほんのひと月ほどまでにその働いていた鉱山で事故が発生したそうで、そのどさくさに紛れてどういう訳か逃げ出したそうなのだ。



「つけられた枷などは破壊した形跡はなく、鍵を強奪して開錠したとも考えられているそうだけれども、それにしてもその保管場所を知るはずもなかったはずだろうし、仲間がいた可能性が考えられるのよね」

―――――ソウ考エルト面倒ナ予感シカナイネ。


 強制労働によって罪を認識し、悔い改めているのなら良いのだが‥‥‥‥まぁ、脱獄していたりする点から、どう考えても性根が治っている可能性は無さそうである。


 むしろ、自業自得の結末を迎えたはずなのに逆恨みをしており、何か仕掛けてくる可能性もあった。



―――――フェイカーハ潰レ、残党モ処分済ミ。デモ、悪人ハソレダケニ留マラナイ。

「そうなのよね」


 面倒くさい話しだが、あれでもあの組織は勢力を誇っていた。


 つまり、他の悪人たちが集まっている組織を抑えているような形でもあったが…‥‥完全に瓦解している今、新たな悪が台頭してきてもおかしくは無いのである。


 世のなかは清廉潔白とはいかず、そう言う者が出るのは仕方がないこととは言え…‥‥やはり面倒なものは面倒なのであった。


―――――マァ、調ベル価値ハアルカモ?


 こういう悪組織地位確立争奪戦が行われている状況があるのならば、それぞれで色々とやらかす準備をしている可能性はある。


 中には何か貴重なものを隠し玉として持っているところもありそうで、潰す価値はあるだろう。


 そう思い、バトはこの後ルースに相談したのち、妖精部隊で情報を収集し、あちこちの悪だくみを結果的に潰しまくる事になる。





……たった一人の愚か者の逃走。


 それによって多くの悪の組織がとばっちりを受ける形で潰れたことにより、その情報が広まって大走査線が組まれ、表からも裏からもその愚か者が終われる羽目になったのは言うまでもない。


一人の脱獄により、多くの組織が潰される。

どこの誰かの行動によって何が起きるのかは、誰も予想が付けられない。

けれども、確実にその愚か者は多くの恨みなどを背負う羽目になって…‥‥

次回に続く!!


……一人一人、ちょっとずつ焦点を当てているような気がしてきた。

まぁ、バトの情報網は見習うべきところがあるかも?どこか別作品で思いっきり生かせそうだな…‥‥

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