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合計数百万人

ゲームを渡したので、おれも帰るかと思い部屋を出ようとすると、




「おいおい、幼馴染くんよ逃げるのか? 勉強ばかりでゲームは下手糞か…?」


「え…?」


「折角だし勝負しよーぜ! 勉強では負けたが、ゲームでは負けねえええええ!」




と、三人で「うおおおおお」と言い出した。


いやいや、元気すぎだろ…。




「…じゃ…じゃあ一回だけ…」




そうして、セマブラをやるということで、セマブラで勝負になった。



そして、ボコボコにした。


もう一回だということで、もう一回やってボコボコにした。


んじゃ違うゲームだと言い、それでもボコボコにした。


そうやって、まだだまだだと引っ張られ、あるタイミングで、




「く……くそ…あんなに勉強もできるのに…ゲームも強すぎる……OPEXなら勝てるのに……」




と、一人の男子が言い出した。




「幼馴染くんよ、OPEXはないのか…?」


「あ…あるけど…」


「なにーーーーー! 手伝うから持ってこよう!」


「ほ…本気…?」


「誰が一番、1戦でダメージ出せるか勝負しようぜ!(ニヤニヤ)」


「1番ダメ低い奴が、明日女子誰か1名に下着の色を聞く!(ニヤニヤ)」


「「いいなそれー!!!」」




本当元気だわ…アホだし……。




「いいか幼馴染くんよ?(ニヤニヤ)」


「い…いいけど…」


「ふはははは! 言ったな! よし取りに行こう! 俺はこう見えてももうすぐダイヤランクなんだぜ!」



「おれは今プラチナー」「おれもプラチナだなー」と男子3人で話し出した。




「わ…わかった、そんなに荷物でもないから待ってくれたらいいから…」


「おっサンキュー! 戻ってきたときがお前の最後だ! 幼馴染くんよ!!」




と、ニヤッと指をさしてきたので、元気だなぁと思いつつ家に戻った。


家に戻ってペレステの接続を外してるとドアが開いて、




「あっくん、なにやってんの?」


「いや、全てのゲームで圧勝してたら、OPEXなら勝てるからOPEXで勝負だっていわれて持ってきて欲しいっていうんで、ペレステの接続外してんの」


「OPEXってあっくんがやってるやつ?」


「そう」


「え、あっくんそのゲームかなり高レベル的な感じじゃなかったっけ?」


「うん…」


「うわーあいつらアホだわ~~~(笑) あっくんもほどほどにね~」




そう言って、莉乃愛は部屋に戻った。


 

そしてペレステを持って行き、マンションのwifiに接続してOPEXのダメージ勝負が始まった。




「ダメージ勝負となるとやっぱり次元だな」




そう言って最初の順番になった男子が自分のアカウントでログインしキャラピックをする。




「田原、ダイヤの実力幼馴染くんに見せつけてやれ!!」


「任せとけ! ボタン配置はデフォだから大丈夫か」




そうしてカジュアル勝負を進めていった。




「いやーー! ちょっと敵が集まり過ぎたなー」


「いやいや、田原良かったぞ!」


「あれはしょうがねー!」




んー、あの場面はポジション的に一旦引いて、後ろの山を一周して帰ってくるぐらいでちょうどいいタイミングになると思うんだけどな…。




そして他の二人も同じように進めいよいよ俺の番となった。


俺もペレステ用のアカウントでログインしキャラピックをする。




「あの、ハンデ…いる?」


「なにー? 幼馴染くんブロンズのくせにずいぶん強気だな! そんなものは必要あるわけないだろ! むしろ俺がハンデあげなきゃいけないぐらいだぜぇ(ニヤニヤ)」


「…そう…」




そうして俺は次元をピックしてカジュアル勝負を始めた。


コントローラーでの操作はそこまでやりこんでないけど、立ち回りも含めてうまくいけばミスリルいけるぐらいの実力は出せると思う。




「いや、幼馴染くん待て。ブロンズの癖に慣れ過ぎてないか?」




俺は黙々とゲームを続ける。




「待て待て! キルリーダーなってんぞ!」




俺は野良でマッチした人に回復アイテムを渡して、ダメージを稼いで強くなったアーマーも交換して、直ぐに移動する。




「いやいや、アーマー渡すとか明らかに強い人のやることだろ!」




最終局面で敵の位置を示して、移動する場所をピンで示し移動する。




「おいーーー! 優勝したぞーーー!!!!!! どうなってんだw」




結果、2位の人の倍の総ダメージで圧勝した。


ちなみに初動少ししてから多くの敵に囲まれてしまった田原君が最下位だった。





「幼馴染くんよ、アカウントのランクがブロンズなのにうますぎやしないか?」




と、田原君が話しかけてきた。




「え、まぁ、ペレステの方は最近ほとんどやってないから…」


「ま…まじか…。PC勢か…。PCだとどこらへんなん?」


「えっと…前々シーズンはデスト帯だったよ…」


「そーーーーーれーーーーーはーーーーーーー反則だろおおおおおおおおおお」


「…と言われても…」


「こ…これは…む…無効だ!」




と、話すと、




「「男に二言はない!!」」




と、他の男子がそれを否定する。




「ま…まぁ俺は、な…なんでもいいけど…。負けるはずないって…わ…わかってたし…」


「勝負は勝負だからなー(ニヤニヤ)」




と、一人が田原君の肩に手を置きながら言い、田原君はうなだれていた…。




そして暫くすると思い出したように田原君が言った。




「そういや、俺幼馴染くんのアカウントどっかでみたことあるんだよなぁ」




え?




「んー、あーそうだ! 俺が愛するリンカちゃんと一緒に前やってた! えーっとアークさんだっけ?」




やばい。


完全に油断してた。というか頭の片隅にもなかった。


俺のペレステ用のアカウントは、Ark0620_PSだ。


全く意識してなかったけど、俺の登録者はたかだか3万人かもしれないけど、ご一緒しているナナイロの方々の登録者を換算すれば合計数百万人になる。


アカウント名は微妙に違うけど、PSが後ろにくっついてるだけでほとんど同じだし、普通にバレる可能性があるこれは。


そんな動揺する俺をよそに、田原君はスマホで動画を探し、




「ほら、これこれ!」




そういうと他の二人が覗き込む。




「本当だな」


「田原は南雲リンカちゃんかー。俺は俄然まりんちゃんだなー!」


「幼馴染くんよ」


「…うん?」




どうする! ここまで来たら逃げ切れないか!?




「アークさんのファンなのか!!!!!!!」


「幼馴染くんも可愛いところあるなぁ」


「勉強もできてゲームもうまいけど、ファンだからって同じようなアカウント名にしちゃって!」




え?


俺がアークのファンってことで逃げ切れるのか?


でも、待て。


落ち着いて考えろ。


この後、アークの配信を見て、俺がいないところで「やっぱり幼馴染くんじゃね?」的に話が広がるとコントロールが一切できなくなる。


悪い人達じゃないけど、素直だからそのまま話しちゃう。


確かに配信の方が元気に話してるけど、別に声を作ってるわけじゃないし、しゃべり方だって同じはずだ。




そっちの方がリスクが高い。




「あ、えっと…絶対内緒にして欲しいんだけど…これ俺」




と俺が言うと、3人は固まった。


そして田原君が、




「…まじ?」


「うん」


「ガチで?」


「うん。今PCでログインすればこのアカウントだよ…」




俺がそう言うとしばらくの沈黙の後、




「「「まじでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」」」




と3人が声をそろえて言うので、




「ちょ、ちょ! 夜だから!」




と俺が言うと、3人は口を押えた。


そして何故か俺の所に全員が頭を寄せて、秘密の話をするようにコソコソと話してきた。


いや、そこまでしなくてもいいんだけどさ…。




「(幼馴染くんよ、まじか)」


「(うん)」


「(確かによく聞けば声が同じだな)」


「(…うん。でも、りのあしか知らないから…絶対内緒にしてもらえると…)」


「(そりゃもちろんだ。お前らもいいよな)」




と田原君が言うと他の二人も頷いた。




「(んじゃ基本的に俺達あほだから忘れることにしよう)」




と田原君が言うと、残りの二人も頷いて、なぜか全員が肩を組んだ。




「(しかし幼馴染くんよ、今日だけは覚えていてもいいよな)」


「(あ…うん…。俺は基本誰にも言わず、りのあもその話をすることはないだろうから、話したりネットに書いたりしないでくれればいいんだけど…)」


「(ダメだ。俺達は自慢じゃないがアホだから忘れることにしといたほうがいい)」


「(そ、そうなんだ…)」


「(だが今日は…)」




と田原君が肩を外し、俺を見て、




「幼馴染くん、ちょっとOPEX教えてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」


「あ、田原ずりー! おれもおれも!!!!」


「い、いいけど…まぁ順番にやりましょう…。他の人の見ながら、き…聞いてるだけでも、結構わかることありますから…」




そう言って、俺は3人にOPEXを教えることになり、順番にプレイしている横で、俺が指示する形でOPEX講習会になっていった。


もう夜中になるというのに、本当に元気なのだ…。




『あ、そこ飛び出さないで、かなりの確率で敵来るんで』

『お…おう……おお、まじで出てきた! やべええええええ』




みたいなテンションで結局俺達は徹夜した。

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