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総長戦記 0045話 番外の部隊

【筆者からの一言】


現在、内戦状態の南スーダンにおける各武装勢力には約1万6000人の少年兵がいるそうです。

なお南スーダンの人口は約1200万人。


1940年当時の中華民国の人口は約4億5千万人。今回の歴史ではただ今内戦中。


少年兵は年齢が若ければ若いほど洗脳で組織への依存度を高め言い成りにさせやすいそうです。


つまり今回はそういうお話です。


1941年 『朝鮮 朝鮮軍 朝鮮軍司令官室』


 コツコツと机を指で叩きながら朝鮮軍司令官の中村孝太郎大将は顔を顰めていた。

 机の上には一枚の書類がある。

 ある部隊についての書類だ。


 その部隊の存在が中村孝太郎大将を不機嫌にさせる。

 朝鮮にありながら朝鮮軍の指揮下には無い部隊。

 いや、帝国陸軍の正規部隊ですらなく、軍属の集まりでもない部隊。


 正式には帝国陸軍に存在していない部隊。

 まさに幽霊のような存在だ。

 しかし、朝鮮軍司令官には、その部隊に対し配慮する事が求められている。

 命令とはいえ、それが不満だ。


 一応、表向きは朝鮮軍麾下の「第999部隊」とはなっているが、それは看板だけであり、正式にはそんな部隊は存在しない。


 この部隊の存在を知るのは限られた人間だけだ。


 創設したのは閑院宮総長であり一応、政府の了承は得ている。

 2年前に創設され年々部隊の規模は膨らんでいる。

 既にその人数は2万人を超えた。

 まだまだ増える予定だという。


 その部隊の教育は退役軍人が行い、部隊の維持にかかる費用は全て閑見商会が負担している。

 日本にとって、まさに影の軍隊、第二の軍隊と言ってもいい。 


 どうにも納得がいかない。

 何故、そんな部隊を創設した。


 しかも、この部隊に送り込まれ兵士に仕立て上げられているのは、何と中国人孤児と朝鮮人孤児だ。

 それも10歳から13歳くらいの少年達だ。

 中国は内戦が酷く戦災孤児がたくさんいるらしいが、その子供達を連れて来て兵士に仕立て上げている。


 日本の国籍も軍籍も与えてはいないらしい。

 朝鮮の孤児は一旦、死亡扱いにしてこの部隊に配属しているようだ。


 こんな小さな子供を連れて来て訓練をさせたからと言って役に立つのか?

 長年訓練すれば役立つとでも考えているのか?

 中国の軍隊は惰弱で弱兵ばかりではないか。そんな血筋の子供達を集めて訓練をしても精兵に育つとは思えん。


 一体全体何だって閑院宮総長はこんな部隊を極秘に編成しているんだ。

 朝鮮軍は配慮ばかりさせられて負担が増える一方だ。


 本当に役に立つのだろうな?

 とても儂にはそう思えん。

 閑院宮総長も何をお考えなのか……


 中村孝太郎大将の苛立ちは深まるばかりだった……


【to be continued】

【筆者からの一言】


基本的に国境線沿いに築かれた堅固な要塞陣地や強固に防御された拠点を攻略するのは相当な犠牲を覚悟しなくてはなりません。


迂回するとか包囲にとどめるというのは取り敢えず置いておいてのお話ですが。


当然の如く前もって事前準備砲撃や空爆でダメージを与えるわけですが、それでも最初に突撃する部隊というのは、それこそ死傷率が各段に高くなる事が予想されます。

まぁ史実でもそういう例は山ほどあるわけです。


そういう死傷率が高い事が予想される場面の戦闘において、訓練を積み重ねてきた日本軍兵士を何も真っ正直に投入して貴重な戦力を消耗させる事はない、と総長はお考えのようです。


それに総長は謀略での使い捨て任務に使える人間も欲しいと思っているようです。



総長「中国人同士の内戦で死ぬのも日本に利用され尽くして死ぬのも同じ『死』だ。どうせなら日本の役に立って死んでもらおう」



そういう事のようです。


麻薬と偽札で中国から富を吸い上げ、更に内戦状態にして疲弊させ、その上、子供達を攫って来て洗脳して少年兵に仕立てて日本軍の使い捨て部隊にする。

中国という存在を総長はとことん利用する腹のようです。クックックッ


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