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ニャーロック・ニャームズのニャー冒険。  作者: NWニャトソン
ルパンとニャームズの帰還。
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ルパンとニャームズの帰還。

君も知っての通り、僕はモリニャーティーの最初の実験台にされて不老となった。


だがね?


所詮はプロトタイプだったということか……何十年と経って体がいうことを利かなくなってきた。


死ぬことに恐怖はないが、悪の根源であるモリニャーティーを倒さぬ限りは死ねない。


そこで僕はダンに相談した。


彼は脳をチップ化することに成功していた。


……確率はかなり低かったがね。


僕の脳をチップにダウンロードし、新しい肉体に移動させる……一か八かの賭けだった。


どうせ死ぬかもしれないなら……と僕はもう一つ命懸けのギャンブルをすることにした。


《ニャーロック・ニャームズが死んだことにして、モリニャーティーをおびき寄せて倒す》


僕とモリニャーティーとのいたちごっこに終止符をうつギャンブルだ。


僕が死んだとなれば必ずモリニャーティー本猫が確認しにくるはず……。


二つのギャンブルは一部を除き大成功だった。


あのパーティーの日、僕の肉体は死んだ……が、ダンが僕の脳データの入ったチップを新しいニャーロック・ニャームズの肉体に移した。


不老は飽きたからね。


ちゃんと年衰える肉体にしたさ。


移植は成功……だが予期せぬ副作用がでた。


記憶を失ってしまったのだ。


目覚めた僕は錯乱状態で大暴れし、ダンの研究所から逃げ出し、変装で姿形を変えながらさ迷い歩いた……錯乱が落ち着いたころ、僕はタマになっていた。


記憶は戻ってはいなかったが、とりあえずタマとして生きることにした。


後は君もご存じの通りさ。


帰巣本能かね?


僕は鰹が丘にたどり着き、君のいるあの別荘のベルを鳴らした。



……



「タマとして生きていく内に少しずつ僕は僕を取り戻していった……いつ記憶が戻ったかは君の想像にお任せしよう。記憶が戻った僕はダンと連絡を取り、今日モリニャーティーがここに現れることを知った……さて、質問はあるかな?」


「……」


私は濡れタオルを狭い額に乗せてネコろびながらニャームズの話を聞いた。


「どうして私にそんな大事なことを黙っていた? 水くさいじゃあないか」


「君のことは友達としては信頼しているが君の演技力は全く信用できなかったものでね」


「……」


ニャーの音もでない。


確かにニャームズが完全に死んだとモリニャーティーに思わせるには誰にも言わない方がよかったかもしれないな。


モリニャーティーはニャームズのライバル。


少しでも怪しいところがあったら近づいてこなかっただろう。


「ふん……君に振り回されるのはもうゴメンだ。絶交させてもらう」


「おいおい。君から友達になろうと言ったのにかい?」


「バカを言うな……そうか……」


言ったなぁ。


友達になりませんかと。


「……あれはタマに言ったのだ」


「僕がタマだ」


「……そうだった。ルパンがアブゥでタマがニャームズ……ややこしい……入れ替わってるぅーー! って感じだ」


まさに《君はタマ》。


映画にしたら前前全世界でヒットして実写化もされそうだ。


「古いニャームズは死んだ。モリニャーティーとの闘いも終わった。これからどう生きるか……僕は結構ワクワクしてるんだよ」


ニャームズはいつも座っていたお気に入りの椅子に座り、私が切らさずにいた玉ねぎシガーをくわえ、火をつけた。


悔しいがホッとする。


もう二度と見れないと思った懐かしい光景だ。


「こうなるとアルコールが欲しくなるね。僕たちの新しい友情の始まりだ。熟成したワインも悪くないがたまには今年の新作のボジョレーの出来でも二匹で語り合おうぜ」



「……私が取ってこようニャームズ」


「頼むよニャトソン」



私は帰ってきた日常の喜びを噛み締めながらワインセラーに向かう階段をゆっくりゆっくり下りていった。






2017年復刻ニャーランド掲載。


《ルパンとニャームズの帰還》



完。






最終回っぽくね?

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