247話
何と言うか、夏休みの章だけど、主人公以外の視点が多くなりそう
久しぶりのルーレア皇妃にフルボッコにされた以外は、一応平穏な日常となり、いよいよ夏休みの時期となった。
とはいえ、夏休み早々に公爵領予定地に行き成り赴くわけではなく、まずは皆それぞれの帰省が優先となる。
どうせ、集合する予定地は分かっているのだし、普段学園に居る分、きちんと両親などに顔を出しておくべきだからである。
まぁ、その前にちょっとしたこともあったが・・・・
「え?タキたちはしばらく召喚できないの?」
【うむ、ちょっと召喚主殿との婚姻をするにあたり、一度故郷へ戻って墓参りをしたいからのぅ。遠い東方の地ゆえに、色々とやる事もあって、夏休みの間はちょっと召喚を遠慮させてほしいのじゃ】
【こチらも似たよウな事情カナ。まぁ、せっかくの長期休暇の間ニ会えなイのは寂しイけれどね】
召喚してきたタキたちだが、どうもこの機会にちょっといったん故郷へ戻って、色々とやっておきたいことがあるそうなのだ。
ついでに、タキと同郷のエルモア先生もその背中に乗っていくらしい。
まぁ、どうやら東方にて先生の一族で何かがあるらしく、ついでに乗っていこうという気らしい。
何にせよ、この夏休みの間に移動手段と知恵を拝借できる人がいなくなるのはちょっと痛いが、まぁ問題は特に無い。
しいて挙げるとするならば…‥‥
「この鬼畜な夏休みの宿題の量ぐらいだろうか…‥‥」
「まぁまぁ、今年はお父様があたしたちのために荷馬車も追加で用意してくれたのだから、大丈夫よ」
エルゼがニコッと笑いつつ、対面に座ってそう言った。
現在、ルースはエルゼのミストラル公爵家から出された馬車に乗って、故郷の村へ向かっていた。
タキの召喚によって宿題を輸送していたが、その手段が取れなくなったのを聞いて、エルゼがわざわざ公爵家の当主である彼女の父にお願いして用意してもらったのだ。
学園入学当初からできたのではないかと言う疑問があるが、タキを使っていたルースに対してある程度の遠慮をしていたのだろう。
なんにせよ、重い荷物を楽に運べるのは助かったというべきなのかもしれない。
「…‥‥あれ?そう言えばスアーンは?」
「ああ、あの下僕は帰省しないらしいわよ」
「え?」
「なんでも、夏の間にちょっと思う事があって旅に出るそうね。まぁ、夏休み明けには学園に戻って来れているのかは分からないけれどね」
……一体何があったんだろうか、スアーンよ。
と言うか、一応夏の補習や留年を免れたらしいが、旅に出るほどの余裕があるのだろうか…‥‥まぁ、気にしても仕方がない。とはいえ、一応あれで友人だからなぁ……
「バト、念のためにスアーンに何かあった時にだけ連絡するように妖精たちを使えないか?」
―――――可能ダヨ。デモ、特ニ何モナイダロウシ、暇ナ部隊任セルヨ。
念のために、バトの配下の妖精部隊に頼んでしばらく様子を見てもらうことにしたのだった。
「でも、何でそちらがぴったりとルース君の横にいるのかしら?翅があるのだし、飛んでいけば良いじゃない」
―――――主様ノ側ニイルノハ当リ前ダヨ。ソレナラ最初カラ横ニイレバ良カッタヨネ?
「ふふふふふ、生意気な口を利くようになったわねぇ」
―――――今ハモウ、対等ナ関係デスカラネ。フフフフフフフ…‥‥
……二人の纏う雰囲気がちょっと怖い。
個人的には仲良くしてほしいのだが…‥‥余計なことを言えば火に油を注ぐだろうしなぁ。
実質、フェイカーよりも妻にする女性たちがちょっと怖い…‥‥あ、これがもしかして尻に敷かれる奴なのだろうか。
そう思いつつも、ルースは馬車の外を遠い目で見るのであった‥‥
丁度その頃、スアーンはある場所をさまよっていた。
「…‥‥割とマジでどこだよここは」
嵐のように強い風が吹き荒れ、雨ではなく特大サイズの雹が降り注ぎ、地面は真っ赤に燃えたぎるように熱されて…‥‥まるで地獄とも言うべき様な風景と化していた。
確かに、夏の間に旅に出て己を見つめ直してみたいと思った。
だがしかし、なぜかこの地にたどり着いてしまったのである。
……何がどうなってこの場所に来てしまったのか、スアーンでもわからない。
ただ、今言えることとしては、この夏の間に帰還できるかどうかわからなくなってしまったことと、夏休みの宿題をやる暇がなさそうなことぐらいである・・・・‥‥
……スアーンは帰れるのだろうか。
そのような状況になっているとは知らず、ひとまずはルースたちは帰郷する。
ある程度過ごしたところで、公爵領予定地に訪れるのだ。
次回に続く!!
‥スアーンが帰還できるかどうか、それは神のみぞ知る。




