140.浮気相手は調整士!?
新キャラです。
あれからリベアの勉強は順調に進み、その他の準備も整ってきた試験二週間前の事です。それは突然の出来事でした。
わたしはその日、用事で外出していました。そして午後になって家に帰ってきた時に、入り口からいつもと違う雰囲気を感じ取ったのです。
バンッ!! ガチャ! バタンッ!!!
(……あれ?……おかしいですね。いつもなら真っ先に出迎えてくれるはずのリベアの姿が見えません)
何やら胸騒ぎがしました。嫌な予感を振り払うようにして、慌てて中に入りリビングの方へと向かいます。
「リベアいますかっ!? いたら返事を……あっ!」
――そこには、ソファの上で気持ち良さそうに眠るリベアと彼女の膝を枕にして横になる見知らぬ少女がいました。二人とも気持ちよさそうに寝ています。
…………誰ですかあなた!? ピキッ。
あぁ、何かが割れる音が聞こえた気がします。おそらく気のせいではないでしょう。
「…………」
リベアの血色は良く、一見何もされてなさそうですが、ちょっと良過ぎる気がします。まるで行為を終えた後のような……。
「うぬぬ、とりあえず触診を……寝てるだけだとは思いますが……」
目の前に広がる光景を見て、完全に思考停止していた頭が徐々に動き出します。よくない妄想までしてしまいました。これでは賢者失格です!!
(触った感じ、大丈夫そうですね……)
あ、変な所は触ってませんからね! 大賢者に誓って。
「むむむ……」
さて、状況を整理しましょう。まずリベアのお膝ですやすや眠っているこの子は誰ですか?
そしてどうしてウチにいるんですか? なんでリベアの膝枕で寝てるんですか? っていうか距離近すぎやしませんか?
よくない考えが次々と浮かんできてしまいます。
ひとまず二人を起こして順番に聞いていきましょう。
「……にしても綺麗な顔してますね。絵から出てきた見たいです。んっ? この子どこかで見たような……」
わたしは一瞬、その女の子に見惚れていました。それほどまでに美しかったからです。さらりとした長い紫髪に整った目鼻立ち、それに透き通るような白い肌。少し幼い印象を受けますが将来美人になること間違いなしの顔つき。服の上から見てもわかるスタイルの良さ。歳はリベアと同じくらいでしょうか?
そんな子が今まさにリベアの膝の上にいるなんて……。
「えへへ、気持ちいです……ミーアさん……すぅ」
リベアの寝言、えっちぃですね。寝顔も天使だ……。あとミーアさんって誰ですか?
「ちょっとくらいなら触っても……自分の弟子ですし……」
――って、何を考えているのですかわたしは!! しっかりするのです! 今はこの状況について考えることが先決です。
伸ばしかけた手を必死に抑えて、冷静になろうとするわたし。そこである事に気が付きました。
「んんんっ?」
少女の容姿から、ある人物が思い浮かんだのです。
(わたしの勘違いでなければ、師匠の残していた記録用魔道具に映っていたシーヴ婆の若い頃にそっくりですね……)
という事はこの子はシーヴ婆の親戚? 遣いでしょうか?
「リベアが寝言でミーアさんと言っていましたね。ミーア……聞いた事ありませんね。この子がそうでしょうか? まぁいいです。二人ともそろそろ起きてください」
気持ち良さそうに眠る二人を起こすのは忍びないですが、彼女達が起きない事には何も分かりません。
「リベア、ミーア?さん。起きてください、早く離れないと魔法をぶっ放しやがりますよ」
ちょっと口が悪くなってしまいましたが、わたしは悪くありません。知らない女と寝ている弟子が悪いんです。
二人の肩に手を置き軽く揺すります。すると二人はゆっくりと目を開け始めました。
「ん、おはようございます師匠。ふわぁ~」
まだ眠そうな様子のリベア。彼女は大きく口を開け、欠伸をしながら伸びをしていました。とても可愛らしい仕草です。しかし――。
「はい、おはよ――じゃないですよ!! 家に知らない女の子を連れ込んで一体何をしていたのか説明してもらおうじゃないですか!! 場合によってはウデさんによるお仕置きも検討します」
わたしは声を荒げて言いました。それも当然です。だって家に帰ってきたらいきなり知らない美少女が愛弟子とソファーの上で寝ている状況に出くわしたんですよ!
前にされたお仕置きの事を思い出したのか、弟子は身震いしてわたしに駆け寄ってくると、腰辺りに縋りついてきました。
「ち、違います師匠。これには訳があって……だからあのお仕置きは勘弁してください!」
「ほー? 女の子を家に連れ込むのに正当な理由があると?」
「私が連れ込んだ訳じゃないですよ! それに私が好き……愛してるのは師匠だけなんですから」
詰められたリベアは、聞いてるこちら側が恥ずかしくなるような台詞を言ってきます。
でも、そういう事を言われるのも満更ではないので許してしまいますね。
リベアに甘い自覚はあるのですが、これはもう仕方がないでしょう。それに最近はリベアの好意が本物だと分かってきたというか、態度を見ていれば一目で分かるようになってきたといいますか……。
あの日を境に、リベアの好意には鈍感ではいられなくなりましたね。
「リベア……」
「師匠……」
そうやって二人で見つめ合っている所に、か細い声が聞こえてきました。
「あ、あのぉ……」
「「あっ……」」
リベアとのやり取りに夢中になって忘れていました。この場にはもう一人の少女がいたのです。
「ワタシはミーア。ミーア・メルベリです……」
そう自己紹介して頂きました。
とりあえず浮気相手とかじゃなくて良かったです。ですが双方居た堪れない気持ちになったのは言うまでもありません。
ここまで読んで頂きありがとうございます!
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