231話
考えてみれば、人数と質てきに相手の方が不利なような‥‥‥
まぁ、悪い奴はフルボッコという感じで考えればいいかもしれない。
「はぁ、はぁ、はぁ…‥‥」
必死に足を動かし、途中で一旦別れ、集合場所に集うことを目的として逃亡している一人の熊男がいた。
彼はフェイカ―の幹部であり、本来であれば士気向上のために温泉に来たのだが…‥‥浴場にて、組織と対立している少年と出くわし、逃げる手段をとるしかなかったのである。
腰布一枚だけで、街中をかけるのは流石に社会的にも不味いことを理解しているので、路地を利用し、ある程度入り組んだ道を抜け、少し開けた場所に出たところで、ようやく一息をついた。
「ふぅ、一旦ここで休み、やり過ごせば問題ないはず…‥‥っつ!!」
その場で休憩し、動きやすくなる真夜中まで待とうとした時、ぞわっと悪寒が駆け巡った。
すぐさまその場から横に移動した途端…‥‥
【ピギャァァァス!!】
ぶしゅうううううううううう!!
上から現れたコカトリスが、口を開き、数秒前にいた場所に対してブレスを吐いた。
そして、そのブレスが晴れた時には、そこは石化していた。
「危なかった…‥‥というかこいつは、さっきのコカトリスか!!」
【ピッギャ!!】
その叫んだ言葉に返答するかのように、コカトリスはそう返事を返した。
「いたぞ!!」
「そこなの!!」
そのコカトリスに続けて、二人の少女が駆けてくる。
一目見れば中々の美少女であるが…‥‥纏う雰囲気は、あからさまに実力がかなりある事を伝えてくれる。
「ぐっ…‥‥しつこいぞ!!」
このまま逃げていてもどうにもならないことを理解した熊男。
腰布一枚という格好つかない姿ではあるが、これでもフェイカーの幹部の一人。
何ごとがあろうとも、その場にあるものを可能な限り利用し、徹底抗戦の構えに出るのであった。
‥‥‥‥少女2名よりも、コカトリスの方が怖ろしく感じてもいたが。
一方同じころ、別の路地裏では追走劇が起きていた。
「ひぇぇぇぇぇ!!落とし穴だらけじゃねぇぇかぁぁぁ!!」
【掘って、掘って、先まワりしてマた掘った穴ダよ!!】
「その長い鼻を粉々に粉砕してくれますわ!!」
―――――毒針発射!!
必死に逃げる、天狗のように長い鼻を持った男の周囲には、突き進む先に落とし穴が瞬時に生成され、拳が空をかすってその衝撃を伝え、無防備な鼻の穴めがけて針がとんでくる。
全てを回避し、何とか難を逃れてはいるが、そのながっぱな天狗モドキ男は涙を流した。
「ああ!!これが何もないただの追いかけっこであればよかったのに、殺す気満々じゃねぇかぁぁぁ!!」
その叫びが響くも、誰も救いの手を差し伸べようとはしない。
今は回避できてはいるが、体力が無くなれば窮地に陥るのみ。
かといって、反撃しようにも丸腰ではどうしようもない。
しかしながら、これでもフェイカーの幹部を務める者。
そうやすやすと捕まるわけにもいか‥‥‥
「『パルスライト』!」
ジュンッ!!
「い!?」
脇腹のすごく横を通り抜けた光の線を慌てて交わした男。
見れば、かすっただけなのに焼けており、命中していれば貫通していただろう。
「ふーふふふ、こーういう逃げる輩なら、手足を狙う方がいーいわよ」
見れば、そこには魔導書を構え、次の照準を定めている女性がいたのであった‥‥‥
温泉街から少し離れた小高い丘の上で、ひょろっとした長細い手足を持つ者は、逃走の最中に素早く盗み取った衣服をまとい、対峙していた。
「…‥‥報告を受けていましたが、まさか幹部を抜けた貴女と早退することになるとは思いませんでしたよ。ええっと、今では名が変わっているんでしたっけ?」
「その通りでアル。ミュルと今は名乗っており、こちらとしても、かつての仲間と対峙するのは少々心苦しいが‥‥‥‥エル、あと皆、ここは自分に任せてくれないアルか?」
金棒を構え、ルースたちの方を向いて、ミュルはそう尋ねてきた。
彼女はかつて、フェイカーの幹部でもあり、今ではルースたちの仲間でもあるのだが…‥‥ここでけじめをつけておきたいのだろう。
「ああ、エルゼ、タキもいいな?」
「あたしとしては、皆で攻撃した方が良いと思うけれども…‥‥別にいいわね」
【我としても文句はない】
ルースが確認を取ると、エルゼもタキもうなずく。
「なるほど、では彼女だけを相手にして良いと…‥‥我々を殲滅する気なのに、ずいぶんとお優しいですね」
「勘違いするな。勝負が終わり次第、もしくはやばそうになれば加勢も考えているからな」
「おお、怖い怖い。‥‥‥ああ、先に言っておきますが、フェイカーの者だという点は認めますが、偽名を使ったつもりはありませんよ。わたしはエルフルニア13世ではなく、正確には26世ですからね」
「倍になっただけじゃん……」
とにもかくにも、エルフルニア・・・・・・・ミュルいわく、フェイカ―の幹部の一人であるこいつは、他の2人よりも油断ならない相手らしい。
その二人が能筋の様な感じであれば、エルフルニアは戦法を器用に変えてくるそうだ。
「元々ここでは戦闘せず、後に組織で襲撃をと考えていましたが…‥‥戦わねばいけないようなので、手加減はしませんよ?」
エルフルニアは構え、どこからかサーベルを取り出す。
対するミュルは金棒を構え、何時でも全力で殴れるようにする。
「では…‥‥いきますよ!」
「勝負でアル!!」
互に駆け出し、勝負が始まるのであった‥‥‥‥
熊男:リゴーラVSマロ、レリア、アルミア
天狗モドキ人間:ハンブルドーンVSヴィーラ、ルルリア、バト、バルション
エルフモドキ人間:エルフルニアVSミュル(ルース、タキ、エルゼはいざという時まで観戦)
次回に続く!!
…‥‥殺傷度で言えば、マロが一番やばいような。石化させることを前提した攻撃しているし。
バルション学園長は手足を動けないようにするつもりのようだし、ミュルに至っては撲殺しそうな勢い。
一応、相手はフェイカ―の幹部なのだが…‥‥捕縛を優先したいのに、抹殺を優先しているよな気がするのは気のせいだろうか




