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天才と不良(4)
バッタンっと扉が閉まった。
さて、あいつを帰らすか。
私の幸せを壊した恨み、味わってくれるや。
私は怒ると今までにないくらい笑顔になるらしい。
要ちゃんいわく『ブラックスマイル』
「帰ったか?」
結構あからさまなのか私が怒っていることに気が付いたらしい。いや気づかなかったら困るが。
「ええ、帰ったわ」
今からあなたも帰ってもらうけど。そう裏もこめて。
「さ、さって荷物でも」
「その必要ないわよ」
「は?」
「最初は要ちゃんと部屋変わってもらってもらおうかなっと思ったんだけどね。健二君も外部から転校してきたし。だけど、もういいよね?」
「え」
「出てってくれる?」
「ここ俺の部屋」
「私の部屋。お前に拒否権はない」
有無も言わせないという押しが効いたのか彼は無言で出て行った。
・・・・・・・・・・・・・・・意外にあっけなかったわね。
手でも出してくるのかと構えてたけど。
あ~あ、華音ちゃんなら楽しいのに。
本当に出て行くとは思っていなかった彼の姿を思いながら廊下を見ていた。




