服って何? 性教育?
(* ̄∇ ̄)ノ 領主館のお喋り会話回
ゼラ
「ンー、前からフシギだったけど、なんでみんな、そんなに隠そうとするのかな?」
カダール
「それは、恥ずかしい、という気持ちがあるのと、エッチなものを子供に見せないように、とか」
ゼラ
「ンー、でも、ムニャムニャしないと赤ちゃんはできないよね? だから、ムニャムニャは自然であたりまえのこと、なんじゃないの?」
ルブセィラ女史
「一理ありますね。隠すことで、余計にいやらしく卑猥に感じられるのかもしれません。隠さなくても、エロ系の罪悪が起こらなければ、隠す必要は無いのかもしれませんね」
カダール
「世の男どもの自制心が試されることになってしまうのか」
エクアド
「いや、エプロン蛇さんにゼラの下着姿と、この領主館の中では常に男は自制心を試され続けているのだが」
アシェ
「そんな気はありませんよ、という顔をしてそれでもチラチラ視線が行ってしまうなんて、可愛いものね」
フェディエア
「おおっぴらに見せるものでは無いものでしょうに」
カダール
「改めて考えると不思議なものでもあるのか。子を産み育てるのが自然ではあるが、その為の行いを誰にも見せない、見られたく無いと隠すというのは」
ゼラ
「ウン、なんだか、してはダメ、ということをしないと、赤ちゃんができない、っていうのは。ンー、まるで人って、赤ちゃんを作ることが隠すような悪いことみたいな?」
クチバ
「なかなか、斬新な思想のようですね」
ルミリア
「一方で、恥ずかしいから隠しているのに、異性を惹き付けるために、チラリチラリと見えそうで見えない、なんてのがお洒落になったりね」
ハラード
「ふむ、なるほど。ワシやカダールのように、見たいときは見たいと、触りたいときは触りたいと、素直に隠さず言うのが、男として正しいのかもしれんの」
クチバ
「それはそれで、違う面から危険なのでは」
ルブセィラ女史
「ですが、それを口に出さずにいつまでもねちっこい目で見てる人の方が、潜在的に危険人物では?」
カダール
「あぁ、それがイカンとわかっていても、つい目がいってしまうのが、男の悲しい性でもある」
アシェ
(その、オッパイ大好きパワーをさらけ出して、我等が母を引かせた男は、勇者カダールだけなのだけど)
ルブセィラ女史
「自然であるものを隠すことが人の常識、というのは改めて考えてみるとおもしろいですね」
ルミリア
「ここで隠すのが首から下、というのが人の意識なのでしょうね。首から上は隠そうとはせずに、見られるべきところとしてお化粧をしたり髭をそったり」
ルブセィラ女史
「人体の役割の違いですか。首から上は言葉を発したり、表情を表したりなどコミュニケーションとして人に見せる、聞かせると。首から下は行動や移動の運動的な役割となりますね」
ゼラ
「あとは食べものを食べたりとか?」
ルミリア
「口で食べ物を食べることを除けば、正体を隠す以外で顔は隠さないし、顔を見せることを恥ずかしいとは思わないわ」
医療メイド、アステ
「寝不足でクマができたりすると、お化粧で隠したりはしますけれど」
ルミリア
「ふうん? 裸であることが自然。それを人工物の衣服で隠す不自然が社会の常識。人は自然に手をくわえ自然に介入し不自然とすることで街や国を作ってきた」
赤髭
「うむ、姉上の言わんとするところ理解できた。自然とは雄大で美しく人は自然の産物を得て生きることができる。しかし、自然とは美しいだけでは無く、そこに恐ろしいもの不気味なもの、ときに人にとって脅威となるものがあって自然。故に人は自然に手をくわえて自分達が住みやすくとしてきた。いわば人の文明とは自然との戦いの産物でもある。自然という制御できぬものを排して人の都市は作られた。されど自然無くして人は生きられぬ。うむ、自然の造形を讃えつつそれを壊さぬように、より美しくと手を入れることが庭園の美となる。化粧もまたもとの顔をより美しく、しかし、やり過ぎて不自然となれば不気味となる。人の意識の感じる美しさ、されど人の意識から出た人工物のみでは自然の美しさは無い。意識が人工による不自然であり、無意識は人の手に依らぬ自然を求める。自然と不自然は人の意識と無意識とも関連し、片方だけのものはバランスを欠き不気味なものとなり」
ルミリア
「脱線してきたわよ。でもそうね。人は首から上が意識的、首から下が無意識的。故に首から下を隠そうとするのかもね」
ルブセィラ女史
「なるほど。頭と頭から発する言葉、言語と人の社会性のもととなる部位は隠さない。それにより形作られる社会性に問題を起こしそうな首から下を服で隠す。それが人の常識と」
ルミリア
「一方で自然を全て否定することは生物の否定にも繋がる。人が意識的なものを肥大させて不自然な人工物で自然を排していけばどうなるか」
ルブセィラ女史
「もしや、そこが古代魔術文明の滅日と関係があるのでは?」
ルミリア
「言葉と論理だけが人では無いのだけど。そちらに片寄ると怖いことになりそうね」
ハラード
「学者は頭が言葉を理解し思考するもの、と、まるで頭さえついていれば人というものがいたりするがの」
カダール
「その点、少しは剣術をやってみてはどうかと思うところだ」
ハラード
「戦いの最中で言葉で思考する余裕など無いからの」
ルミリア
「言語による思考は直線上のもので、身体動作は並列の同時動作ですものね」
拳骨メイド、サレン
「肉体言語は文章化できませんからね」
ゼラ
「ンー? なんだかムズカシイ?」
ルブセィラ女史
「人は自然の恵みを受けて生きるものでありながら、その自然から遠ざかることを文化的と讃えます。服というのもそんな人の在り方の現れのひとつかもしれませんね」
アシェ
「ほら、だから裸でいてもいいじゃない」
フェディエア
「それはダメ。受け入れられないわ」
ルブセィラ女史
「既に私たちは裸でうろつくことを恥ずかしいと感じる風潮の中にいますからね」
アシェ
「お洒落を楽しむくらいならいいけど、自ら不自由で無意味を課して、不便と無駄が当然という風潮を作って、そこから外れる者を嘲笑うのは滑稽な喜劇よね」
ララティ
「お、そこを風刺するのが道化の役目ぴょん。ちょっと恥ずかしいけれど」
アイジス
「脱ぐなララティ、ここで脱ぐんじゃない」
カッセル
「裸芸は男の芸人の最後の武器だが」
ユッキル
「女がやると引かれるからやめとけ」
カダール
「一応、領主館の中では寝室と風呂以外では、大事なところは隠してくれ」
ゼラ
「服ってムズカシイ?」
カダール
「文化面で突っ込むと意外と難しいものかもしれん。だけどゼラ、人前では隠すとこは隠すということで」
ゼラ
「ウン、それとね、もしも、カラァとジプソフィに、『赤ちゃんはどこから来るの?』って聞かれたら、どうしたらいいの? ごまかさずにちゃんと教えた方が、ゼラはいいと思うの」
フェディエア
「ぜ、ゼラ、あのね、それはカラァとジプソフィの年齢と知識に合わせてあげないといけないの」
ルブセィラ女史
「知識の探求者としては、コウノトリとかキャベツ畑とか、ごまかすよりは子供が泣いても真実を伝えるべきでは、と考えたりしますが」
エクアド
「しかし、フォーティスもまだそういう話は早いだろうから」
ルミリア
「だけど、性病みたいに感染する病気もあることを教えるには、ちゃんとしないといけないわね」
カダール
「ううむ、性教育とは難しい……」
エクアド
「いや、ウィラーイン家のようにこうして話し合える家庭は、なかなか無さそうなんだが」
クイン
「人の子育てってたいへんなんだなあ……」
アシェ
「フォーティスとは何歳まで一緒にお風呂に入ってもいいのかしら?」
設定考案
K John・Smith様
加瀬優妃様
ありがとうございます




