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初めてのレベルアップ体験


 【♪♪、♪~♪♪、♪♪、♪♪♪♪~♪】


 何? この音色……

 ラーメン屋の屋台が来たのか? 

 ……ラーメン屋の屋台の音色と言うのは、冗談です。

 そんな食欲をそそる音色ではないよね……この音色。

 でも、ここは異世界だよな。

 強いて言えば、ファンファーレの様な音色? 


 【♪~♪♪~♪♪♪】


 その直後に、神楽舞の様な笛と鈴の音色が……はて? 



「スノー、今ラッパの様な音色聞こえなった?」

「いえ、何も聞こえませんでした。うにゃん」

「変ね? 私には聞こえたのだけど……」



 突如、眼前に文字が畳み掛けるように浮かび上がる。



 【管理者システム】

 【魂が新たに進化しました】

 【おめでとうございます】

 【管理者LV1にレベルアップ致しました】

 【第三級下位管理者に正式承認されました】

 【第三級下位管理者権限取得により能力の一部が解放されました】

 【異世界隠しスキル限界突破LV1の封印が解除されました】

 【加護を得ます】

 【下位管理者案件解決おめでとうございます】

 【初回案件解決特典としてボーナスが追加されます】

 【限界突破スキルによりボーナス加算が限界突破しました】

 【下位管理者ボーナス加算を最大取得……進化を受諾】

 【限界突破スキルにより中位管理者案件解決に進化しました】

 【中位管理者案件解決及びボーナス最大取得により下位管理者レベルが最大化されます】


 【♪♪、♪~♪♪、♪♪、♪♪♪♪~♪】


 【管理者システム】

 【おめでとうございます】

 【管理者LV2にレベルアップ致しました】

 【第二級下位管理者になりました】

 【第二級下位管理者権限取得により能力の一部が解放されました】


 【♪♪、♪~♪♪、♪♪、♪♪♪♪~♪】


 【管理者システム】

 【おめでとうございます】

 【管理者LV3にレベルアップ致しました】

 【第一級下位管理者になりました】

 【第一級下位管理者権限取得により能力の一部が解放されました】



「ひゃー、ふにゅ」



 俺は思わず叫びそうになり、自身の手で口を塞いだ。

 なに? なんなん? ――一気に管理者LVが、三つも上がった? 

 これは――嫌な予感しか、しない! 

 女の勘? ――そこ! 突っ込まない。まあ、正確に言えば魂は違うけれどね……


 これ、もしかして変なフラグ? 

 いや、レベルアップに変なフラグいらんし……

 スノーに相談しないと、ヤバイ気がする。

 スノー以外には、聞こえない様に『小声』で――驚きのあまり、素っ頓狂な声音で似非外国人風にスノーに確かめる。



『ふにぇ……ねえ、スノー? チョット、イイデスカー?』

『うにゃん?』

『私、一気に管理者LVが三つも上がって、正式に第一級下位管理者になっちゃったのだけど――これって、大丈夫なの?』

「【【【うにゃにゃにゃにゃ! うにゃん!】】】」



 スノーが大声で驚愕し、また、その驚愕の仕方も非常に可愛かった。



『ちょ、ちょっとスノー。声大きいばい!』



 急にスノーが大声を出すものだから、妖精狼(フェアリーウルフ)達と妖精達が一斉に何事かと驚き辺りを警戒してこちらを振り向いた。



「い、今の、スノーの吃逆だから……御免ね、皆何でもないから安心してね……」



 俺は咄嗟に、スノーのフォローに入ったが――本当に、こんな言葉で信用されるのか? 

 と、思うくらい――自然に皆、負傷者の救護に再び戻った。

 マジか……だが、ふー、やれやれだぜ。

 スノーの驚愕に、先ほどまでの悲惨な恐怖を追体験したのではと妖精狼(フェアリーウルフ)達や妖精達の様子を窺い辺りを見回すと、そこにあった筈の幼狼の亡骸がいつの間にか消失していた。


 しかし、激戦が終結した妖精狼(フェアリーウルフ)達と妖精達は、安堵を持ち、負傷者達に寄り添い、誰も気づいていない。

 アイビーとシルクも、必死に仲間達を回復していたので二人も気づいていない。

 亡骸の消失やスノーの驚愕は気になるが……



「ねえスノー。今の驚きは気になるばってん。今はそげん事言いよー場合では、無かとぉ。モフモフ達の、モフモフ達の怪我が、ちかっぱ気になるけん。後で、話すばい!」

「うにゃん」



 俺は管理者LVの件や亡骸の消失よりも、モフモフ達の怪我の方が気になった。

 妖精達はさて置き、妖精狼(フェアリーウルフ)達の所に駆けつける。



「モフモフ達、大丈夫?」



 俺は妖精狼(フェアリーウルフ)達を見渡し、一番小さな赤ちゃん狼を優しく抱き上げ優しく撫でた。



「ワン、クウーン、ワオーン、ワフ、クーン、ワンワン」

『めがみたま、ぼくのパパとママたちとぉ、はねの人のパパとママたちを、たちゅけてくれてあーとでちた』

 【訳 女神様、妖精狼(フェアリーウルフ)族と妖精族を救って頂きありがとうございます】


「クーン、クウーン、クーン、クウーン、ワン」

『ゴロンちたから、ポンポンがぁ、つこちぃ、たーいけど、だーちょーぶ』

 【訳 転倒してお腹が少し痛みますが、大丈夫です】


「よかった。でも、まだまだ負傷者が多い様ね」



 俺は一番小さな、生まれたてだと思われる妖精狼(フェアリーウルフ)の赤ちゃんの、お腹を優しく撫でて辺りを見回した。

 妖精達も魔力が尽きている者が多く、負傷者の回復は難航している様であった。

 そういえば確か、一部スキルの解放があったけど――回復スキルとか、無いのかな? 


 俺は、スキル欄の一番下から確認することにした。

 レベルアップ表示で【封印が解除されました】と瞬間的に見えたからだ。

 確認すると、やはり異世界隠しスキルが【限界突破LV1】になっていた。

 そして、LVが無かったはずの異世界スキルが【マウス&キーボードLV1】と表示されていた。

 確か【マウス&キーボード】って【LV】表示無かったはずだよな。


 あれ? おかしい……

 俺は異世界スキルの【マウス&キーボードLV1】を使用してみた。

 手元に現れたマウスとキーボードは、確か半透明だったはずだ。

 しかし、今は以前よりも若干色濃くなっている。


 今度はステータス画面を呼びだすと、全体像がでる。

 俺はステータス画面を閉じるときに、ステータス画面を呼び出すと全体像が見える設定にしている。

 全体像は現身として投影しているので、鏡が無い状態でも髪型や服装が四方八方から確認できるので至便なのだ。

 うん、いつ見ても可愛い美少女がいるな……おっと、髪が少し乱れている。

 髪を整えて――これで、よし。


 次に、ステータス詳細画面を開けてみる。

 ステータス→基本情報→全体像→詳細情報。

 名前 リリー・ヴァリー

 性別 女  年齢 十歳

 詳細情報には、職業【空欄】とあるが……ん? 職業の【空欄】が点滅している? 


 あれ? 点滅って今まで無かったよな。確か? 

 その下には赤字で【新】と表示があり、矢印が薄く出現していた。

 え? これってまさか――しかし、クリックするように強く念じるが動かない。

 色々と試行錯誤を繰り返す――言葉にして「職業変更」や「職業チェンジ」など……

 何度も推考し念じるが、変更することができなかった。


 改めて眼前を見たことで、思い出した。

 左右に【マウス&キーボードLV1】を出していたことに。

 今までは思考し、スキルを使用していた。

 しかし、このスキル【マウス&キーボードLV1】は俺だけが手で触れて使用できる。

 主に戦闘時、瞬間的に移動する場合使用していた。


 もしかしたら――俺は【マウス&キーボードLV1】の【マウスLV1】を使用して、矢印をクリック。

 こっ、この矢印……動くぞぉぉぉぉぉぉ! 

 矢印を動かすと、先ほどまで薄かった矢印が色濃くなった。

 そして――←空欄→←剣聖→←拳鬼→←賢者→←聖女→←勇者→…………←聖薬剤師→←絶級シェフ→←絶級建築士……。

 こっ、これはまさか? チート級の職種があるな。


 その下に魂  花楓院(カフウイン) (レイ)

 魂LVの前には表示が無かったが――

 管理者魂LVと変更され【LV 3】と表示されていた。

 やはり……魂LVが三つ上がっている。

 その下に管理者 【第一級下位管理者】 と表示がある。

 その下に身体(ウツワ)  サラティー・L・ホワイト・M・ライラック

     身体(ウツワ)LV LV 10 とある。

 が、横に意味不明な(プラス)表示がある。


 相変わらす、斜線で数字は表示されていなが……

 そして、下に新たに隠しスキル 限界突破 LV1 表記。

 その下には、ステータスに管理者の+限界突破LV 1適用と記載があった。

 その記載にある通り――HP /////+や、攻撃力 /////+があった。


 +AP(封印)0.01%【サラティー・L・ホワイト・M・ライラック】を除く、全ての項目に(プラス)表記。

 なにこれ異常表記? 意味が分からない。

 ともあれ、俺は今この場に必要だと思われる職にまで【マウスLV1】を使用して矢印をクリックしていき――スキル【キーボードLV1】を使用して【エンター】を押した。


 ―――――――――――――――――――――――――――――――――

 詳細情報


                  職業 聖女

                   新 ←  →⇖

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――


 【システム 聖女の全スキルをコンプリート 限界突破しました】

 【システム 聖女専用の限界突破スキルが使用可能です】

 【システム 限界突破スキルはアクティブ及びパッシブに移動可能】

 【システム 移動する事で別の職でも使用可能です】



 え? 限界突破? いやいや聖女だけでも凄いのに? 

 俺の眼前に聖女専用限界突破スキルのスキル名が浮かぶ。

 その中の一つ範囲回復を選び――

 アクティブスキルに、聖女魔法スキルの一つである聖女専用限界突破魔法スキル【エリクサーレイン】を追加した。

 もう一つ気がついたこと――

 それは、マウスをスキルの上に近づけると詳細が表示されることだ。

 この機能もかなり至便だ。


 【アクティブ】               

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――

 【聖女専用限界突破スキル】


   完全回復

   +

   →

   範囲完全回復

   - エリクサーレイン ⇖【詳細】

                ・範囲指定した死以外の全てを回復

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――


 聖女の状態でパッシブを見ると聖女の全スキルがコンプリートされていた。

 ただ、聖女専用スキルは、詳細を確認すると聖女職の時のみ自動でパッシブに追加されるようだ。

 他の職で使用する場合は、聖女専用限界突破スキルの特殊を追加しなくてはならないようだ。

 忘れる前に、特殊も追加しておこう。


 【パッシブ】

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――

 【聖女専用スキル】(聖女の時のみ自動でパッシブに追加)

    全スキルコンプリート・無詠唱・スキル能力向上

    ⇖【詳細】

      ・聖女の全スキル使用可能

      ・聖女の全スキル能力1段階向上  

      ・職を聖女にしている場合無詠唱可能


 【聖女専用限界突破スキル】 

  特殊

  -

  全聖女・限界突破魔法習得

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――


 それに、聖女の職になり限界突破した事で、聖女の職を選んでいる場合は詠唱を必要としないようだ。

 無詠唱でスキル名さえ必要としないのだが、あえて周りの可愛いモフモフ達が驚かない様にスキル名を口にしよう。

 俺は周りにいる妖精狼(フェアリーウルフ)達と、妖精達に、手を翳す。

 そして――


「【【エリクサーレイン】】」


 それと、ついでに無詠唱で口にせず――

 【【ブレスド ピュリフィケイション セレモニー】】っと。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

誤字脱字をご報告下さる皆様方も、本当に感謝致します。


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