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【中里雪菜視点】ナイス!

「ねーねー、それぞれ何がいいかな?」




前を歩く莉乃愛ちゃんがこちらを振り返って言った。




「あっくんさんはパソコン関連!」




と私の横を歩く彩春が言った。


レコーディングの次の日の日曜日、皆で湯月くんと直人くんへのクリスマスプレゼントを買いに行こうとなり、新宿に来ている。





「まぁあっくん他に興味なさそうだしねぇ。あ、でもプログラミングやりたいって言ってた!」




と莉乃愛ちゃんが思い出したように言った。


へー、湯月くんプログラミングやりたいんだ。


でもなんか似合うかも!




「プログラミングって何?」




と莉乃愛ちゃんの横を歩く華蓮ちゃんが首をかしげて聞いた。




「んーなんかゲーム作ることみたいな感じ?」


「あっくんゲーム作りたいのか!」




いやいや、ちょっと違うよ!


確かにゲームもプログラミングだけど!




「あ、いや、ゲームだけじゃなくて、ホームページとかアプリとかもプログラミングだよ」




私がそう言うと、莉乃愛ちゃんと華蓮ちゃんは「へぇ~」みたいな感じになった。




「で、でも、結局パソコンだから、湯月くんのは家電屋さんだね!」


「そうだね! 雪菜さすが!」




莉乃愛ちゃんはそう言うと前を向いて家電量販店に向かう。


何がさすがなのかはわからないけど…。


莉乃愛ちゃんや華蓮ちゃんって、ああいう勢いの強さが良くある。


彩春もそうだけど、彩春より二人は凄い。




「兄貴は何がいいですかねー」




と茜ちゃんが言った。




「直人かー」


「兄貴それこそ趣味なんて女ぐらいしかないですよー?」


「そこだけ聞くと直人くん最低だね…」




と私が言うと、皆が笑った。




「あはは、本当直人最低だわー(笑) でも、んー、洋服とか?」


「兄貴金持ちだからなぁ」




と茜ちゃんは困ったように言った。




「そうなの?」




私が聞くと、




「そうですねー。なんかあっくんさんと投資で荒稼ぎしたみたいなんですよね~」


「あーそれわたしも聞いた! あっくん貯金1000万ぐらいあるって言ってたもん」




莉乃愛ちゃんからそれを聞いた、私含めたほかの4人は驚愕した。


いやだって、高校3年生で1000万貯金あるなんておかしいでしょ??


あ、でも私も多分結構ありそう…。


見てないからわからないけど……。


だって使うことないんだもん………。




「あっくんさんも大概ですね…。でも本当、兄貴が絶対喜ぶものって言ったら…」




茜ちゃんはそう言いながら少し考えて、




「あ! 菅谷先輩と雪菜さんの生下着とかなら、死ぬほど喜ぶと思います!!」




茜ちゃんはポンッと手を叩いて言った。




「だって雪菜ー」


「…………直人くん最低」


「本当にねー!」




そう言って私たち5人は再び笑った。


直人くん可哀そう…(笑)


勝手に最低になっちゃってる(笑)


言ったの私だけど…。



だ、だって私と莉乃愛ちゃんの下着って……。




「まぁ5人でお金だすし、なんか無難な洋服とかにしようか!」




そう莉乃愛ちゃんが言った。




そして湯月くんへのプレゼントを見つけるために来た家電量販店。




「でも、あっくん大体なんでも持ってるよねー」




莉乃愛ちゃんはパソコン関連の商品を見ながら言った。




「そうだよねー。あ、でもイヤホンとか重要なんでしょ結構?」




と華蓮ちゃんが私の方を見ながら言った。




「そうだね…。でも湯月くん前聞いた時エクストラハンマーヘッドだって言ってたから、いらないかも…」


「エクストラハンマーヘッド? めっちゃ強いとんかち?」




と莉乃愛ちゃんが頭に「?」を浮かべるような感じで言った。




「えっとー…あ、これこれ! 湯月くんこれじゃない使ってるの?」




私が店頭に置いてあった商品を手に取り莉乃愛ちゃんに見せると、




「それだーーー!! その色のやつだ!」


「これね、プロ選手とかも使うやつだから、多分不満ないかなと…」


「えーんじゃどうしようか?」




と華蓮さんが言う。




「プログラミングやりたいなら、キーボードとかどうかな…?」




と私が言うと、




「あっくんキーボードもあるよ?」


「あ、うん、あると思うんだけど、多分ゲーム用とプログラム用だと少し違うかもって」




すると莉乃愛ちゃんは驚いた表情をして、




「流石雪菜だわ! よしキーボードみよう!」




そして私達はキーボードコーナーに来たが、正直どれがいいかなんて私も全くわからない。


皆同じようで「うーん」となってると、華蓮ちゃんが、




「店員さん連れてきた!」




華蓮ちゃんはドヤっと言った。


本当行動が早い…。


私なんて店員さん呼ぶのすらどうしようかなって時間かかかっちゃうのに…。




「キーボードをお探しとお伺いしましたがどのような?」


「そう! プログラミングのやつ!」




と莉乃愛ちゃんが言う。




「あ、あの、プログラミングに適したやつとかってどこらへんでしょう…」




私が追加でそう聞くと、




「そうですねー、有名なのはこの2つですかね!」




そう言って店員さんが教えてくれたのは、黒色のキーボードと白色のキーボード。




「黒色がRealtouchといって、押し感が軽いわりにしっかり押せて、スコスコした音で人気です。もう一つの白色がSHKBと言って、SuperHackingKeyboardの略称で、非常に軽い押し感でタイピングに自信のある方とかはこちらを使われる人が多いですね」




と、店員さんが言う。


正直もう好みだろうからわからない…。


そんなことを私が思っていると、




「これだーーーーー!!!!!」




と白色のキーボードを指さした。




「名前があっくんっぽい!」


「確かに!!」




と華蓮ちゃんも言った。



確かに。


SuperHackingとかなんか湯月くんぽいかも(笑)


私もそう思い、




「確かにね…(笑)」




と笑いながら言った。




「てか、たっか!! 35,000もすんの?! 他の3,000円とかもあるじゃん!」




と莉乃愛ちゃんが言うと、店員さんが、




「もうこれらは完全にプロ仕様ですから…」


「まぁ5人で出すしいっか! えっとー…」


「3年生が9千円で、1年生は4千円とかは? それで丁度だよ! 端数は私出すよ…一応一番稼いでるから…」




と私が言った。




「雪菜計算はやー!!!!!!」




と華蓮ちゃんは驚いた感じで言うが、そんな難しい計算じゃないと思うんだけど…。




「おっけー! そしたらそれで行こう! 雪菜少しだけ多くなっちゃうけどいいの?」




と莉乃愛ちゃんが聞いてきた。




「あ、うん、私お金使うことあんまりないからさ(笑)」


「そっか、ありがとう! じゃあそれで行こう! これプレゼント用で!」





湯月くんにはいつもお世話になってるし、この5人の中では1番稼いでるし、それぐらい全然いい。


むしろ湯月くんなら、私が全部出してもいいぐらいだ。





そしてその後、直人くんには皆で悩みに悩んだ結果GECCIのキーリングになった。




「男子チーム何か楽しみだねー!」




二人のクリスマスプレゼントを買い終えて、カフェでみんなで休憩していると莉乃愛ちゃんが言った。




「兄貴達は、お金持ちだから期待しよー!」




と、茜ちゃんが言った。


確かに男子チームは2人で5人分買うんだから、普通に考えれば私達よりお金がかかるけどいいのかな……。




で、でも、湯月くんからプレゼントがもらえると思うと嬉しい…。


だって、普通付き合ってでもいないとプレゼントなんてこの歳じゃもらえないもんね。




莉乃愛ちゃんナイス!




私はそんなことを心の中で思いながら、皆と話していた。


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