AIと同じ設定で書いてみました③
《つぎはこちら》
あぁ、嫌なものを見てしまった。
カーサスの視線の先には、女たちの井戸端会議があった。
しかも、あの井戸端は、悪意に満ちている。
ここは、屋敷内だぞ。しかも、政略結婚のために押し付けられた姫君、ルシア・ダランベール・イルナ・エルバーグリークがいるだろう部屋の前。
アレキサンドル王の茶番のひとつ。
そう思えば、彼女も被害者なのだろう。
そんな風に、カーサスも思ってはいる。
「何をしているんだ?」
「まぁ、旦那さま。それが、あの姫君に押し出されてしまいまして」
仰々しく頭を下げた侍女長と小間使い達は、まるで波が引くようにしてカーサスから下がっていく。ため息が出そうだった。
「何があった?」
聞かずとも予想は出来ていた。だから、それは侍女長に釘を刺すための言葉でもあった。
旦那さまに見合うようお綺麗にして差し上げましたのに。
旦那さまに失礼のないように、ここでの礼儀をお教えしましたのに。
少しは笑えば、可愛げも出てきましょうに。
そう、すべてが旦那さまのため……だ。
「よく分かった。だがエイカー婦人。彼女は王から賜った大切な人物だ。お前たちはその『ルシア・ダランベール・イルナ・エルバーグリーク』姫に仕えるためにここにある。貴女はそれを忘れて何事かと聞いている」
エイカーの顔が引きつる。
ルシアがアレキサンドル王の戯れの一つだと思い出したのだろう。
ルシア・ダランベール・イルナ・エルバーグリーク。
今や正式なアレキサンドル王の娘である。
しかし、彼女の過去の名はルシア・ファゾリナ・イルナ・セファゾドール――一年ほど前まで、敵国であった国の姫である。そして、ここエルバーグリークには、その争いの中、親族を殺されてセファゾドールを恨む者が多くいる。
しかし、その国、セファゾドールは今や存在しない。
新たな統治者が立ち、アレキサンドルの掌の上、踊らされているのだから。
扉を押し開くと、ルシアの狂乱の跡がカーサスの目に飛び込んできた。彼女の抑え込んでいた感情の堰が決壊し、ついに溢れて出てしまったのだろう。
エルバーグリーク王家より身につけてきた真珠のネックレスは引き千切ったのだろう。繊細な銀製ティアラは床に叩きつけられたのか、折れている。
振り返った扉の傷は、エルバーグリークの象徴でもあるエメラルドの石が付けたものかもしれない。
彼女の耳にあった大振りの緑の石のイヤリングが、扉近くで壊れて飛び散っていた。
カーサスはその緑の石を拾い上げ、視線を部屋の奥――ベッドの上へと向ける。しかし、部屋の惨状とに反して、部屋の中は静かだった。
眠っているのだ。彼女は大きなベッドに寄り掛かるようにして、腕を枕に眠っていた。その寝息は安らかだ。
カーサスは、そんな彼女の隣に腰を掛け、その顔に掛かる黒髪を払ってやった。
涙で頬を濡らしたままの彼女は、まだまだ幼い面持ちの少女にしか見えない。
そんな彼女のドレスは乱れていた。まるではぎ取ろうとしたかのような、そんな赤い筋が胸のあたりに幾筋も引かれている。
ひとりで脱げず、どうにもできなかったのかもしれない。
花嫁衣装は、背中の組紐がきつく縛られていることが多いと聞く。
エイカー婦人にこの紐は緩めるように言付けておこう。
そう思い、彼女に掛布団をかけようとしたとき、掛布団を握りしめていた彼女の指がカーサスの指を握りしめた。
「兄さま……いかないで……」
寝言だった。
眠った彼女の指を解くことは、とても簡単だった。
今年十六になったばかりだという。
彼女は幼い。
この戦争で騎士であった兄を失っているカーサスにとって、それだけが救いだった。
…………
どちらがAIなのか、分かりますか?
普段私の文章を読んでくださっている方は、なんとなくわかるような気もします。
で、答えはというと、最初に書いていたように、私が『後出し』の方です。
こちらが、私。
後出しと言っても、書き上げていたからこそこんな実験できるんですけどね~。
今回はPCアプリについている方の素のコパイロットさんにお付き合いいただきました。
この遊びの最終確認が、けっこう怖かったんですよ。「引っ張られることがあると仰っていましたが、本当に書いても大丈夫でしょうか」との確認。
文章引っ張られることがあるので、もしよく似た文章を書かれてしまっていたら、……という不安はありました。
でも、気になることは確かめなくちゃならない精神で、並べて公開するくらいの覚悟があるから!と書いてもらいました。
約束通り、公開しました。
もう少し文章を磨くかと思いますが、コパイロットさんの文に寄ることはないかなぁと思っています。でも、違いが出たのが面白く、楽しかったです。
では、みなさま、今回もお付き合いありがとうございました。




