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第四十二話〜解説──富士噴火〜

 ─ この形式も久しぶりですね。


 そうねぇ。前回は20年以上前、天然痘の話だったかね。それはさておき、長保元年(999年)の今回は富士山の噴火とその辺の関連事項をやります。


 ─ そういえば噴火しましたね、富士山。何か影響あるんですか?


 ないね。史料に記述が無いから断言出来ないけど、記述が無いってことはつまり「記述に値しない」ことと同義だからね。もとより風は西から東に吹くし、火山灰がこっちにくることもないでしょ。知らんけど。


 ─ ……この話、これで終わりでは?


 だから他の話もするのよ。まあ地質学はよく分からないから、日本における噴火史概説みたいな感じでやるさ。

 さて。洋の東西、古今を問わず火山噴火とは一大事な訳で、当然諸記録に記されることとなる。日本における噴火記録は、古いもので清寧帝三年(482年)の富士山噴火がある──記事の信憑性はさておいて。無論それ以前にもあったが、もとより文字を持たなかった民に記録の術は無いからね。

 日本には主だった火山として桜島や阿蘇山があるけど、やはり外せないのは今回の主役でもある富士山だね。古代から存在を認識されていたこの霊峰は、8世紀頃は盛んに噴煙を吐いていたらしい。その様子は万葉集の収録歌からも読み取れるけど、延暦十九〜二十年(800〜802年)貞観六〜八年(864〜866年)に大きな噴火を起こしている。特に後者は貞観大噴火と呼ばれ、江戸時代の宝永大噴火をも凌ぐ規模だったとも言われる。


 ─ 流石は日本一の山ですね。


 研究によれば、信用できる古記録を総合すると、富士山は天応元年(781年)以降16回噴火したとされる。そのうち10回ほどがこの平安時代に集中し、永正八年(1511年)までの400年以上に亘って活動記録がほぼ残っていない。これ以降激しい活動は宝永大噴火を待たなければならないし、またそれ以降も大規模な噴火活動が確認されていない。富士山の活動に周期性とエネルギー蓄積を主張する人もいるけど、実際どうかは知らん。因みに、次回の噴火は16年後ね。


 ─ 割と近くないですか? それ。


 記録残ってないし、都が被害被ることはないさ。もとより平安京は噴火とは無縁の土地だし、もし何か影響があるなら、噴煙や噴出物による田畑への打撃と税収の減少さね。少なくとも、我々が生きている間はそういったことはないはずだ。


 ─ 他の山はどうです?


 うーん、特に言うことはないけどなぁ。浅間も阿蘇も、噴火までまだ相当あるし。

 ……あっそうだ、阿蘇山といえば隋書の記述の話をしよう。


 ─ 唐突ですね。


 ネタが無いからね、仕方ないね。

 隋書によれば推古帝八年(600年)、遣隋使がやってきたらしい。時の隋皇帝は煬帝、中華史上最大の暴君とか言われる人物だ。その辺の評価が疑わしいって話はさておき、隋書では遣隋使によって報告された倭国の記述がある。その中に以下の一文が書かれているのだ。


『有阿蘇山、其石無故火起接天者俗以爲異因行禱祭(阿蘇山がある。その石は理由もなく発火し、天にも接するので、特別なものとして祭祀を行う)』


 なぜ阿蘇山が特記されたかは東洋史学者に任せるけど、当時の日本で火山に神性を見出していたことが窺える。富士山の浅間神社もその一端だね。


 ─ 噴火は大きな出来事ですからね。……で、ここからどう締める気ですか?


 私にも分からん。

美「なんでこの形式をあまり使わなかったのですか?」


義「さあ……?」


作「すっかり忘れてました。はい」


義美「久しぶりだな/ですね」

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