186話
ネタ探している時に、うっかりネタを書いていたメモを消去してしまう。
…‥‥バックアップ取っていてよかったけれども、保存も何もしていなかったらショックがでかい。
ただね、古いネタも取っていたけれども、なんか意味不明な事が書いてあった‥‥‥何を思って保存したんだろうか。短編でもやるつもりだったのか?
「ここか、王女様達がいるのは」
「へいぃ!間違いなくそうでやんす!」
…‥‥路地裏へ続く道の途中で、その人物は雇っていた者に質問し、確認していた。
「その依頼された姿絵とそっくりなお嬢さまたちであれば、この路地裏に出没しているはずでやんすよ!」
「なるほどな…‥‥ご苦労、報酬はこれだ」
確認を終え、満足しながらその人物は金が詰まった袋を手渡す。
「まいどありでやんす~」
金を受け取った者はお礼を言いながら、その場を去った。
「さてと‥‥‥ここからは自力でやらねばならないか‥‥お前たち、王女様たちを見つけてもすぐに手をかけるな」
「「「へいっ!」」」
護衛の男たちに注意し、びしっと身だしなみを整えるその人物……彼はある目的のためにここへ訪れていた。
彼の名はコザリート=バルモ=ダルマ。ダルマ公爵家の長男であり、つい数か月前までは将来当主となり得た男であった。
だがしかし、今は次期当主となれる立場にあらず、勘当の危機にさらされていたのである。
……その理由は、彼の愚行にあった。
コザリートは一応、つい数か月前まではきちんとした婚約者もおり、将来当主となって、順風満帆な道を歩むはずだった。
ところが、怠慢ゆえに彼は道を踏み外してしまい、同年代の同じ貴族の者たちも誘って夜ごとに遊びに向かい、娼館に入り浸ったり、勉学で最底辺をさまよい続けた結果…‥‥次期当主にはふさわしくないと、彼の一族全員に告げられ、次期当主になれるはずだったその座を次男と三男で争わせることにして、コザリートはまだ貴族家にとどまることはできたが、次はない状態になってしまったのだ。
ここでまだ、まともに勉学に励んだり、もしくは真面目に他の道に進むという選択肢を選んでいれば、良かったに違いない。
慢心して自ら愚行に進んでしまったとはいえ、それなりに容姿も優れ、真面目に勉強すれば中の上まで行けたかもしれない頭もあり、剣術などもそこそこできていたので騎士になるなどできたであろう。
……だがしかし、悲しい事に彼はその選択を選ばなかった。
一度甘い汁を吸って、その味を知ってしまえば、脱却するのは難しい。
ゆえに、真面目に行動を起こす選択肢を放棄して、彼は一攫千金、千載一遇のようなチャンスを待つことにしてしまったのだ。
どこかで自分は貴族であり、偉いのだから何もしなくともどうにかなるだろうという、謎な思考を持って居たのが原因でもあった…‥‥。
現実は厳しく、そう都合いい機会が訪れることもなく、もう間もなく勘当されるかもしれない、貴族籍を抜かれて平民に訪れるかもしれないという危機感が訪れてきた……その時であった。
その日は朝からなんとなく思い、コザリートと同じように将来平民落ちする危機感を持つ堕落した者たちが適当に集まっていた。
そんな中で、ある情報が彼らの中に入り込んできたのである。
「大変だぁぁぁぁ!!これこそ千載一遇の素晴らしい機会がきたぞぉぉぉぉぉ!!」
適当に集まっていた中、遅れてきたやつがそう叫びながら彼らに告げた。
いわく、この国の王女2名が家出しており、現在行方不明中であるというのだ。
その話しを聞き、コザリート含む他の者たちは思った。
これこそが、神が与えてくれたような素晴らしく都合のいい機会なのでは‥‥‥と。
先を越されてなる物かと皆は動き出し、コザリートも抜け駆けされないように素早く動き出す。
もし、先に王女たちを見つけ、連れ帰ることができれば褒美をもらえるかもしれない。
いや、もしかしたら王女に求婚できて、王家と縁をつなぎ、新たな爵位を授かって自立し、順風満帆な生活を送れるかもしれない。
その想いを抱きつつ、彼は現当主でもある父親のダルマ公爵にその話しをして、協力を仰いだ。
父親のダルマ公爵としても、堕落して働かない国潰しな息子と言えども、やはり我が子だから大切にしたくて、コザリートに協力をすることを決め、公爵家の権力を利用して動くことにしたのだ。
……まぁ、次期当主が現在次男と三男で争っている状況なので、彼らにも王女探しのチャンスを与えたかったが、彼らは興味がなくて自ら辞退した。
とにもかくにも、必死に情報網を駆使し、他家を友好関係にあるのならば協力を仰ぎ、敵対関係にあるならば脅し、そしてついに、この都市メルドランの路地裏にて、王女様達らしい目撃情報を得たのである。
善は急げということで、コザリートは父親に許可をもらい、自らこの都市まで馬車を飛ばし、路地裏に亜取りついたのだが‥‥‥ここまでくれば、得られるかもしれない素晴らしい時まであと少しである。
が、そううまいこと事が運ぶはずもなかった。
「「「「あ」」」」
そこでばったりと出くわしたのは、コザリートが日頃から仲良くしており、あの王女家出情報が入った場にもいた友人たちであった。
彼らは直感で悟った。
この場にいる者たち全員が、同じ目的…‥‥王女を連れ戻して褒美をもらうか、もしくは婚姻関係を得て爵位を得る目的を持っているのだと。
そして、彼らは素早く動き出す。
「「「「王女様は俺のものだあぁぁぁぁぁぁぁあ!!」」」」
先手必勝、芽は早いうちに摘むべし。
皆が殴り合いだし、今ここに、王女を求めての争いが始まったのであった…‥‥。
「‥‥‥なんか思った以上に阿呆な戦いが繰り広げられているな」
「今のうーちに、さっさと王女様達のもーとへ急ぎましょうね」
殴り合う混戦状態の中、その足元でルースたちはこっそりと通過していた。
普通に通過すれば巻き込まれる可能性があるのだが、今取っているのはかなりずるい方法であろう。
光と闇の複合魔法‥‥‥『シャドウダイブ・ライト』。
影の中に入り込んで移動しつつ、周囲を使用者にしか見えない明かりで照らし、潜入可能になる魔法である。
普通の闇魔法単体にも似たような魔法があるのだが、複合魔法のこれの場合は、闇夜でも使用者のみに見える適度な光のおかげで、どんなところでもはっきりと確認しながら進める利点があるのだ。
一見地味な潜入だが、この混戦した中を抜けるのには最適である。
上で争っている間に、影の中をルースたちは潜り込んで進むのであった。
……一方、ルースたちは気が付いていなかったが、壁伝いに水たまりがが進んでいた。
「水魔法『チャップポン』…‥‥なかなか便利ね。本当はルース君の観察に使おうとしていた魔法だったけれども……なかなか役に立つわ」
「今さらっと何か危ない発言が聞こえたようだが…‥‥うわぁ、見にくい争いが繰り広げられているな」
―――――何デ馬鹿ハ周囲ニ気ガツカナイノカナ?ドウデモイイケドネ。
欲望丸だしな男たちの争いを冷めた目で見つつ、エルゼ達はルースを追跡する。
怪しさ満点な水たまりの移動のはずなのに‥‥‥‥気が付かない争っている馬鹿たちは、どう考えても救いようがなさそうなのであった。
欲望に目がくらんだ者たちの争いを放置し、ルースたちは王女たちの元へたどり着く。
なんとか保護したいのだが‥‥うまいこといくのだろうか?
もうこの時点で、かなりやばい状況だと思えてきたが…‥‥
次回に続く!!
……コザリート以下数十名ほどの愉快な欲望丸出しの馬鹿たちの争い。せっかく作ったのだし、ここで使い切りにする予定はないかな。利用できるものは利用しまくろう。
なお、コザリートが「公爵家」と表示していますが、変更の予定あり。ちょっと怪しいというか、降格させるというか、何と言うか…‥‥決めたらズバッと変更します。




