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第10話 棋士は金と経験を稼ぐ



 対局が終わった次の日、圭は地下6階にいた。今回はトレント相手に金と経験を稼ぐ為に来ている。


(よし、ここで次の武器を買う為の資金を稼ぐか!)


 次の武器は7万円は掛かると聞いているので、その金額を目標にする。圭は他に職があるから絶対に必要ではないが、今はまだ武器を買った時の金額さえも稼げていない。手に入れているお金よりも出金が多いと赤字のままになるので、今日のように金を稼ぐ為に動く日も設けると決めている。


(トレントなら根を斬るだけなら武器の消耗は少なく、『香車の激進』の拳なら一撃で終わらせることが出来る)


 金だけではなく、倒し続ければ自分自身の身体能力も成長出来るからやらない理由はない。そうすれば、後が楽になるかもしれないし。




「『香車の激進』!」

「…………!?」


 核が割れる心地良い音が響くのと同時に煙になって消え去る。そこには必ず魔石が残る。


(これで18個目か。トレントは魔石しか落とさないから楽でいいな)


 トレントには外見から売れそうなのがなさそうだから、ドロップアイテムが魔石だけなのは探索者にとっては嬉しいことだ。


(さてと、次は…………む!?)


 次のトレントを探そうとしたら、強い気配を感じた。さっきまで無かった強い気配が突然に生まれたのだ。


「なんだ? トレントじゃないよな?」


 気配を感じた場所へ向かうと…………






「人型のトレント?」





 そこにいたのは普通のトレントよりも人型に近いトレントだった。完全な人型じゃないが、二本の太い根が身体を支えており、顔みたいな模様がハッキリと見えるのだ。


(残りの魔物じゃない。確か、身体が土で出来たドロマンだった筈。人型だが、アレは木なんだよな……)


 つまり、あれは変異種のトレントである可能性が高い。


(短い期間で2体目の変異種かよ! 無理そうなら逃げてもいいけど…………)


 圭は試してみたいと思った。恐らく、ビッグボアよりも強い魔物なのは間違いない。


「悩むならやってから後悔すればいい! 『香車の激進』!!」


 まずは牽制として、斬撃を飛ばした。斬撃は大木の部分に当たったが、少しの傷が出来るだけで終わった。


「…………ゴガァァァ!!」

「喋れたのか。そして…………根っこか!」


 普通のトレントよりも数が増えているが、同じ攻撃だから剣とナイフで斬り伏せていく。

 根に囲まれないように無理矢理前へ行くことはせずに根を全て斬ってから前へ進む。


「…………ゴガッ!」

「む!?」


 今度は根ではなく、大木から枝を生やして鞭のように振るい始めた。


(速いし、読みにくい!?)


 根と違い、鞭のようにしなっているから軌道が読みにくい。


「魔力を使うが…………」


 無詠唱で連撃をし、大量の斬撃を飛ばした。鞭のような枝は運良く斬り飛ばすことが出来、懐へ入れた。


「効くかわからんが……喰らえ!」

「……ゴハッ!?」


 『香車の激進』を乗せた拳を大量の中心に当て、衝撃を響き渡せたが…………


「…………ゴガァァァ!!」

「何ぃ!?」


 核は壊れなかった。核があるのは感触からわかったが、核が固くて今の衝撃波では破壊出来なかった。圭は反撃を喰らい、鞭のような枝がまた生えて吹き飛ばされてしまう。


「ぐほぉ!?」


 腹に喰らって地面を転がるが、すぐ経って警戒していた。今度は新しく生やした根と鞭のような枝で攻めてきて、回避や根を斬り落とすことに集中していた。


(思ったより自分の身体は硬くなっているようだな。だが、連続で打たれたらキツイな)


 身体能力が上がっていた為、普通なら悶絶する痛みだったがすぐ起き上がれる程度に耐えれた。ヒリヒリとするが、圭はすぐに動き距離を取った。


(衝撃波で破壊出来ないなら、もっと威力が必要だな)


 その方法は既に考案し、試してある。


(その為にはまた懐へ入るしかない)


 邪魔をしてくる根と枝を片付ける必要がある。普通に剣やナイフで斬っていたら枝を捉えきれない。なら、やることは1つしかない。


「魔力を結構使うが…………またやるしかないか!!」


 枝を斬り落とした時と同じように連撃で斬撃を飛ばす。今回は根もあるから回数を増やす。


「うおおおおおぉぉぉぉぉ!!」

「ゴガァ! ゴガァァァ!?」


 連撃により、根と枝を斬り落とすことは出来た。疲れが一気に来た身体を動かし、核がある場所へ向かった。衝撃を広げだ時に場所を捉えていたから、正確の場所がわかる。


「衝撃を絞れば、破壊は出来るだろ!」


 さっきと違い、衝撃を広げることはせずに1点に向ける。更に脚、腰、腕へと回転を加えることで威力をあげる。


「貫けぇぇぇぇ!! 『香車の激進』!!」

「ゴァァァァァーーーー!?」


 1点へ集中された衝撃、更に回転を加えた拳をぶち込んだことで変異種のトレントは大木にドでかい穴が出来ていた。その穴部分にあった核は粉々になっている。


「ハァハァ、貫けたか…………魔力の使い過ぎだな」


 魔力の使い過ぎで肩で息をしていた。しかし、圭は2体目の変異種を倒したのだったーーーー







続きは明日の7時に投稿します!

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