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ニャーロック・ニャームズのニャー冒険。  作者: NWニャトソン
ミケ墓村。
164/203

資料館

夜が更けて、私とニャームズは資料館にたどり着いた。


「見張りはいない……それはそうか。盗まれるような物でなしか」


幸いにも資料館には見張りはいなく、鍵も開いていた。

私とニャームズは入室してヘッドライトをつけた。

資料館のなかは埃っぽく、長い間誰も訪れていなかったことを伺えた。


「カメラ、ブザーのたぐいも無し……防犯する気はないようだ。さあ資料を捜すとしよう」


「……わかった。ん?何か聞こえないか?」


ツカカカーン……ツカカカーンと外から断続的に聞こえる不思議な音。

私はそれを不気味に思ったがニャームズは我関せずと捜査に夢中になっていた。

私だけ脅えるのも癪だ。

肉きゅうを動かして気を紛らわすとしよう。






「ニャトソン!アルバムがあったよ……ゴホッ!」


「うへー!」


ニャームズが埃だらけの机に埃だらけのアルバムを置いて開くもんだから私たちは思わず咳き込んだ。


「まったく……『昭和54年7月』……?」


なぜか白黒写真だった。


瓶底のようなグルグル模様のメガネをかけた猫に軍服を着た若い猫……二匹に挟まれたモジャモジャヘアーの猫……あっ!モジャモジャは!これはダスキンだ!ずいぶん若いが毛質と顔があまり変わっていない。


「思い出のアルバムって感じだねぇ……田子作はまだいないね」


「この中に田子作はいないのか?この辺の大きな猫なんか『田子作!』って感じだぞ?」


田子作……村猫32匹を殺した大きな猫……このアルバムのなかに彼の写真があるかと思うと少し寒気がした。


「田子作は昭和54年の7月にいるわけがないんだ。田子作が現れるのは8月でなくてはならない……クソッ!ページがくっついてるな!」



アルバムは手入れもされず放置されていたからか次のページがガビガビになって張り付き、めくれなくなっていた。


「無理に開いたら写真も破けるかもね……残念だ」


諦めて他の資料を捜すニャームズに私は質問した。


「なぜ君は田子作のことを知っている?それに7月には

いなくて8月にはいるとどうして言い切れる?」


「そうでないと説明がつかない!ほら!写真はついてないが……この資料には田子作に関する記述があるぞ!」


「……どれ」


ニャームズから受け取った資料を読んでみた。


『32匹の村猫を殺したあと田子作は全身に穴を開けられて死んだ。祟りだ』


たまたま山を下りて助かった猫の証言である。

村に帰る途中田子作の死骸を見つけ、急いで村に帰って村猫たちと現場に駆けつけると田子作の死骸はすでになく毛が数本遺っていたという。


……ホニャーだ。


どこまでもホニャーだ。


私が再び恐怖を感じているとニャームズはまた何かを見つけたようだ。

プラスチックケース……?中には……毛?


「これが噂の田子作の毛だとさ」


「ひぇっ!大丈夫か?近寄ったり触ったりしたら呪われるんじゃないか?」


「ふふーん?ほう?やはり……」


ニャームズは私の忠告など聴かず毛をルーペで観察していた。

しばらく見ると毛をケースに入れ、元あった場所に戻した。



「ニャトソン。とりあえずここにはもう用はない。外にでよう」


「うん」


その言葉を待っていた。






ツカカカーン……ツカカカーン……外にでるとまだあの不気味な音が聞こえる。


「ニャームズ。それで次はどうするんだ?」


「当然ポチ武者の墓を見学させてもらうさ」


「……」


……やっぱり。


これはなんとなく予想できた。


ニャームズはタマネギ・シガーに火をつけてうまそうにそれをスパスパ吸った。


「コイツを一本灰にしたらヘネコプターにもどり『おめかし』して墓へゆこう。ドレスコードはないだろうが着のみ着のままいける場所じゃない。ミケ姫様に失礼のないようにしないとね」





続く。






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