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23話

少々短いかな?

「…‥‥え?先生が交代?」

「ああ、どうやらぎっくり腰であの爺ちゃん逝っちまったんだってさ」


 学園での本日の授業開始前に、どうやら今日は教師が交代するようである。


 スアーンとの話しで、ルースはその事を知った。



「今日やる授業って、確か薬草学だよな?」

「ええ、そのはずよね」


 横にいたエルゼにルースが尋ねると、その通りだと返答してくれた。



 薬草学とは、その名の通り人によく効く薬などについて学ぶ授業である。


 魔導書(グリモワール)を扱う者たちの中には、足りない力を薬で補ったり、癒しに関する白い魔導書(グリモワール)を持つものがいなかった時の対処方法として出来るだけとるようにと言われているのだ。


 選択式なので、ルースの場合複合魔法で扱えるので学ぶ必要性は余り無いのだが、その治療関係をルースは目的としていない。



 癒しや増強などがある薬草学の知識の中には、当然動物に好まれるような香りを出す香草もある。


 タキを召喚できるようになったとは言えども、やはりそれとは違うモフモフをルースは求めたい。


 ならば、そのようなモフモフ生物たちに好かれるような香草などを学べ、それを利用してさらなるモフモフを追求できるのではないだろうかと、ルースは考え、この授業を取ったのである。


 ちなみに、スアーンは若いのになんか胃が痛くなりそうだから胃薬関係で、エルゼはルースが選択した授業だからというのと、何かしらの目的があるから選択したようだが…‥‥薬となると、なにやらろくでもない予感をルースはしたので、その対処方法も学ぶべきかと考えるのであった。




 とにもかくにも、どうやら本日の授業は、これまでの薬草学の教師が変わってしまうそうである。


 齢88歳のよぼよぼな爺さん先生だったのだが…‥‥いったい誰になるのだろうか?





 と、考えていると教室の扉が開き、その件の教師が出てきたのだが‥‥‥その姿を見て、皆驚いた。



 その姿は人間の女性と言ってもいいのだが‥‥‥明らかに異なる特徴が見て取れた。


 背中にたたんでいるようだが、それでも目立つ黒い翼を生やしていたのである。



…‥‥魔族。そう誰かがつぶやいた。



 この世界では、人間以外の生物は基本的にモンスターか、魔族という者たちに分けられているらしい。


 魔族と言っても、大概は人の姿に近い者たちであり、人間ととくに争っているわけでもない。


 それでも、やはりその姿は珍しいために、目にしてみると驚くのである。




 そうこうしているうちに、教壇に魔族の女性は立ち、リューたち生徒へ顔を向けた。



「‥‥‥あー‥‥‥私は、元々この授業を受け持っていた先生がぎっくり腰で逝ったので、新たに講師としてここに雇われ、この授業を受け持つことになったエルモアであるな。皆の様子からというか、私の姿を見てもうわかっているとは思うが、私は魔族の‥‥‥‥‥‥なんて言うんだっけな?」



 種族名を言うところで、忘れたかのように首を傾げたエルモア先生に、全員ずっこけた。


 まさかの魔族である自身の種族名をど忘れするとはこれいかに。


 そして、なんとなく全員感じたが、どうやらこの先生‥‥‥やる気が微妙というか、だるいけどやることはやるという空気を纏っているようであった。




 美人だとは思えるけど、そのダルそうな雰囲気がちょっとだいなしに‥‥‥ん?



 ふと、ルースが何かを感じて見てみれば、エルゼが良い笑顔でルースの事を見ていた。


 だがしかし、その雰囲気は明らかに真っ黒で、どっとルースは冷や汗をかいた。



…‥‥どうやら、考えていたことがエルゼには丸わかりだったようで、彼女の不興を買ったらしい。






 ルースがエルゼに戦々恐々としているとき、ふとそのエルモア先生がルースの方を見て、少しだけ口角を上げたのだが、その事に気が付くのは誰もいなかったのであった。



「ルース君?今ぁ、何かぁ、不純な事を考えなかったよねぇ」

「考えていない、いないってば!!なんかものすごい怖いからその雰囲気止めて!?」



‥‥‥二次災害とでもいうべきか、エルゼのその雰囲気に気が付いたスアーンが気絶していたことにも、誰一人として気が付かないのであった。




‥‥‥さてさて、やってまいりましたよあの人が。

ここまでの道のり、ちょっと閑話にしてみたいけどどうしようかな。


【‥‥‥大変じゃった。本当に大変じゃった】

「まぁまぁ、無事についたからいいじゃないかな」

【お主は飛べるから良いけど、こっちは危うく火口に落ちるところじゃったんじゃぞ!!】


‥‥‥相当大変な道のりのようであった。

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