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耳かきが流行する?

(* ̄∇ ̄)ノ 領主館のとある日、カダール視点から、後半ハイアディ視点に。


 ゼラと一緒に寝るときは俺が仰向けに寝転び、ゼラは俺の胸か腹を枕にするようにうつ伏せに寝る。いつの間にかこうして一緒に寝るのが当たり前のようになった。


 ゼラの下半身は大きな黒蜘蛛。下半身の蜘蛛体が大きいので、ゼラの上半身と高さを合わせる為に、ゼラの専用寝台は二段になる。

 かつての倉庫暮らしでは布団を重ねて調整していたのだが、専用寝台ができてからは微調整する必要が無い。

 この段差を利用してゼラとムニャムニャするときの体位などもげふんげふん。


「どしたの? カダール?」


「いやその、なんでも無い。なんでも」


 気がつけば俺はゼラの敷布団のようになっているような。

 寝る前に絵本を読んでいたときは、ゼラが俺の太ももを枕にしていたりなど。敷布団だけでは無く、クッションでもあるだろうか。


 今ではカラァとジプソフィが産まれ、今のゼラの寝室は子育て部屋のようになっている。ベビーベッドにカラァとジプソフィとフォーティスが。ゼラの寝台にはゼラとフェディエアが。同じ部屋にクインとアシェもいる。

 俺はゼラと離れて別の部屋で寝ることになり、いつもの重みが無くなったことで落ち着かない。


「ンう、カダール、くすぐったい」


 ゼラの耳は、ちょっとだけ先が尖っていて敏感だ。

 子供たちは昼寝中。愛らしい寝顔を見せている。夜泣きで起こされたというフェディエアがうとうとし、エクアドが休ませてくるとフェディエアを抱き上げて行った。

 クインとアシェは飽きずに子供たちの寝顔を見ている。


「こっちは任せて、ゼラも黒蜘蛛の騎士に甘えてきたらどう?」


 と、アシェが言いベビーベッドの見えるソファに座る俺の膝に、ゼラが頭を乗せている。ふわ、とあくびをするゼラの黒髪を撫でる。

 ふむ。


「ゼラ、そのまま頭を動かさないでくれ」


「カダール、なにするの?」


「あまり必要無いのかもしれないが、耳かきなどしてみようか?」


「耳かき?」


「たまに耳垢をとったりするといいんだ」


 とは言ってもゼラに耳そうじは要らないのかもしれない。ゼラの綺麗にする魔法というのは謎が多い。

 耳かきを清潔な布で拭い、左手でゼラの黒髪の頭を抑え、右手の耳かきをそっと動かす。

 膝枕しているゼラの耳かきをする。なんだろう? これは、なんだかとても、夫婦という感じがする。


「ひゃうあはは!」


「っと、ゼラ、危ないから動かないで」


「ンー、だめ! くすぐったあい!」


 俺の膝を握り、プルプルと震えながら身悶えするゼラは、色っぽい、可愛い。黒い蜘蛛の脚がワキワキと奇妙なステップを踏んでいる。先の少し尖ったゼラの耳たぶを、ツツとなぞるとゼラが目を閉じてピクンとする。声を上げて身をよじるゼラ。うむ、いい。

 クインが俺をじろりと半目で見る。


「子供たちが起きちまうだろ。イチャつくなら別の部屋でやれ」


 怒られてしまったか。


◇◇◇◇◇


 ところ変わって、ローグシー街。守備隊副隊長レーンの家。



「違うんです、違うんですよハイアディ」


「レーン? 何が違うの?」


 なんだか、領主館で耳かきがブームになっているみたい。レーンから話を聞いて、それで私がレーンに耳かきをしてみたのだけど、レーンはなんだか不満そう。どうして?


「ちゃんときれいにできたと思うのだけど?」


「確かに耳かきは耳をきれいにするのも目的です。ハイアディにしてもらって、音が前よりハッキリ聞こえるような気もします。ですが、ハイアディ、耳かきとはそれだけが目的のものでは無いのです」


 レーンの言ってることが、よく分からない。耳の穴の中をきれいにする、ということだけど、それなら私は上手にできた、と思う。

 私の触手の細いのを先を鋭く伸ばして、立ったままのレーンに動かないで、と言って。

 二本の触手です早く丁寧にレーンの耳垢を除去。その後、皮膚を守る保湿効果のある粘液を薄くレーンの耳穴に塗布。

 いつつ数える間に終了、バッチリ。

 私が、終わったよ、と言うと何故か残念そうな顔になったレーン。どうして?


「私が耳かきとはどんなものか、ハイアディに教えましょう。さ、ハイアディここに」


「あ、はい?」


 ソファに座るレーンが、自分の膝をポンポンと叩く。


「横になってここに頭を置いて」


 膝枕? 言われるままにソファに横になって、レーンの膝に頭を乗せる。なんだか緊張する。レーンの、膝枕……


「ハイアディ、もっと楽にして」


「あ、あの、レーン。変なことしない?」


「私がハイアディに何か変なことをしたことがありますか?」


 う、うーん? なんて応えればいいんだろう。


 私が変なこと、と思ってもそれは人には当たり前のことだったりもするし。でも、レーンは私が恥ずかしがるとこ見て、ニマニマしたりもするし。

 あ、頬に触れるレーンの膝、あったかい。


「いいですかハイアディ。耳かき、とはこういうスキンシップも含むのです」


「そうなんだ……、はう」


「ほら、動かないで」


 レーンの手に持つ耳かきが、私の耳をこしょこしょって、あう、ふうん。

 耳かき、って耳の穴だけじゃないんだ。耳のひだの垢とかもきれいにするんだ。なるほど。


 あ、でも、やん、そんなとこ、ツツツって、はう。あ、や、耳の穴の入り口を、そんな、じわじわとねぶるように、やう、あ、入って、入ってくるう。わ、私の耳の穴の中に、レーンの耳かきが、あ、


「動くと危ないですよ、じっとして」


「だ、ダメ、こんなの、やう、は、あん」


 な、なんだか、すごい。これが、人の耳かき……

 レーンの膝を、きゅ、と握る。あ、ダメ、力を入れすぎたら、私の握力でレーンの膝が割れちゃうかも? が、ガマンしないと、でも、くすぐったい。触手の先がピクンってしちゃう。はうぅ。


「さ、次は反対側ですよ」


「はぁ、はぁ、あ、反対側?」


 レーンの手に促されるまま、ゴロンと転がる。今度は反対側の耳を天井側に向ける。


 私の顔がレーンの方に向く。え? わ、わたしの目の前にレーンの下腹部分が、ぱ、パンツとズボンに包まれているけれど、すぐ目の前にあるのはレーンの股間で、ひゃやわ、そ、そこに顔を押し付けるみたいにしてる私? え? どうしてこんなことに?


「ハイアディ、耳が真っ赤になってますよ? どうしました?」


 ど、どうした?って、こ、こんなの、だってあの、ひわわ、レーンの手が逃げようとする私の頭を手で抑えて、顔がさらに近づいちゃう。股間が、コカーン!


「ふふ、ハイアディ? 触手が赤くなってウネウネしてますよ? どうしました?」


 や、やあ、レーンのイジワルぅ。カッセルに聞いたけど、アイジスねえ様もお付きの少年執事に膝枕耳かきされてたって聞いたけど、アイジスねえ様も何をしてるの? あの別館で? アイジスねえ様のエッチ……


「そのまま、動かないで下さいね」


 あ、や、また入ってくるぅ、レーンのが、わ、私の耳の中にい、あ、ひゃうう。



d( ̄  ̄;K

★ 説明しよう! ハイアディさんには超ネバネバの特濃粘液生成能力と、先端が超極細化するスマート触腕がある。だから……


レーン家のメイド、フィスノ

「頼まれたその場で、ソファに行こうとしたレーンさまを止めて両耳掃除し尽くした(なるほど)。あとに保護ジェルをうすくまんべんなくつけて……五秒?」



(σ≧▽≦)σ 採用! それで行こう


ギャ――!! Σ( ̄Д ̄;ノ)ノ

ちょっと目を離した隙に何かとんでもないSSが湧いている!!


(; ̄▽ ̄)(K; ̄  ̄)

アレ? えっと……、


?耳かきSSの原因は、わ、わ、私か――!!

なんてこった!((;゜Д゜))



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[気になる点] ■ クインが俺をじろりと半目で見る。 「子供たちが起きちまうだろ。イチャつくなら別の部屋でやれ」 〉義兄のエクアド(愛妻を姫抱っこして退室済み)を見習えと。そーゆーコトですね(笑) …
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