天才と私 (4)
一気にシーンとなった部屋。彼女の爆弾発言だ。
それにしてもなんと言うか………………………天才だからなのかただ単に常識がないだけか。いや、後者だ、絶対。
なんなんだ、この子は。
「言いたいことは言ったので失礼します。
あと、ストーカーするのは構いませんが部活の邪魔はしないでください。もうすぐ昇格試験があるので」
本当に言うことは言って去って行った爆弾、いや台風少女。
こうして第一印象は別の意味で害のある天才と位置付けた。
あれから数日後、私はあまり関わろうとしなかった。
それは彼女の爆弾発言かはたまた自慢の愛想笑いが効かなかったのが怖いのか。
まぁ、どっちにしろ彼女が関わっていることは間違いない。
ついでにストーカー宣言した2人は制御役の要ちゃんも交えて騒いでいるらしい。
優希ちゃん曰わく、少しは世間話を出来るようになったらしい。
「澪先輩、お疲れ様でした」
「うん、お疲れ様」
弓道の自主練習。
昔は弓道は好きではなかった。この学校の仕組みでは能力により各スポーツに当てられる。
だけど私の家のように日本文化を重んじる家は大半が日本伝統のスポーツに当てられる。
能力ではなく“家”という理由。それだけで当てられた弓導という世界は私にとって苦痛だった。だが、期待を裏切るように体に馴染み実力となった。
心身共に弓導を否定しなくなったのは去年ぐらいから。
いつもの練習メニューをこなしたら帰るつもりだったが今日はなぜか足が向いてしまったのだ。
毎日夜遅くまで電気がついている体育館に。
ドン、ドン
ボールの弾む音。しかも連続的。ということはバスケ部の子か。
そういえば昇格試験あるとか言ってたよね。
もしかしてそれの練習かな。レギュラー倍率が一番高いのはバスケ部だし。
それにしても結構夜遅くまでやってるよね。
誰かチラッと見て帰ろうかな。
そう考え開いている扉から中をのぞいた。
「えっ」
その声に反応したのか中にいた人もこっちを向いた。
もう一話で天才と私編が終わります。




