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王道って何ですか?  作者: みるくコーヒー
第2章

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手紙

今日は、目覚めが凄く悪かった。


ディズに酷く怒られる夢を見た。


そしたら急にお腹にズシッときて、痛みが走ったので飛び起きると

お腹の上に小さな男の子がいた。


ぎょっとして目を見開くと、男の子が二パッと笑って私を見た。


そして、


「姉さん、おはよう。」


と、随分長い間聞いていない懐かしい声が聞こえた。

子供のような高く、女の子みたな可愛らしい声。


まさか、と思う。


寝ぼけているんだ、と何度も目を擦った。

しかし、男の子の姿は変わらない。


ちょっと待って、何で・・・


「ル、ルーザ・・・よね?」

「うん、そうだよ。」


私は若返ったルルーザを抱きかかえ

まだ気だるさのある身体をフルに稼動させ勢いよく自分の部屋から出る。


「どこに行くの?ご飯の時間だよ?」

「どうせ、あんたのことだから

 また研究に失敗して変な薬作って飲んだんでしょ!?

 変なモノは飲むなって言ってんでしょーがッ!」


ある時は動物になり、ある時は遠くに飛ばされて半月帰って来ず。

またある時は、死にかけた。


「むしろ、成功だと思うんだケドなぁー・・・?

 で、どこに行くの?」


はぁー、と私は大きくため息をつく。

反省の色が無い。


「研究室よ!解毒剤を作るの。」

「えー、苦いやつヤダー。」


私が鋭くにらむと、キュッと口を紡ぐ。

それから私はすぐに解毒剤を作って飲ませる。


なぜ、解毒剤を作れるかって?


何度もあったので、十数回目にルーザの作るモノには

私の作る解毒剤が大抵効くことがわかったのだ。


何度か例外はあったのだが。


元の姿に戻ったルーザは何事も無かったかのような顔をして


「あー、楽しかった!」


と言った。


私は流石にイラッとしたのでお腹に一発お見舞いしてやる。

うっと呻き腹を押さえるが右手の親指を立て


「美しい蹴りでした、グッチョブです・・・。」


と苦しげな表情で言う。


私はあんたを変態に育てた覚えはないよッ!!!


それから、ご飯を食べてもう一度寝ようと思ったところを

エルミナに引き止められ一枚の手紙を渡される。


「レヴ国の姫から手紙が届いてますよ、姉様。

 急ぎの用か何かかしら?

 っていうか、姉様がレヴ国と関わったことなんてありましたっけ?」


いや、私が覚えている限りではレヴ国との親交など無い。


ましてや、その国の姫と関わるような会合など

どの書類にも無かったし・・・


「良くわからないケド、なんかありそうね。」


私は、そう呟いて手紙を見つめた。

そして、部屋を出る。


朝の目覚めの悪さの時点で、今日は凄く嫌な日になる気がした。


そんな予感がしたのだ。


ロジェが私の専属騎士になった日の、約2週間程前。

確か、レヴ国の姫がディズに会いに来ていたハズ・・・

まさか、ディズに関係が?


そうだとしたら、また面倒なことになるのは目に見えている。


この封を開けてしまえば、取り返しのつかないことになる、そんな気がした。


いっそのこと、手紙など渡っていないしそんなモノも見ていない。

手紙の存在自体知らなかった。


そういうことにして、焼いてしまおうか?


そこの暖炉にこの紙切れを入れてしまえば、それだけでー・・・


いや、そんなこと仮にも次期魔王である私のすべきことではない。

どんな内容でも、応えてみせるのが次期魔王の定め、か。


これもまた、ルーザのためだ。


意を決して、封を開ける。

読んでみて最悪だ、と思う。


その内容は、このようなものだった。




『アルフィニ・セルシュート様へ


 初めまして、アルフィニ様。

 (わたくし)は、レヴ国第二の姫のジーン・レヴ・シークウェイダーと申します。


 この度、手紙を書かせて頂いたは

 ディズ様についてのことでお話があるからです。


 実は私、ディズ様の正室候補でして・・・。

 先日、お城にお伺いしてお話をしましたら

 アルフィニ様が正室だとおっしゃっていまして。


 私は、幼少の頃よりディズ様をお慕いしております。


 それなのに、

 正室候補は候補なだけで選ぶことは無い

 と言われてしまうとこちらとしても立場が無いのです。


 しかも、アルフィニ様は候補に入っていないのだとか!?

 これはどういう訳か聞いたところ、昔から正室と決まっていた、と。


 私、どうしても納得いきませんの。

 直にあなたの口からお話をお聞きしたいですわ。


 天紅13日(今日)の正午、紅煉(くれん)の森の泉にてお待ちしております。


 あぁ、言っておきますけれど

 騎士をつけるのなら一人にして下さいね?

 こちらもそうします。


 うちの国は、魔族と関わることに関して厳しいですの。


 あなたと会っていたなんてことがバレては

 信用問題に成りかねませんわ。


 それでは、失礼しますわ。

 

 追伸:万が一来ないなんてことがありましたら

    ソレはソレでこちらにも考えがあります。

    よく考えますよう、お願い致しますわ。


 レヴ国第二の姫 ジーン・レヴ・シークウェイダーより』




喧嘩売ってんのか!?


いや、きっと売られているのだろう。

買うハズがない、こんな馬鹿なことがあるか。


しかし、行かない訳にはいかない。

ってか、天紅13日って今日ジャン!!!


凄くめんどくさい。

しかも、またディズのせいで。


しょうがない、ロジェを連れて行くしか道は無い、か。


私は重い腰を上げて部屋を出た。


やはり、今日が厄日であると知るのはもう少し後である。




今回は短めです。

そろそろ登場人物のページを更新しましょうかね?w


更新ペース、どんどん早めていきたいと思います。


最終章の後半あたりになったら

新しい小説投稿したいですねー(*´ェ`*)


5/31 気分転換に短編一本書いて投稿したら次話書きます。

毎回待たせてしまってごめんなさい(´・∀・`)

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