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195話

ようやく今回、ついに待ち望んでいたモフモフ要員追加。

しかし、なぜか顎が痛い。‥‥なんでだ?何か硬いものを喰ったわけでもないし、虫歯とかでもないし、謎だけど辛い。

…‥‥王城に王女たちを送り届け、後日にその発表の際に改めて招待されるという話を付けてから、ルースたちが学園のある都市メルドランへ戻って来たのは、日が暮れてだいぶ暗くなってきたころであった。



「ふぅ、とりあえずお疲れさん、タキ、ヴィーラ」

【うむ、久々に走ったのは良かったのじゃ】

【また呼ばれレば駆けツけるかラね】


 召喚を解除し、送還し、バルション学園長は一旦貯まった仕事を整理するために学園長室へと戻ったので、ルースは寮内の自室に戻った。



「にしても、今日は色々あったなぁ…‥‥」


 疲れたので、まだ風呂に入っていないが、ベッドに倒れ込み、ルースはそうつぶやいた。


 王女たちの発見、保護、護送、国王への報告のための謁見などと、中々濃い一日であったかもしれない。



 どっと疲れが来たのを感じつつ、とりあえずは食堂へ行って夕食を取ろうかと思っていたその時であった。



「ん?」



 なにやら外が騒がしくなったような気がして、窓を開けてルースは見た。


 辺りは暗いので少々見にくいが、それでもさほど問題にならなかったのだが‥‥‥



「‥‥なんだあれ?」


 その物体を見て、思わずルースはそうつぶやいた。




「待てぇぇぇぇ!!」

「待つのよぉぉぉぉ!」

―――――ハ、速イ!!


 そこにいたのは、エルゼ達であったが、彼女達は謎の物体を追いかけていたのである。


 その物体と言うのは、見た目的に一瞬スイカかと思ったが、よく見れば何か楕円形をしており、鳥の足のような物を生やして逃げ回っていたのである。


 何かの鳥の卵で、足だけがでた姿と言った方が良いだろうか?



 とにもかくにも、大変そうなのでルースは一旦外に出て彼女達のもとへ向かった。





「おーい、皆何をやっているんだ?」

「あ!ルース君!!」

「帰って来たのか!」

――――――主様!


 ルースの姿を見て、それぞれそう声を出しつつも、先ほどから追いかけている謎の物体を片目で見ていた。


「えっとね、ちょっといい肉と卵が入ったから、ルース君のために調理しようかと思ったんだけれども…‥」

「煮えたぎった鍋の中に、ゆで卵にしようかと思ってあの卵を投下したんだが、どうも中身があったようで、あまりの暑さに飛び上がってな」

――――――足ヲ生ヤシテ逃亡シタノ。


「…‥‥なんじゃそりゃ?」



 どうもあの卵をゆで卵にして、そこから料理に使おうと思っていたらしいのだが、中身が出来ていた有精卵であり、一気に足だけが孵化してしまったそうなのだ。



 話しを聞いたうえで、改めて逃げ回っている卵の大きさを見て、ルースは首を傾げた。


「明らかに普通の卵より大きいんだが‥‥‥あれ、何の卵だ?」

「コカトリスよ」

「コカトリス?」



 一応、食用可能な絶品のモンスターだが…‥‥石化するブレスなどを吐くから入手が結構困難だという話ならば、ルースは聞いたことがあった。


 どうやって入手したのかはさておき、コカトリスとなれば逃走させておくのは危険である。



「とりあえずは、捕まえる方が良いんだろうけど…‥‥」



 ドテテテっと駆け回る足だけの卵野郎を見て、ルースは考える。


 普通に捕まえようにも早すぎて捕まえにくそうだし……と、考えていたその時であった。



ドテテテテテテテテテテテテテテテ!!

「おっ、都合よくこっちに走って来た」


 逃げ回る卵がルースの方へ向かって走って来た。


 エルゼ達が追いかける中、何とか逃走ルートとして確立したのだろうが‥‥‥飛んで火にいる夏の虫である。



「精霊化っと」


 自身の体を精霊状態にして、素早く動くルース。


 真正面から近づくルースの気配に気が付いたのか、卵は方向転換しようとしたが、時すでに遅し。




がしっ

「捕まえた」


 しっかりと抱え込み、宙にルースは浮かんだ。


 足が付いているからこそ、大地を踏みしめて逃げることができたのだろうが…‥‥足が付かなければもはやただの動く卵である。


「さてと、大人しくしてもら、」


びきっ

「あ」



 と、ここでちょうど卵のすべてにひびが入った。


 どうやら抱え込む力が少々強かったようで、卵が持たなかったらしい。


 そのままルースの腕の中で、卵がばっかんっと割れ、殻がはじけ飛んだ。


……精霊状態と化していたおかげで、若干実体がない状態でもあったので殻が素通りしてくれたのは良かった。





【ピキギャァァァァ!!】


 殻がはじけ飛び、鳴き声があたりに響き渡る。


 卵から出てきたのは、わかっていたけれどもコカトリスの雛。


 本来であれば、恐ろしいモンスターというらしいが‥‥‥‥


「な、なにこれ!?」


 その姿は、ルースの想像を超えていた。


 全身が大きな饅頭のように白い羽毛でもこもこであり、尻尾の部分に蛇の頭があったが、こちらはまだ幼いのか、丸まっていた。


 そして、その抱き心地は…‥‥



「うわぁぁぁぁぁ!!すっごいモフモコさらさらだぁぁぁぁぁ!!」


 タキやヴィーラとはまた違う、温かみをより一層感じさせるような、例えるのであれば人をダメにするクッションのような感触にルースは歓喜した。


 見た目が可愛らしい雛なうえに、ちょうどいいサイズの抱き枕とも言え、その感触がまさに至福!!



モフモフモフモフモフモフ!!

「なにこれなにこれ!!すごい可愛いし、ふわふわだぁぁぁ!!」


 ついついモフモフ好きとして興奮したルースは、そのモフモコなコカトリスの雛を抱えつつ、その感触を堪能する。



【ピギャ!?ピギャピギャァァ!】


 ルースが堪能している中、コカトリスの雛は声を上げる。


「あれ?なんでこんなにこのモフモフは鳴くの?」

「‥‥あ、もしかしてルース君の事を親だと認識したのかしら?」

「餌の要求か、もしくはあの拘束の解放を願っているのでは?…‥‥良いなぁ、あのモフモフ」

――――――アソコマデギュット抱キシメラレルノハウラヤマシイ。



 ルースの素朴な疑問の声にエルゼは答えつつ、レリアはモフ好きでもあるのでうらやましがり、バトは雛の立ち位置にちょっと嫉妬する。


 少々カオスなことになったが、とりあえずコカトリスの雛を地上へ下ろすと、すりすりとすり寄って来たので、料理にするのは断念された。


 そして、そのモフモコ具合からルースは飼うことを決め、バルション学園長に許可をもらいに向かうのであった。



……もちろん、将来育って害をなすような事がないように育て上げるつもりである。


 とりあえずは、今晩の枕にとルースは考えるのであった‥‥‥‥。

コカトリスの雛がペットとして加わった。

モフモフモコモコ、人をダメにするクッションのような感触の羽毛を持ち、愛くるしい容姿を持つ。

これぞ、まさに至福の塊とでも言うのだろうか‥‥‥

次回に続く!!


……なお、名前は決定済みで次回公開予定。にしても、書いて思ったが…‥‥羨ましい。

こんなモフモフ饅頭のようでかつ、愛くるしい容姿の鳥を飼うなんて、羨ましすぎる。

この幸せの反動を思いっきり書いてやりたくなったけれども、作者が主人公を嫉妬でひどい目に遭わせるのはアウトなのだろうか?

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