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当然ですが『エイブス』は架空の国です。
「続きをよんでごらん」
「うむ」
『暴力団ホタテ組が拳銃密輸人を血眼になって探している』
暴力団……? これは今回の事件にどう関係が……続きを読もう。
『密輸人は宗教に目覚めたとされる。犯罪世界から足を洗いたがっていたようだ』
宗教に目覚めた密輸人か……罪の意識が生まれたのであろうか?
『その密輸人はエイブス人の『チャーリー』という男である』
密輸人もエイブス人? なにやらきな臭くなってきたな……
『補足……エイブス国は拳銃の製造と転売の盛んな国である』
「なに!? ニャームズ! これはもしかして……」
鈍い私でも感づいた。
「どうやら気づいたみたいだね。ニャトソン」
いつの間にかニャームズはタマネギパイプをくわえている……まったくこのオスは……
「つまりは工場で働いていたエイブス人は自作自演で拳銃の発見者になったわけだな? しかしなんでそんな事……」
私がそういうとニャームズはやれやれと首を振った。
「なんだニャトソン。そうじゃないよ。彼らは本当に善意の発見者だよ」
「……そうなのか?」
会心の推理だと思ったが違ったか……恥ずかしい。
顔からニャが出そうだ。
「じゃあなんだってんだ?」
「うん。ニャトソン。僕はあのニュースを見たときに違和感を感じたんだ。拳銃製造国のエイブス人が連続で拳銃を発見した……もちろん偶然という可能性もある……が、探偵を営む猫としては偶然で物事をくくるのは怠惰だろう。僕はアクションをおこした。そして占い師……。占いね! 僕は占いを信じない。いやぁ占いを信じたら探偵は猫マンマの食い上げだよ。占星術師をしながら探偵をする人間なんていないだろう?
ハハッ! そんな人間がいるならみてみたい。僕はきっとその人を好きになってしまうだろうね! 推理と占いを結びつけるとは! 話がそれたな。……でもこれでハッキリした。宗教に目覚めた拳銃密輸人。占い師。生活に苦しむエイブス人の青年……しかし自作自演? いいとこついてるぜニャトソン。君にしては珍しいじゃないか。今回のキーワードは『自作自演』だな。さてそろそろ二つの事件の解決に乗り出そうか? 彼の場合僕は彼を可愛く思っているから少し甘くなってしまったが、いい加減ケーブも限界だろうしね。僕は正義の味方ではない。実は自分勝手なネコイストなんだ。だからね。正義に目覚めたエイブス人の占い師が警察かヤクザに捕まるのは僕としては気分がよくない。だから僕の思う『少しだけいい道』に彼を導いてやるつもりさ。こいつでね」
ニャームズは手紙を取り出した。
久しぶりのニャームズの長演説……私は少し嬉しく思った。
……それはそうとして。
「『二つの事件』?『ケーブ』? 何を言っているんだ? それに占い師がなぜ警察とヤクザに……エイブス人?」
うーん……脳みそがねこんがらがりそうだ……
「わからないかなぁ? いいさ。さぁこの手紙を占い師さんに渡しにいこうぜ」
手紙を占い師に……?
もう考えるのはギブ・ニャップだ。
「さぁいこう。おしっこは済ませただろうね?」
「うん」
済ませた。
ニャームズはある探偵を好きなんですね




