表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
笑顔の破壊力が物理的な破壊力!ー世界最優の兵器は、少女の笑顔でしたー  作者: ぽこむらとりゆ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

84/113

笑顔の破壊力 lv.84

 火、水、土、風の属性を選ぶと、どうなるかは予想できる。


 恐らく、目からそれらが出るのだろう。


 花形の属性が選択肢から消えた……。


 そうなると、光か闇のどちらを選ぶかだ。


 とりあえず全ての属性に神力を変換してみると、想像以上にスムーズに出来る。


『レイル、どの属性を選んでも出る威力は変わらないぞ。何を真剣に悩んでるんだ?』


 頭の中で、アークの声が聞こえる。


 アークは、私の神力が色んな属性に変わるのを感じたらしい。


 思考まで覗いてはいないようで、アークらしい配慮が少し嬉しかった。


「目からしか魔法を放てないみたいだから、どの属性にするか悩んでるんだよね。光か闇の2択で、おかしくない方を選びたいんだけど」


 頭の中で私が答えると、


『そんな事を気にしてたのか。レイルの力は凄い! 何を選んでも誰もおかしいなんて言わないから、好きなのを選べ!』


 アークならそう言うと思った。


 光を選ぶと……目がピカッと光るのだろう。


 今の『目からビーム』は、神力が見える存在には光って見えるようだが、光を選んだら、全ての人が、目が光っているのも、ビームも見えるようになると予想できる。


 闇なら……? 闇はどうなるのだろうか。


 目が黒くなる? ビームが黒くなる?


 ……気になる。


「決めた」


 私は呟き、目を開けた。


 すると、


「おい、本当にこんな結界で、あのバケモンじみた攻撃が防げんだろうな? もっと分厚くねえと安心できねえだろ」


 ジェットが、ゼンの結界に文句を言っていた。


「ジェットさん、落ち着いてください。もし何か起きたとしても、それはジェットさんの日課が悪いだけだと思って諦めましょう」


 イシスがジェットへ向かい言うと、


「日課じゃなくて日頃の行いなんだろ? イシス、ちょっと間違え方が雑なんだろ? それと、この結界はよく出来てるだろ?」


 グランがイシスにダメ出しをし、結界を褒める。


 私は3体がいる方を向き、


「大丈夫だよ。絶対に当てないし、ゼン様は魔法使いとしては天才だから安心して」


 と言うと、3体がチラッとゼンの方を見て、大人しく頷いた。


 先程までの戦いで、ゼンはワープと結界しか使っていなかったが、実力を測るのには十分だったらしい。


 ゼンは嬉しそうにニコニコとしている。


 結界に入ったローズが、私に向かいニコッと笑う。


「準備できたかい? 『浄化』を発動したら20数えるからね、その間にこいつらを一掃しておくれよ! じゃあいくよ!」


 そう言うと「浄化」と言い、両腕を広げ上へと伸ばした。


 この世界では、魔法を発動する際の詠唱(えいしょう)はいらないはずだが、ローズは、私がわかりやすいように、あえて口に出してくれたようだ。


 ローズが『浄化』を発動させると、自身がゴウカに現れた時よりも、大きな光が辺りを包み込む。


『魔の者』が集まるのはオルカラ王国側だけだが、ローズはゴウカ全てを『浄化の光』で覆い尽くした。


「レイル、始めな! 1……2……3……」


ローズが大きな声で私に合図し、数え始めた。


「アークいくよ」


 私はアークに声をかけ、ゴウカの空を見上げる。


 晴れの日の青い空に浮かぶ時星は、綺麗な紫色をしていた。


 ゴウカにいるとわからなくなるが、今は深夜のようだ。

 

 私は今から、初めて魔法を使う。


 どんな事が起こるのだろう、ワクワクしながら神力を属性変換し、増幅させる。


 アークのおかげで、私は何度も魔法を使っていると錯覚し、魔法を使うまでの、全ての工程を問題なく進める事が出来た。


 身体の中を、属性が変わり増幅した神力が巡るのを感じる。


 神力が何十倍にも何百倍にも増幅しているが、負荷がかかったり、辛いという事もない。


 むしろ、身体は軽く、気分が良い。


 今の私なら、何でも出来そうだ。


「最高の気分……」


 私は笑った。


 すると、ボンッという大きな音と共に、ゴウカが黒に染まる。

 

 夜が来ないはずのゴウカに影が落ち、視界が悪くなる。


 目の前が真っ暗で何も見えないが、私とアーク、そして、ゼンが張る結界にこの闇は干渉しない。


 ローズの『浄化の光』に闇が覆い被さっていく。


 私が選んだのは『闇魔法』だ。


『ぎゃああああ』


 魔人の声が聞こえる。


「うるさい」


 私が呟くと、魔人の声と気配が消えた。


 ゴウカに静寂が広がる。


 闇が晴れ、辺りが見えるようになると、一面に魔力石が散らばっているのが確認できた。


「10……11……あれ? もう終わったの? あの数を本当に1度の攻撃で倒しちゃうなんて! もっとドーンッとかバーンッてなるかと思ってたけど、ボンッだったわね! すごーい!」


 ローズは大喜びだ。


 もうこっちのキャラでいけば良いのではないだろうか。


「いやいやいやいや、こんなに呆気なく終わんのかよ! 数千体だぞ? どうなってんだよ!」


 ジェットが困惑したように叫んでいる。


「今の、ボク達に向けられてたかもしれないんですよね。そう考えると背中が凍ります」


 イシスは表情を変えずに、声を震わせて言った。


「背中じゃなくて背筋なんだろ? レイルという人間は敵じゃないんだろ? グラン達に攻撃がくる事はないんだろ?」


 グランが言った。


「本当に……凄い子だよ。このぼくが何度も驚かされるなんて……」


 ゼンは1番に喜びを爆発させると思ったが、ブツブツと独り言を言っている。


 ダンは呆れたように笑い、


「兄さん、もう驚き慣れてしまいましょう。わたくしはもっと派手な攻撃を放つと思っていたので、闇魔法を選択された事に驚きましたが、それもレイル様らしいのかと、納得する事にしました」


 ダンがゼンに向かい言った。


 これで本当にゴウカでの戦いが終わった。


 私は眼鏡をかけ、振り返って後ろにいるアークに向かい笑う。


「サポートしてくれてありがとう。何の違和感も無く魔法が使えたよ。威力のコントロールまで出来た気がする。アークは凄いね」


 と私が言うと、アークは目を逸らし、


「俺は何もやってない、レイルが凄いんだ。もっと自分を褒めてもいいと思うぞ」


 と言って何故か俯いた。


 私はアークの両頬に両手を当てて、顔を上に向け、目を合わせた。


 すると、アークの顔が真っ赤に染まる。


 私は、アークの頬に手を当てながら、目を真っ直ぐに見て、


「アークのおかげだよ。本当にありがとう」


 と言って笑う。


 この作戦はアークがいないと成り立たなかった。


 感謝を伝えても伝えきれない。


「……わかった、わかったから手を離してくれないか」


 アークが小さな声で言った。


 私は慌てて手を離す。


「ごめんね! 私は触られるのを拒否してるくせに、嫌だったよね……どうしても目を見て感謝を伝えたくて……」


 どうしよう。アークに嫌われてしまったかもしれない。


 私は、人との距離感を掴むのがまだまだ下手くそだ。


 アークを見ると、


 両手で顔を隠してしゃがんでいる。


 相当嫌だったのかもしれない。


「アーク、嫌な思いさせてごめ……」


「嫌じゃない!」


 私が謝ろうとすると、その言葉をアークは遮った。


 そして、私の目を見て、


「嫌じゃないんだ……むしろ嬉し……」


 アークが何かを言おうとした時、


「はい! そこまでだよ、アーク! そう簡単に君達の関係は進ませないよー? ぼくもレイルちゃんを気に入っているからね! 応援しようと思っていたけど、やーめた!」


 ゼンはアークの言葉を遮り、凄く楽しそうに言った。


「兄さんにここまで気に入られてしまうと、これから大変だと思いますが、何かありましたらわたくしに相談してください」


 ダンが私に気を遣って声をかけてくれた。


 それを聞いたゼンは、


「ダン! お兄ちゃんに気に入られるのが悪い事だと思っているのかい? それとも、レイルちゃんにお兄ちゃんを取られると思っているのかな?」


 ゼンがニヤニヤしながら、ダンに言うと、ダンは心底面倒くさそうな顔をして、


「兄さん、その話し方をやめてください。わたくしは子どもではありませんので」


 良い歳の大人が、いつまでこのやりとりを続けるのだろうか。


「あんた達! まだ仕事が残ってるんじゃないのかい?」


 そう言ってローズは、自身の後ろにある地面を指さした。


 ゴウカの地表には、物凄い数の魔力石が転がっている。


 これを全て拾うのは時間がかかりそうだ。


「それならば、わたくしが率いている部隊が結界の外におりますので、こちらで拾わせましょう」


 ダンはそう言って部隊がいる結界の外に目を向けた。


 その瞬間、『聖女の結界』が解かれた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
まさか闇魔法を選択するとは! 国全体に闇が落ちるエフェクト、発動前のセリフ… やばカッコいいですね! 魔人も引いてるのがいいです。 これで本当にゴウカは落ち着いたのかな…続きに期待です!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ