表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/42

【24】 お茶会 ~3~

あまりに長すぎたので半分に分けましたけど、前回より長いです。

「レフィリア、やっと会えたわ!」



かなり化粧濃いけど、目鼻立ちのはっきりとした顔立ちの

女性が、ツカツカこっちへ歩いてきた。

社交界では、ああいうお化粧が流行っているのかしら。


レフィリア様を呼び捨てになさるなんて、ご友人…ご友人?

敷地内に入れたということは、ウィルソン様のご友人の妹君…は、

兄君とご一緒に来られるとお聞きしましたし…

ウィルソン様側の従姉妹様方…でしょうか?


「ずっと来るよう手紙を出したのに返事すら出さないなんてどういうこと!?」


「……………………。」


(…レフィリア様?)


「まぁ…見ない間にパッとしないツマラナイ顔になったコト。

レフィリア、貴族は華やかに着飾らなくてはいけないのよ?

それも義務なのよ。こんな地味で化粧っ気のない女ではイイ男は

振り向いてくれなくてよ?…ふっ」


なんか、ずいぶん侮辱する言葉の羅列です!見下して笑ってるし!

レフィリア様は、別に念入り化粧でなくても

お顔立ちがはっきりなさっているので、ナチュラルでも十分お美しいし

控えめな感じが、庇護欲をそそりますのよ!?


もぅっ、レフィリア様も叱って…レフィリア様?


ものすごく震えていらっしゃる。

ずっと、屋外にいらっしゃるから寒さではないはず。…怯え?

俯き加減で解らないけど、チラリと見える唇も口紅が引いてあるはずなのに

色が良くなくなって…ない!?

腕を軽くゆすってお声をかけても下から覗くと目を見開き一点を見つめたまま。


「レフィリア、なんとか言いなさいよっ!!」



「…ゃ、やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」



「レフィリア様!!」


「…やだ、何この子。気が触れてるんじゃないの?」



「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!いやっ、やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」



暴れるレフィリア様を、私とグリーズさんで止めようとしても

狂乱状態のレフィリア様は、何かを振り払おうと頭を手を腕を肩を

全身を振り乱し叫び続ける。レフィリア様!!


「レフィリア様!!」


「やぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


「レフィリア様ぁぁぁっ!!!」


「…ふ、ご……ぅぅ…っっっっっ~!!」


「レフィリア様!大丈夫ですっ、大丈夫ですから…ね…っ」


暴れるレフィリア様をなんとか抱きしめて

あの人が見えないよう私の肩に顔を押し付けて背中をさすりました。

最初は背中をかきむしり叩いていた手もおさまり、

絶叫しか出なかった口もすすり泣く声しか出なくなりました。


「なん…」


キッ!!と何かを言い始めたあの人を睨みます。

たぶん、この人だ。レフィリア様が部屋に篭る原因を作った人。

その一族の人かも知れないけど。



1分1秒でも、レフィリア様の傍にいさせちゃいけない!



「グリーズさん、走ってレフィリア様をお部屋にお送りして!」


「貴女、何勝手…」


「グリーズさんっ早くっっ!!」


また、この人が何か言い始めたのでグリーズさんにレフィリア様を押し付け

レフィリア様と、あの人の間で仁王立ちしました。

後ろでドタドタとパタパタが聞こえます。

目の前の人がそっちに向かおうとするので更に手を広げて阻止します。

レフィリア様を抱えたグリーズさんとサナさんが去ったみたいです。


あの人の後ろから執事のトールマンと補佐しているらしい若い男性と

衛兵…屋敷内を警護している男性達がドヤドヤ来ました。


「貴女、一体何様のつもりよ!!」


「私は、レフィリア様を御守りするものです!

貴女こそ、一体誰なんですか!!レフィリア様をあんなに怯えさせてっ!!」


「はぁ!?貴女何言ってるのよ、あの子頭おか…」


「レフィリア様は、貴女のせいであんな感じになったんです!!

その証拠に、貴女が来るまでは大変嬉しそうに微笑まれてたんです!

どう考えても、貴女が原因でしょうが!!すぐ出ていって!!」


「貴女、誰に向かって…私は、あの子の従姉なのよ!

貴族なのよ!使用人風情が、貴族様に歯向かっていいと思っているの!?」


「貴族だろうが、なんだろうが主を辛い目に遭わせるような人達に

敬意を表するような外道の心は持っておりませんわ!!」


「あな、たっ…!!」


「私は、レフィリア様を全身全霊を持って御守りすると決めたんです!!

もぅ、一度言います。どうぞ、お帰りくださいっ!!」


「卑しい女が、おどきっ!」



パァン…



乾いた音が、私の右頬に激痛が走ると同時に聞こえました。

トールマンたちがすぐに彼女を取り押さえます。でも、私は引かない!

10年も閉じこもるほど、お花がお好きなのに外に出ることの恐怖のほうが

勝ってしまう…そんな恐怖を植えつけてしまうほど怖い目に遭わせた


そんな人たちを、絶対に許せない!!


「…っ、お離しっ…無礼でしょ!!離しなさいよ!この女に…ヒッ!」


睨み続けた相手の顔が憤怒から驚愕に変わったので

視線だけそっちに移すと…とっ!?ウィルソン様!?

水曜はいつも遅い時間にお帰りになるのに(夜、馬車の音が聞こえるから)

今日は、お早いです…じゃない。すごい怖いお顔で私にお顔を近づけてます!

あ、あごさすられるとくすぐったいっ。…っ痛。どこか傷になってる?


ウィルソン様は、私とあの人の間に立ちました。


背が高いから、そんな目の前に立たれると

ウィルソン様のお背中の生地しか見えません!…あぁ、いい匂いしますね。


じゃないから!!


なに緊迫した状況で、ご当主の匂いにうっとりしてるの!?

でもでも、全員無言で動く音も聞こえません。

おまけに、ご当主のお背中しか見えないから状況が分かりません。

なになに、どうなっているの?


「どういうことだ、トールマン。何故ブレリアがいる」


ご当主のそれはそれは低く冷たい声に背中越しの人たちが震える感じがしました


「あの、わたくし…」


「お前に発言を許可していない。トールマン」


「は。ブレリア嬢の馬車が到着しお嬢様への面会を求められましたが

お断り申し上げました。しかし、なかなか引いて下さらないので説得して

おりました。その間に、どうやら反対側からブレリア嬢が出られたようで

制止間に合わず、ブレリア嬢を止めることは出来ませんでした。

申し訳ございませんでした」


「不法侵入に、レフィリアへの脅迫、客人への傷害か。

見下げ果てた女だな、相変らず」


「!!(わたくし)は!」


「発言を許可した覚えはない。

ブレリア、お前とその一族の傍若無人の言動の数々に

私も、もう“レフィリアの親族”として扱わないことにした。

そろそろ通知が届くと思うが、今後一切当家からの出資はなしとし

レフィリアとお前達の関係もないこととする」


「!?…伯爵様!!」


「事業を立て直すだけの出資をしたにもかかわらず、

さらに出資を要求し、レフィリアを使い社交界に深く入り込もうとした。

使用人や取引先にもお前達が有利になるよう様々なことを強要して

苦しめたりもしただろう。当家の名を使い脅迫まがいのことをしたという

話しも聞いている。当家にとっても迷惑千万だ。

よって、今後一切の交流及び交渉を拒否する」


「そ…んな……」


「加えて、ココット嬢に対する傷害。これに対する相応の罰も受けてもらう」


「それは…その女が貴族の私に対して、」


「彼女も、貴族だが?

いや、成り上がりで爵位を得たお前達一族とは違い

古くからある正当な貴族だ。お前とは、格が違う

………ミルジスタ、ロドルグ、この女を連れて行け」


「はっ」

「は!」


「伯爵様!どうか、こ…ぁ…く…まぁぁ!!」


背中越しで良く分からなかったけど、何事か叫びながら連れて行かれた。

ウィルソン様が振り向かれた時には、あの人と衛兵はいなかった。


……終わっ…た……






………………の??



「はぁ……あ…ぷっ…」



一気に力が抜けて、地べたに座ろうとしたら

顔に衝撃を受けて状況を把握する前にウィルソン様の美麗なお顔を

至近距離で下から見上げて…いました?……いましたぁ!?




ウィルソン様に、“お姫様抱っこ”されました!!!

ブレリアの化粧の濃さは、解りやすくいうと“バブル絶頂期の化粧”

反対に、ココットとレフィリアは“ナチュラルメイク”です。

そして、そんなケバい化粧が社交界の流行なわけないです(笑)


成り上がり貴族なので、必死こいてますが

その手段を選ばない必死さが、貴族達に疎まれる原因だと気づきませんでした。

実際自殺に追い込まれるほど追い込んだとか拒んだ相手を社会的に抹殺するとか

妨害するとかは平気でやってましたね。あの男爵家。


そう言う手段で、レフィリアを追い込んだり

与えられたレフィリアの宝飾を半ば強引に奪っていったりもありました。

自分よりはるかに年上の親戚から身を護るには、部屋に篭るしかなかった。


ウィルソンなにしてたの!?

と思う方もいらっしゃるかもしれませんが彼も不器用なりに色々してきたわけで

その辺もいつかお話出来たらなぁ。してきた事とか妹をどう思ってるのかとか。



争いごとが苦手なのであまり白熱した物がかけてない気がします。

私のお気に入り小説のような胸熱の話しがかけたらなぁと思います

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ