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ハイアディ、領主館へ行く

(* ̄∇ ̄)ノ ハイアディとレーン、領主館へとご挨拶に向かいます。


「ハイアディ、そんなに緊張することは無いですよ」

「う、うん」


 レーンと二人で、領主館に行くことになった。ウィラーイン領の領主、ハラード様に挨拶して、事情を説明することに。

 前々から行くとは言っていたけど、ズルズルと先のばしにして。

 でもフクロウのクチバという女に脅されたから、ちゃんとしないと。あの女、ちょっと怖い。もしかして、今も何処かで気配を消して監視してたりするのかしら? レーンの家、侵入者対策にちょっと改造しようかな?


 私が領主館に行かなくても、あのフクロウのクチバっていう女が調べてて、そしてレーンも私のことをハラード伯爵様に説明してるっていうから、別に私が行かなくてもいいんじゃないかな?

 そんなことを考えていたら、レーンが言う。


「ハイアディがこれからもローグシーの街にいたいなら、そのことをハラード様に話さないといけません」

「うん」

「この街の領主ハラード様は義の貴人と呼ばれる方、ちゃんと話をすればハイアディに悪いようにはしないでしょう」

「でも、私、人化の魔法の維持が苦手で」


 人に挨拶するには人に化けた方がいいよね。私、人化の魔法で見た目は人になれるけれど、驚いたり興奮したりすると人化の魔法が解けて、スキュラの正体が出てしまう。これでローグシーの街の中を抜けて領主館まで行くなんて。

 レーンの家に来るときは、レーンが持ってきた大きな壺に隠れて、レーンとその部下さんが荷車で運んでくれたからローグシーの街の中に入れたんだけど。


「また、巨大壺に隠れた方がいい?」

「伯爵家への御挨拶ですから、できれば人に化けて。馬車が迎えに来てくれることになってます」


 レーンが持ってきた包みを開く。


「なので女性の服をいくつか買ってきました。ハイアディがお店に行くのは難しいのでサイズを合わせたりはできませんが。目見当で買ってきたので、ちょっと大きめでブカブカですが」


 これまでレーンの家では、裸で過ごしてきた。というのも私の下半身の触手は粘液で覆われているので、服を着るとすぐにねとねとになっちゃう。

 でも裸のままレーンに、じっと見られるのも恥ずかしい。もじもじしちゃうので、レーンから布を一枚貰っている。大きな布を肩から巻きつけるようにして胸とか大事なとこを隠している。


「ただの布がまるで衣装のようですね」

「南方ジャスパルのね、昔の踊り子の衣装だって。随分と前に教えて貰ったの。本当は色んな動物の柄の入った布で巻くの」

「ハイアディは南の海の出身でしたね。さ、ハイアディ、その布を取って人に化けて下さい」

「う、うん……」


 裸になって人に化けて、レーンの前に立つ。うー、深都の姉妹達の中には服が嫌いで、いつも真っ裸の姉妹もいるけど、私はアイジスねえ様と同じで裸を見られるのは恥ずかしいのに。手で胸を隠して、あ、レーンが私をじっと見てる。ひう。


「ハイアディは、綺麗ですね」

「や、やぁ、ジロジロ見ないでぇ」

「では、ハイアディ、足を上げて」

「え?」

「領主館に行くには、服を着ないと」

「う、うん。それはそうだけど」

「パンツを穿かせるので、足を上げて下さい」

「ふええ? じ、自分で着れますう」

「本当に? ハイアディはこれまでパンツを穿いたことは?」

「……な、無いです」


 だって下半身スキュラだもん。深都では大事なとこが見えないように、布を巻いたりとか、ワンピースとか、腰巻きスカートとか。深都の住人は皆、下半身の形は様々で、下半身は服で隠しても下着なんて穿かない。スキュラ用のぱんつなんて無いし。

 レーンは頷いてる。それは何の納得?


「でしょうね。私もパンツを穿いたスキュラの話は、聞いたことが無いです。だからハイアディの着替えは私が手伝います」

「どうしても、履かないと、ダメ?」

「人に化けて、人の振りをするには、覚えた方がいいことですね。さ、足を上げて」

「う、うん……」


 レーンがキリッとした顔で人のことを説明してくれる。そうよね、人のふりをするなら、人の風習を真似ないとダメよね。

 レーンが床に膝まずいて白い布、ぱんつを手にして見上げている。私が右足を上げると、そっとぱんつを足首に通す。


「はい、もう片足も」

「う、うん……」


 両手で胸を隠したまま、レーンにぱんつを履かせて貰う。はう、レーンの視線が私の足を、腰を、じっくりと見るのが恥ずかしい。ぱんつを履かされるとき、ぱんつを持ったままのレーンの指が、つつうって足を下から上に、まるで舐めるように。


「あう、レーンの手が、やらしい……」

「やらしくないですよ、まったく」


 あ、レーンの顔が、にやあって、また、いじめっこみたいな顔に?


「それとも、ハイアディはやらしくされたいんですか?」

「や、」


 レーンの手が、膝の裏からふとももの裏を、ツツツって、あう、膝をついたままのレーンの顔が近づいて、前からふとももにチュッって音を立ててキスをして、ふあ、レーンの手が、お、お尻にい、


「ひゃああああ!」

「おわあっ!?」


 人化の魔法が解けて、私の足が触手に戻る。下半身がもとのスキュラ体に。勢い良く出てきた触手に弾かれたレーンが飛んで壁にぶつかって、


「きゃあ! レーン!? レーン!!」

「いっ、たたた……」


 バーンって大きな音がした。やっちゃった。壁に背中からぶつかったレーンが後頭部を押さえて床に転がる。慌ててレーンに近づいて。


「だ、大丈夫? レーン?」

「痛いですよ、ハイアディ」

「ご、ごめんなさい、でも、レーンが、えっちいことするから……」

「それはハイアディが、してほしそうな顔で見るから」

「そんな顔してないもん」


 ぷいと目を逸らす。でも、ドキドキして、恥ずかしくて、ゾクッてなったから人化の魔法が解けちゃったから。あのまま続けられたら、私、どうなってたの? あ、まだ胸がドキドキしてる。


「パンツが破れてしまいましたね」

「あ……」


 レーンに履かせて貰ったぱんつは、びりびりに破れて白い布の破片になってしまっている。下半身がスキュラに戻ったときに、弾けて破れてしまった。

 こんなんで私、領主館に行けるのかしら?




設定考案


K John・Smith様

加瀬優妃様


m(_ _)m ありがとうございます


( ̄▽ ̄;) 領主館まで、距離は近いんだけど、遠いぞー。



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