271話
スアーンに関しての話?
ああ、奴ならば多分大丈夫であろう。
少々別の方にお邪魔するかもしれないが‥‥‥出番はもう少し先である。いや、別の方にならでるのか?どっちが先かな?
……タキたちが無事に帰還してきたその翌日、ルースたちはあることを思い出し、タキたちとセットで戻ってきていたエルモア先生のところへお邪魔していた。
そのある事と言うのは‥‥‥
「‥‥‥ふーむ、これがその液体人間なのかな」
「ええ、そうです」
ぶるぶると机上に乗りながら震え、身振り手振り振動などで説明する液体人間を見て、エルモア先生はそう言葉を発した。
夏休み中、廃村に眠っていた、かつてのフェイカーの犠牲者、液体人間。
どうにかして人間に戻してやりたいと思ったが、今のルースたちにはどうすればいいのかわからず、手詰まりであった。
だが、知識量ならば豊富なエルモア先生に尋ねてみたら、どうにかできるかもしれないという希望があり、今回連れてきたのである。
「いや、流石にこのような事に関しての知識を求められても、無いものはないな」
そう断言され、ルースたちはがっくりと肩を落とした。
「‥‥‥とは言え、無理とは言っていないな」
「え?」
その言葉に、ルースたちは驚きで顔を上げる。
「無理ではないって、どういうことでしょうか?」
「ああ、その事な。確かに液体人間をどうやって人間に戻すか、という事に関しては分からないな。だがしかし、似たような事例程度であれば、いくつか知っているんだよな」
「いくつか‥‥って、他にもあるんですか!?」
「間違いなくな」
まさかの類似した事例が複数存在するという言葉に、ルースたちは驚愕する。
フェイカーの手によって液体人間にされた、この子以外にもあったのか。
「と言うか、近いところにその例の一部がいるな」
「近いところ?」
「タキ、ヴィーラの二人がその例であるな」
【なぬ?】
【はい?】
エルモア先生の言葉に、聞いていたタキとヴィーラが目を丸くする。
その言葉に、ルースたちは気が付いた。
……元々、彼女達だってモンスターである。
今は人の姿を取って過ごしているが、タキは大きな九尾の狐、ヴィーラは大きな兎の姿が本来のものである。
彼女達は人化が可能で、それによって今の人に近い姿になれるのだ。
まぁ、互に種族が違うせいか、それともヴィーラの方は過去のエルゼによる毛皮剥ぎの折檻のトラウマがあるせいか、微妙に内容が異なるが。
何にしても、この例という事は…‥‥
「つまり、早い話としてこの液体人間に、人化を使えるようにすれば良いのか?」
「そういうことだな」
【いや、そういう事だな、と言う言葉で終わらせてほしくないのじゃが】
【そうソう。これ、地味に修得大変ダよ?】
確認のためにルースが問いかけると、エルモア先生は深くうなずいたが、タキとヴィーラの二人は難しい顔をしていた。
「どういうことだ、二人とも?」
【んー、どう説明したらいいのか……まぁ、そうじゃな、人化のやり方で確かにこの液体人間を人間にすることは可能かもしれぬ】
【けレども……】
いわく、この人化自体、修得方法が色々とあるが、どうなっているのか実際にできる本人たちでさえ、明確に分かっていないらしい。
タキの方は自然と、ヴィーラは折檻後に大人しくしていたら、いつの間にかと言った具合で、何時どうやって、どのタイミングで修得したのかよく分からない。
【だからこそ、液体人間が人化できるか否かで言えば、可能性はあるのじゃろうが‥‥‥】
【問題は、どウやって修得するカなんダよね】
ゆえに、軽々しく人化できるようにすれば良いという事はできないそうだ。
それに、解除すれば元の姿に戻ってしまう。
「そうか‥‥となると、その手段はとりにくいか……」
液体人間をごまかして人間にしても、また戻っては意味がないだろう。
一時的にできても、元に戻ったらまた液体なんだからなぁ…‥‥
しかし、これでは話が進まない。
「他に何かないんでしょうか、エルモア先生?」
「ああ、あるな。今のもほんの一例なだけだし、他にも考えられるものとしては…‥‥これは少々、魔法とかそう言った分野とは外れるのだが、『錬金術』というものがあるな」
「『錬金術』?」
……少々気になるような言葉。
とは言え、それは期待できそうな感じがするので、ルースたちはしっかりとその内容を聞いてみるのであった…‥‥
ちょっとばかり心くすぐられそうなワード『錬金術』。
それが、液体人間を元の人間に戻せるものか、期待はあるだろう。
とは言え、一歩間違えると悲惨な事になる予感もするのだが‥‥‥
次回に続く!!
……ちょっと魔導書が目立ってないので、そこもはっきりさせていかないとね。
魔法とも違うらしいが‥‥‥




