マイクロネコ
ニャの腕……猫の二の腕。夏が近づくとプルプルしだすのは人と同じ。
物語は『ネコネコアザラシ』の事件から一ヶ月後。
ナタリーとコッコが無事退院し、ニャンダイチがニャームズを追いかけフィンランドに旅立ってニャームズがそれに合わせて帰ってきたところから始まる(本当にひねくれた猫だ)
「あー。お父さま。あれはニャームズおじさんですなー」
散歩中、コッコは可愛らしい肉きゅうを公園のベンチに座り目を細める我が友に向けた。
しかしこの時、私は子供用の『ソリ』を引きずっていたのでそれどころではなかった。
コッコが町を歩けば猫や犬、さらに人間たちもがコッコにおもちゃや食べ物を与えてくるので私はいつもソリにそれらを乗せて引きずっていた。
おかげでニャの腕がパンパンだ。
仕方ない。
我が子は可愛すぎる病なのだ。
「ニャームズおじさんは何をしているのでしかー?」
コッコは走り出し、ニャームズの頭によじ登った。
コッコはニャームズに大分懐いている。
ニャームズは冷静にコッコを肉きゅうで持ち上げ隣に座らせこう言った。
「やあこんにちはコッコ君。人間観察だよ。これもニャー探偵の大事な仕事……もう好きにしたまえ」
何度下ろしてもコッコがニャームズに上りたがるので彼が折れた。
「ふう……ふう……やあニャームズ」
「疲れているなニャトソン? 休憩していきたまえ」
「……ああそうしよう。おいで」
ニャームズの隣に座り、コッコを抱っこして膝の上に乗せた。
「人間観察とはなんでしかー? ニャームズおじさんはなぜニャー探偵でしかー?」
コッコの矢継ぎ早の質問攻めにニャームズも少し困っていたが、それは私も気になっていた。
ニャームズはなぜ人間観察をするのだろう?
そして彼がニャー探偵になったいきさつ……これも気になる。
私は改めて彼に訊ねた。
「それは……ああ! 彼はよくないね!」
「ん?」
ニャームズの肉きゅうの指す先にはチェックのヨレヨレの服を来た青年がいた。
「よくないって?」
「この段階ではまだ言えないね。さてなんだっけ? ニャー探偵になった理由? それはもちろんモリニャーティーを捕まえる為だがもう一つ……マイクロネコの影響だね」
「マイクロネコ?」
「そうさ。僕には一生勝てないと思う奴が三匹いる。『ニャンダイチニャースケ』『コッコ』そして最後の一匹が『マイクロネコ・ニャームズ』さ。彼の影響が大きいね」
「『マイクロネコ・ニャームズ』? もしかして君の兄弟かなにか?」
「おや? 君に話してなかったか? 僕の腹違いの兄さ」
「初耳だよ。君に兄弟がいたとはなぁ!」
「そうか……いい機会だな。彼についてちょっと話すか……」
ニャームズは語り出した。
彼の兄『マイクロネコ・ニャームズ』について……




