228話
なんかカオスになりそうな予感‥‥‥嵐の前の平穏な時間にしたいのに、どうなるんだろこれ・・・・・
…‥‥バルディア温泉街で起きた火災に、颯爽(?)と現れ、鎮火させた巨大なスライム、『ウルトラスライム』の『スラヌルス』。
タキたちと同じ国滅ぼしのモンスターなのだが…‥‥どういう訳か、この温泉街では歓迎されていた。
「…‥‥なぁ、タキ、ヴィーラ。スラヌルスってどんな奴なんだ?」
【そうじゃな‥‥‥ある意味変わり者じゃな。モンスターにしては積極的に人と交流を図り、その体を活かした活動をしているそうじゃ】
【スライムゆえか、まとモな攻撃を受け付ケず、国滅ぼしのモンスター組合でも異色の存在でス】
鎮火され、崩れ落ちた建物を飲み込んで片付けているスラヌルスを見ながら、タキとヴィーラはルースの質問に答えた。
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『スラヌルス』
種族はウルトラスライムで、要は超巨大スライム。
身体は半透明で、全体を震わせることで声を伝えるという。
水に限らず液体状のものであればなんでも吸収し、自らの大きさを増大させ、最大で国一つを丸呑みにするほど大きくなれる。
国滅ぼしのモンスターと言われるように、スラヌルスもかつて国を滅ぼしたことがある。
攻撃手段としては自らの体に飲み込むというものと、体液を飛ばすのと、分体と呼ばれるものを創り出して纏わりつかせるなど、多種多様な手段を用いる。
人型にはなることも可能だが、タキたちと異なって全身がスライムゆえに透き通りまくる。
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なお、国の滅ぼし方も、やや特殊な方法を使うようだ。
タキならば焼き払ったり、ヴィーラであれば沈下させるなどの破壊行為であるのならば、スラヌルスの場合は…‥‥
【あやつのやり方はえぐいのじゃ。適当な水源で自身の体を水増しし、国そのものに多い重なり‥‥‥】
【飲み込ンで、生物だけヲ溺死・消化する方法だッたよ】
丸呑みしてゆっくり生きながら溶かしていったりするのか…‥‥
「でも、あんな慕われている様子だと想像つかないのだが‥‥‥」
火事で焼け落ちた建物を消化し切り、きれいさっぱりの跡地になった場所を飛び立って去るスラヌルスに対して、野次馬たちの歓声が送られる。
あれが本当に国を滅ぼすようなモンスターなのか、ルースは少々疑いたくなったが‥‥‥まぁ、色々と事情があるのだろう。
「というかそもそも、なんであれがここで慕われているのかしら?」
【そこまでは知らぬ。つい最近の事のようじゃしなぁ】
ちょっと気になった事なので、せっかくだから一旦目的の温泉がある宿で一息をついてから、この辺りの人に聞いてみようとルースたちは思うのであった。
10分ほど歩いたのち、目的の宿屋にルースたちは到着した。
あらかじめ予約を取っていたので、手続きも軽く済ませ、部屋に案内される。
…‥‥とはいっても、流石に婚約とかがあるとはいえ、まだ清き付き合いである。
ゆえに、同室ではなくきちんと部屋割りを決めていた。
三部屋を借り、ルースとスアーン、ついでにマロで一部屋。
もう一部屋には、バト、タキ、ヴィーラ、ミュル、バルション。
残った部屋に、ルルリア、アルミア、リディア、エルゼ、レリア、と別けたのである。
なお、この部屋割りの意図としては、それぞれの交流の目的があったりした。
普段から一緒なメンバーと、そうでないメンバーなので、この際同室にした方が良いと思えたのである。
ちなみに、部屋そのものは広々としたところなので、人数的に窮屈になるような事はなかった。
「あたしとしては、ルース君と一緒の部屋がよかったわね」
「同意するが‥‥‥まぁ、何かある前に事前予防も兼ねてだろう。というか、スアーンもいるからな」
「俺っちに何か問題あるかね?」
「わたくしたちが知らないような相手ですわよ」
「お姉さまにつくのはルースで良いの。お前、いらないの」
「一度目にしてますけれども、ほぼ目立ってなかったというか…‥‥」
ルルリア、アルミア、リディアの言葉が効いたのか、スアーンがぐふっと吐血したかのように倒れた。
言われてみれば、スアーンが一番この中で目立ってなかったような…‥世の中って残酷だな。
何にせよ、それぞれの荷物も置き、あのスラヌルスについて気になったので情報を集め‥‥‥
「その前に、先に温泉に入ってみるか」
…‥‥気が少々代わり、先に温泉にルースたちは入ることにしたのであった。
やっぱり、こういう所では先に入っておかないとね。
ルースたちが部屋に荷物を置き、温泉に入ろうとしているとき、宿の前にはある3人組が来ていた。
「ここがバルディア温泉か…‥‥組織が危ない中、我々がゆったりと休める様な所に来ていいものだろうか?」
「大丈夫だってば。オレーッチたちはどうせ、もうじき王国に対して最大の攻撃を仕掛け、こちらがやられる前にやる準備を仕上げたし、士気を上げるために来ても大丈夫なはずだ!」
「そういうものか?まぁ、良いか。とはいえ一つ聞くが、ここって予約制の宿屋ではないか?」
「大丈夫、オレーッチ、しっかりと予約を取ったんだ!『フェイカー』からちょっと並べ直して、『イカフェー』にしたから、バレることもない!」
それは本当に大丈夫なのかと、2人は思ったが、その自信満々な一人が宣言した通り、怪しまれることはなかったのであった…‥‥
「さぁ、部屋に荷物を置いたらさっそく温泉に入ろうぜ!」
「他にも客が来ているようだが?」
「迷惑をかけそうなあれのせいで、バレなければいいがな…‥‥」
温泉に来たからには、まずは入るのが先ということで、ルースたちは浴場に向かう。
一方で、どうやら別方面からの客も来たようだ。
何にせよ、ゆったりと浸かれるのかは…‥‥わからない。
次回に続く!!
…‥‥騒ぎにならないと良いんだけどなぁ。今回ばかりはおとなしくして欲しい。
サービスを多めにするか、それとも話しをメインにするか、どっちにしようかな‥‥‥‥




