ハイアディの地下湖 その3
(* ̄∇ ̄)ノ ハイアディの秘密の地下の湖訪問、その3。
ルブセィラ、ルミリア、レーンの順に私の寝床に連れていく。
「ほおう……」
「まあ……」
魔法の明かりで照らした鍾乳洞のような広い空間。足元は地底湖のようで、濡れないように人が立てるところは、地底湖の外周沿いにある。そこに立って周りをキョロキョロ見るルミリアとルブセィラが、感心するように声を出す。
ルミリアが地底湖を見て私に聞いてくる。
「こんな広い空間をハイアディ一人で掘ったの?」
「えっと、地下水のあるところまで掘ってたらこの空間に出たの。もともとここは広い空間だったの。そこを利用して改造して、こんな感じに」
私はここまでしがみついてきた石筍に手を当てる。
「この石筍はあの天井の穴までの登り降り用に作ったの。あとは、向こうの方で地下水が流れていたんだけど、ここで水を溜められるようにして、こっちは流れが緩やかになるようにしたの」
もとからあった地下空洞を利用して、あまり手をくわえないように。魔法の明かりで人の目にもよく見えるように明るくすると、表面が潤う鍾乳石が淡く照り返してくる。静かなところなんだけど、話をすると声がうわんうわんって響く。
「私は暗いところでも目が見えるんだけど、光苔を増やしてもう少し明るくするつもり」
魔法の明かりを移動させて、光苔の生えてるところをルミリアとルブセィラに見てもらう。これが増えたら魔法の明かりが無くても、人にはちょっと見えやすくなるかも。
でも、あんまり明るくして、ここでレーンにジロジロ見られるのも恥ずかしいから、明るくなりすぎないようにしないと。
ルブセィラが肩かけのバッグから小瓶を取り出して、地底湖の水を汲む。
「ふむ、透き通るような綺麗さですね。この水がローグシーの井戸に繋がっているのですか?」
「うん、だけどローグシーの街の井戸から見ると、こっちは下流になるよ。人の飲み水を汚さないように、私の使うここは流れの下の方に行くようにって、それで上から斜めに掘ってきたから」
「なるほど。ここはローグシー地下水脈の下流になるのですか。ハイアディはいろいろとローグシーの街のことを考えてくれているのですね」
うん、ウィラーイン領は深都の姉妹達が注目する、おっぱいいっぱい男の住むところだもの。壊さないようにしないと。
「ローグシーの井戸水は定期的に検査してますが、ここで水質調査するのもいいですね。雑菌や病原菌を早期に発見できれば、水を介して病が伝染するのを止められます」
「私、この水の中で寝てるから、水質がヘンになったらすぐに気がつくと思うの」
「ほう、つまり、ハイアディがここに住むだけで毎日水質検査をしているようなものになりますか? 思わぬ副次効果がありますね。ハイアディはこの地底湖の底で寝ているんですか?」
「ううん、私が寝てるのはそっちの通路の先。そこが私の寝室。狭いところの方が落ち着くから。そっちは地底湖と繋げるように掘りました」
周りをうっとりと見ているルミリアが私を見る。
「ローグシーの地下にこんな空間があるなんて、地下室の更に下、秘密の洞窟の奥、魔法の明かりに照らされる地底湖、ロマンチックね」
「そ、そう?」
「誰も来ない地下の秘密の洞窟で、恋人と二人きりに。ここなら誰の邪魔も入らず、声を上げても誰にも聞こえないわね」
そ、その言い方、や、やらしい……。
「でもここだけ生活感があるわね。この荷物入れとロープに干してある布と服は?」
ルミリアが閉じた扇子で指す先には、物干し用のロープが張ってある。干してある大きな布は、私が服としてつかってる布。足場があるそこにはレーンに貰った、ちっちゃいタンス。
レーンに貰ったワンピースは、ここで丁寧に洗濯してるの。今、着ている青のワンピースもレーンに買ってもらったもの。大きな布は身体に巻きつけて着るもの。ローグシーではあまり無いけれど、昔の南の国では一枚布を服のように着たりとかあって、それを真似してて。南の踊り娘みたいな格好は、レーンが素敵って、言ってくれるからレーンの家の中では一枚布を着てることが多いの。
「そっちの水槽が洗濯用で、荷物入れはレーンから貰った服と布が入ってます」
「こちら側は区切られているのは、用途別に水場を分けているのかしら?」
「うん、あっち側から水が流れてくるから、こっちで水浴びして、そこが洗濯用で、こっちが、その、トイレ」
「あら? じゃ、こちらにあるのは?」
「あ、そこはエビを養殖しようかと思って」
「エビの養殖?」
「うん、淡水のちっちゃいの」
ほんとは海の大きいエビとかカニとか、バリンボリンと食べたいんだけど。ローグシーに海産物は無いから。
他にもザリガニとか育てられないかなって試してる水槽もあるの。
「地下の秘密の愛の巣、かと思えばエビの養殖、ね」
あ、愛の巣なんて、ルミリアは何を期待してたの?
設定考案
K John・Smith様
加瀬優妃様
m(_ _)m ありがとうございます。
(* ̄∇ ̄)ノ ハイアディ、青い髪、白い肌、黝い触手のスキュラです。下半身の触手は照れたり恥ずかしくなると赤くなります。うねうね。




