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黄金の魔導書使い  -でも、騒動は来ないで欲しいー   作者: 志位斗 茂家波
夏も過ぎ去り、最後の学園生活で章
313/339

279話

再び現れるG。

数カ月ぶりの再会だが、確かにあの時バル○ンを焚いて全滅させたはずである。

・・・まさか、また外からやって来たとでもいうのか!?

……我が名はハイドラ=バルモ=グレイモ。


 もうそろそろ王子たちも十分成長してきたので、王位継承を誰にするのかはっきり決めようと考えている中、とある物凄い面倒な報告が出されてしまった。


 


「‥‥‥今、何と言った?」

「はっ。改めて申し上げますが、来年度収める予定の領地上空にて、国滅ぼしのモンスターの一体、ファフニールが所持していた空を飛ぶ島……仮の名称として『浮遊島』の存在を確認。内部を探索したところ、ファフニールの生存が確認できましたが、寿命がちょうどつき天に召され、一時的にその島を領地上空に留めています。これの所持権の判断などを王家へゆだねたいと思い、本日こうして謁見しにしたのです」


 目の前に入る青年……来年度に公爵の爵位を与え、我が娘2人も降嫁させる相手であるルースという者の報告に、思わず頭が痛くなった。



 何しろこの人物、精霊王の孫であり、前代未聞の黄金の魔導書(グリモワール)所持、反魔導書(グリモワール)組織フェイカ―と敵対して潰し、召喚魔法で国滅ぼしのモンスターを従え…‥‥色々と問題児というか滅茶苦茶なものが積み込まれ過ぎた相手なのだ。


 そんな人物が珍しく謁見しに来たと思えば、ある報告があると言って聞いてみたものの……その内容もまた大問題過ぎた。


 ファフニールというと…‥‥確か、国滅ぼしのモンスターの1体。


 それが持っていた空飛ぶ島というと、国宝扱いレベルになりそうな‥‥‥‥いや、もう考えるのも面倒である。


 色々と使い道もあり、調査内容を細かく記した報告書も渡されたが、書かれていることだけでもそうs等面倒なものが多い。


 移動も自由にできるようであり、空を行く空中要塞ともいえよう‥‥‥‥各国がのどから手が欲しがるようなレベルだな。


 これ、国預かりにしても良からぬことを考える輩が出る未来しか見えない。








 とにもかくにも、その浮遊島の扱いを今日中に決めるのだが、時間がかかると理由付け、一旦ルースを下がらせた。


 ひとまずはまだ王女である娘たちとせっかく城に来たのだから交流してもらいつつ、こちらはすぐに、臣下の者たちを集め、会議を開いたのだが…‥‥



「‥‥‥恐れ入りますが陛下、それは国の手に余るかと」

「国滅ぼしのモンスターが1体亡くなったという事は、安全面を考えるのであれば、まだ良い報告なのですが、流石にそのモンスターが持っていた島は‥‥‥どうなのでしょうか」

「軍部にも面倒な輩が出るだろうし、下手に国のものとするのはあまりいい案とは思えません」

「…‥‥そうだな」


 臣下たち、全員渋い顔をした。


 誰が聞いても、どう解決した物かと悩むのである。


「そもそも、どうして彼は……発見者のルースとやらは、この浮遊島を見つけたのでしょうか?」

「理由については、どうやら来年度行う予定の結婚式会場に悩んでいたらしく、いっその事空にでも作って見ようと計画し、ひとまずは視察に来たところで見つけたそうだ」

「…‥‥本人の実力で形成できる代物だと?」

「そうではないらしい。ぶっ飛んだ発想をしたのはいいが、まだ確立していなかったようだ。調査してみたところ、その浮遊島の浮遊技術も未知のものが多く、量産などはできないらしい」

「できたらできたで大問題ですよね」


 あはははは、っと乾いた笑いがでつつ、すぐに全員深い溜息を吐いた。


……本当にどうしたものだろうか。




「いっその事、国の所有物として預かるのはどうでしょう?」

「空に浮かぶ島に自由に出入りする方法がないし、そもそも移動手段もいまいちわからないから、預かったところで利用できないだろう」

「軍部らへんで利用価値を見出せそうですが…‥‥それはそれで、各国でほしいと問い合わせが来そうですしな」

「モンスターの所有物という時点で、色々な面倒ごとの予感はしていたからなぁ」



「…‥‥ちょっと待て、報告書内にファフニールが天に召されたとあるが、その死骸はどうなっているのだ?」

「保存されているようですが…‥‥あ、これも確かに問題ですね」

「国滅ぼしのモンスターの死骸か…‥‥これはこれで、引き取り手が多く出る事が予想されるな」


 一つの問題について会議をしていたはずなのに、いつの間にか多くの問題が浮上してくる。


 ここまで多いと、もはや国では処理しきれないほどの面倒事だが‥‥‥‥


「…‥‥もしや、これを報告した理由はこの面倒事を予測でできていたからか?」

「おそらく、いや、きっとそうでしょう」

「まだ与えていないが、貴族としての責任は果たしているようなものであり、罰則も与えにくい面倒ごとのおしつけですね…‥‥」



 はぁっと溜息を吐きつつ、その押し付けの可能性を考えるとさらに頭が痛くなる。


「いっその事、丸投げしますか?」

「というと?」


 そこでふと、一人の臣下がそう発言した。


「ただ個人に所有権を与えるのではありません。あくまでもその所有権は国が所持しつつ、この管理を任せるのです。この人物は信用に足るものであり、王家からその地の管理を任せられるほどの信頼があるとして、浮遊島を貸し出すのです」




……そもそも、ルースは精霊王の孫とは言え、元々は平民。


 今までの功績や、その他諸々あるために、来年の卒業時に公爵の位を与えるのだが、未だにそれを良しと思わない輩もいるのだが。


 だが、今回のこの浮遊島はそう言った輩を黙らせることが出来るとその臣下は提案してきた。



「この島の発見をかなりの功績だと評価したうえで、これまでの功績をちょっとずつ混ぜ込めつつ、王家からの信頼性に足るものであるから、褒美としてこの島を与えるとするのです。王家の決定という事にすれば、これに反論すればその決定に異議があるという事にして黙らせることができますし、王家からの信頼の証として与えるのですから、そちらの方も完全に押しつける事が出来ません」


 信頼性に足るものとして渡されるから、拒否したらその信頼性に自信がないことになる。


 王家の決定で渡す代物だから、異議を申し立てて自分のものにしようと考えても、王家の決定に反するものとして見られる可能性がある。


 ルースからの押し付けに対する仕返しもでき、なおかつ彼へ爵位を与える事に文句がある輩を牽制できる、まさに一石二鳥の案。


 いや、むしろ国にこのような面倒すぎる物の管理を押しつけられなくて、両方を同時に抑えられるのだから、一石三鳥なのかもしれない。



 その案を聞き、その場にいた者たちは盛大な拍手を送る。


 色々と問題がありそうな気がするが、それでもある程度の解決策になっているので、この面倒事を解決する希望の光を与えてくれたという事で、今回の案を出したこの臣下は後に褒美を与えられるのであった…‥‥






――――――――――――――――――――

「…‥‥あれ?」

「どうしたのかしら、ルース」

「いや、今せっかくの面倒事を押しつけたはずが、逆に押しつけられる予感がしたような…‥‥」

「そうなの?」



 王城内の一角で、アルミアとルルリアと談笑している中で、ふとルースはそのような予感を出だした。


 そして数時間後に、その予感が見事に的中していたことを知るのであった‥‥‥‥‥

面倒ごとの押し付け、大失敗☆。

まぁ、せっかくなので有効活用をさせてもらいましょう。

元々空へ訪れた目的もある事だし、ちょうど良いか…‥‥

次回に続く!!


……本当は閑話扱いにしたかったが、ちょっとできなかった。

まぁ、次の閑話はスアーンの事になるし、彼がどうなっているのかとりあえず確認してみよう。

それにしても、何時帰還できるかな…‥‥300話まで行きそうな、そこまでに戻ってこれない様な‥‥‥

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