不良と告白(2)
ポカーンとびっくりして固まっている澪。
俺もまだ状況が飲み込めない。
俺は今さっき告白をしました。
ええ、『好き』言いましたよ。
それっていわゆる・・・失恋を自分からしたもんじゃないか!!
ええい!!
そのまま押し通せ!!
「庄吾、そんなに私心配させるようなことした?」
・・・あれ。なんか俺とは違う方向に行っていますが。
「ここ最近かまって無かったから心配になったの?
大丈夫、嫌いになって避けてたとかじゃないからね。
ちょっと忙しかったから。
これがひと段落したら要ちゃんたちといっしょにどっか行こうね」
「あ、ああ」
それって勘違いプラススルーパターンですか。
俺の告白は無効ですか?!
なぜか楽しそうに話す澪を見てがっくりする。
分かっていてもへこむぜ、これ。
ふすまに手をかけて何を思い出したのか、いや、澪の雰囲気からそうではないと語っている。
そして視線は俺の方に向けられた。
「それから、悠理にも指摘されたんだけれどね・・・・私は人を愛しているようで愛してないって。
私もそう思う。
私は人を平等に扱うことしか出来ない。
扱う方法しか知らないの。
ごめんね、私が人を愛せなくて」
笑って出て行った澪の残像が頭から離れない。
笑っていた。
笑っていたけれど・・・泣いていた。
泣いていたんだ。
いつもは泣かない澪が。
俺はその場から何かに取り付かれたんじゃないかというぐらいずっと固まっていた。
失恋したからとかではなく何かぽっかりと穴が開いたみたいで。




