253話
湖から離れた別の場所……
公爵領地と言えば、こういうのがあるかなと作者が考えていたりするので、少々おかしいかもしれないが、できれば見逃してください。
……湖にて、管理する人員を見つけたルースたち。
そして今日は、公爵領予定地の別の場所を見に来ていた。
「えっと、ここは『ラダーストン鉱山』か‥‥‥でも、だいぶ掘りつくされたかな?」
「ここはブンメール男爵が元々治めていた鉱山らしいアル。鉄鉱石が豊富だったらしいデアルが‥‥‥」
事前に確認していた資料を読みながら、ミュルは話した。
一応、ルースの貰う予定地は、何かしらの問題を起こして取り上げられた貴族の領地が多い。
だがしかし、この元ブンメール男爵だけは異なるようで、単純に跡継ぎがいなかったがゆえに、国が一時的に管理することになったそうなのだ。
「品行方正、領民からも慕われていた人気者だったそうでアルな」
「そう聞くと、問題無さそうな領地だよな・・・・・」
「あ、でも過去に一度この領地でいざこざがあったらしいわね」
ブンメール男爵には跡を継ぐ子がいなかったがゆえに、自然に断絶し、国にこの領地を返還することは決まっていた。
だがしかし、だいぶ資源が少なくなってきた鉱山とは言え、まだまだ資源はある。
ゆえに、ここの管理を任せてほしいという貴族が多かったようで……
「その中には、違法に入り込んで掘削を行っていた者もいたらしいわね」
「欲深い奴のようだな」
―――――妖精部隊ニヨルト、既ニ潰レタヨ。
まぁ、悪行がバレたその貴族家はどうやら既に潰れているようなので、ルースがこのままここの領地を治めても文句を言われる可能性は無さそうである。
だがしかし、念には念のために残党狩りもしていたほうが良さそうだ‥‥‥隠し子だから領有権があるとか、そう言ってくるような輩が出る可能性がないという訳でもないしね。
「とは言え、だいぶ掘りつくされているようだけど・・・・・ん?」
【ピギャコッス……ピギャ?】
ふと気が付けば、マロが何やらトテテと鉱山の入り口に近づき、首をかしげていた。
「どうしたマロ、何かあったのか?」
【ピギャ……ピー‥】
うーんと考えこむようなそぶりをしつつ、ソワソワするマロ。
何か人には分からないものを、コカトリスであるマロは感じたのだろうか?
「ああ、そう言えば聞いたことがあるの」
その様子を見て、アルミアがピンと来たように口にした。
「コカトリスは石を主に主食にしているけれども、鉱石を食べる事もあるらしいの。という事は、マロはその鉱石らしいものを見つけて気になっているんじゃないの?」
「そうなのか?」
【ピギャッス!】
正解と言うように、問いかけに対してマロは頷いた。
どうやら考え込むようなそぶりを見せていたのは、ここのモノを食べて良いのか迷っていたらしい。
「なぁ、この鉱山って迷うことはないよな?」
「そーれはないようね。内部は単純に作られていーるようだし、看板で地図もあーるらしいわ」
となれば、ちょっと入ってみるのも悪くないかもしれない。
今日も日差しは強いので、こういうひんやりとして良そうな場所の探索は面白そうだ。
ただし、危険性がないとは限らないので、一応今日はルースとマロの一人と一羽で探索することにした。
エルゼ達には入り口に待ってもらう。
「一応、中は暗いし明かり代わりとして・・・・・『ライトファイヤ』」
魔導書を顕現させ、明かり代わりにしつつ、更に明るさを足すために火と光の魔法を複合させたものをルースは発動させた。
周囲に火の球が浮かび、光の力で光量が増している。
これならば隅々まで明るくなるだろうし、鉱山内も安全なはずであった。
【ピギャ~コケケケコット♪】
鉱山の中に入ると、鉱石を食べる楽しみがあるのか、マロが軽快に歌いだす。
人語は話せないのに、ちょっと知能が高くなってきたような…‥‥コカトリスなのに、お前はどこを目指しているんだろうか。
何にしても、鉱山内をルースは少々探ってみるが、特に危険そうな個所は見当たらない。
「マロ、一応敵が出たらブレスを発射して良いぞ。こっちまで来る可能性もあるが、お前の事なら大丈夫と思うからね」
【ピコケッッス!】
びしっと羽を器用に曲げて敬礼し、了解と言うようなしぐさを取るマロ。
…‥‥本当にマロは何になろうとしているのか気になるが、まぁ、可愛いから良いか。
ある程度進むと、マロが歩みを止めた。
【ピギャ……ピギャァァコッス♡】
目をキラキラと輝かせて、マロが鉱山内の壁に嘴を打ち付け、足で蹴って砕き始めた。
どうやら目当ての鉱石を見つけて、採掘し始めたようである。
そんなに深くはなかったのか、すぐにその鉱石が転がり落ちてきた。
「っと‥‥‥これは鉄鉱石かな?」
純度は低そうだが、それでもおいしいのかマロがバキバキぼりぼりと食べ始める。
可愛いけれども、普段から医師もかみ砕くので、意外にあの嘴はかなりに強いのだ…‥‥そう考えると、コカトリス最大の武器はブレスとかではなく嘴のような気もするが‥‥‥まぁ、ブレスの方が楽なんだろうな。
何にせよ、マロがぼりぼりと鉱石を食べていたその時であった。
…‥‥ゴ、ゴ、ゴ、ゴゴゴゴゴゴ!!
「!?」
【ピギャ!?】
突然、なにやら地鳴りが聞こえてきた。
鉱山が揺れているのではなく、奥の方から何か聞こえてくる唸り声のような…‥‥
「落盤が起きたわけでもなさそうだし……マロ、ちょっと行ってみるか?」
【ピギャ!】
ルースの問いかけに頷き、ちょっと掘り出した鉱石を尻尾の蛇で巻き取っておき、マロはそう返答した。
とりあえず、正体不明の音が気になるので、ルースたちはその相手の方へ向かうのであった…‥‥
鉱山内に響き渡る異音。
落盤とかではなく、何かの唸り声のようである。
その正体を探るべく、マロと共にルースは奥の方へ向かうのであった。
次回に続く!
……考えてみたら、マロの身体スペックってモンスターと言うだけあってかなりすごい。
石をかみ砕き、地を踏み砕いて駆け抜け、黄金化ブレスで敵を無力化し、モフモフな羽毛で戦意喪失させる癒しをもたらす。
まさに無敵要塞モンスター‥‥‥かもしれない。飛行能力は微妙だが、一応飛べたりする。
ただまぁ、基本的に癒しのモフモフ要員なんですよ。さぁ、あなたもそのモフモフに呑まれなさい‥‥‥




