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第205話 魔道具屋さんをしてくれませんか

 王様が資料を読んでいる間、ちょっとばかり時間がありますし。


「グランジさん、少し相談があるのですけど、魔道具屋さんをしてもらえませんか? もちろん土地と家は用意しますけど」


「ん? 本当か? こうなったからにはここでは働きたくねえからな。できたらこぢんまりした店が良いんだが」


「はい、二階建てで、二階が住む場所で、下がお店と倉庫は要らないのですよね? どんなお店にしますか?」


「そうだな、生活に役立つ魔道具を置きたいんだ、まあ分からねえだろうが冷蔵庫とか電子レンジだな、それを少しずつサイズ違いで置いておけば良いだろと思ってる」


「なるほど、それは良いですね、そうだ、孤児院の隣でも良いですか?」


 アマンダさんの旦那さん作戦です。


「おお、賑やかで良いじゃないか、なら俺が快適な孤児院にしてやるぜ。ところでよ、宰相のやろうはどうするんだ? まあ王様に任せておけば良いだろうが」


「ナガト男爵さん、こんな悪さした人はどうなると思いますか?」


「そうですな、まずやろうとしていた事は謀反ですので処刑になるでしょうね、一族郎党はライ殿の所にいるのですよね?」


「ですね、貴族のお屋敷にいた方は全員送りましたから、連れてきましょうか? たぶんそろそろ良い人と悪い人と分けてもらえた頃だと思いますよ?」


「うむ、そうですね、そこの騎士団の方、貴族街にいた良い貴族達と、悪い貴族達を連れてこようと思うのですが、どこか良い場所はありますか? あっ、ライ殿、この方達は大丈夫なのですか?」


「大丈夫······ですよねグランジさん」


「ああ、問題ない、悪い奴も良い奴も、転移でこの城に集めたからな、奴隷魔道具を飲まされていた奴らは。さっきライ達が入ってきた時にやっておいたぞ、今はそこでおとなしく待っているはずだ、ついでにお前ら表に行って、良い奴と悪い奴に分けてこい、良いか、そこのクソ宰相に命令されて仕方なくやった奴は良い奴だ、ほらさっさと行ってこい!」


「「はっ!」」


 騎士さん達は七人全員が部屋から出て行きました。それに気が付いたのか。


「ぬ? 私の護衛は······まあ良いか、これによれば全て宰相の奴隷になっているが、取り除いてくれたのだろ?」


「はい。それに今は宰相さんの奴隷じゃなくて、僕とグランジさんの奴隷なのかな?」


「いや、今は俺だけだな、王様に変えておくか? 言っておくが今は王様も俺の奴隷状態なんだがな。くははははは」


 あはは、王様のもまだ解いてないのですね、まあ命令しなければ良いのかと知れませんね。


「むぅ、まあ助けてもらっているようだ、今回は不問で良い。今しばらくは資料を見るのに時間がかかる、メイドよ、茶を用意してくれるか?」


「はっ」


 その後お茶をいただき、一度カヤッツの所に行くことにしました。ナガトさんには王様の相手をしておいてもらいます。


 そしてお屋敷に戻ってきました。そこには綺麗に右と左に分かれた沢山の方がいました。


 とりあえずカヤッツは······あっ、いました。


「カヤッツ! ただいま!」


「ライ坊っちゃん! お帰りなさいませ。ちょうど分けたところですよ。思ったより良い方が多くて良かったですね」


「洗脳の方は大丈夫なのかな? 一応それを直せる魔道具を作れる方を連れてきたのですけど、こちらのグランジさん」


「初めまして、カヤッツと言います」


「グランジだ、魔道具職人で、ここに店を作ってもらえるって聞いてやって来た。よろしく頼む」


「ぬふふふ。アマンダさんの隣にって思ってます」


「あ、ああ、そういう事ですね、確かにあそこなら場所も余裕がありますから。くくっ、少し待って下さいね、アマンダ! ちょっと来てくれ!」


 流石カヤッツです。僕の考えが分かったみたいで、子供達の世話をしていたアマンダさんを呼んでくれました。


 するとぞろぞろと子供達を引き連れやって来ました。二百人くらいいるのかな?


「ねえ、あの人数と今までの子合わせてアマンダさんだけで切り盛りできるの? ちょっと無理があるような気がするんだけど」


「そうなのですよね、グランジさんは孤児院のお手伝いはできますか?」


「構わないぞ?」


「おお! そうです、お隣より、孤児院に魔道具屋をくっ付けちゃえば良いですよね」


「それでも良いが、そこの院長があの先頭の女性か? というか一人なのか?」


「いえ、お手伝いの方は何人かはいますけど、この人数だと一人でもお世話のできる方がいてくれると助かりますし」


「ライ坊っちゃんよー、また沢山攫って来たじゃないか、やるな。くははははは。でなにか用かい?」


「はい、今度孤児院の隣か、孤児院で魔道具屋さんをしてもらう、グランジさんです」


「グランジだ。よろしく頼む」


「アマンダだ、こっちこそ頼むぜ」


「それでですね、良かったら二人で孤児院と魔道具屋をやってもらえないかなって思ってます。今回は沢山増えてしまいましたから、男の手もあった方がいいでしょ?」


「そうだね。グランジさん、どうだい私と一緒にやってもらえないか? 男の子にはやっぱり男の人でないと相談もできない事があるだろ?」


「それはあるな、構わねえぞ、アマンダさんみたいな美人と一緒に仕事できるなんて、光栄だぜ、男の子の――」


 なんだか良い感じに話が弾んでますね。


「ライ、良い感じに話してるじゃない、今の内に向こうに戻すだけやっちゃいましょう」


「そうだね。グランジさん、この人達は送り返しちゃうから、洗脳解いてくれない?」


 そう言ったのですが······。

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[一言] ここで暮らしたい人が大勢出たかな
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