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一緒ならいいよ

そして次の日、待ち合わせ場所のハンバーガーショップに莉乃愛と入ると既に直人が座ってた。




「な…なぜ…お前がりのあちゃんと一緒に来る……んだ?!?!」


「んーあー…」


「ま…まさかお前等付き合ってるのか…?!?!」




と、俺の話をさえぎって直人が話してきたので、




「あー…」




と、俺が話そうとすると、今度は莉乃愛が、




「わたし達一緒に住んでるの!」




と、遮り、更に腕を組んできた。




「っつ…な……」




と、直人が絶句した…。




「ちょちょ! りのあ! そんな誤解しか産まないような断片情報を!」




と俺は言って、組まれている腕を抜きつつ、




「と…とりあえず、事情があるから話すからちとまずは頼んでくるわ」



「…お…おう、わ…わかった……」




そう言うと、俺は莉乃愛と二人で注文しに行き、受け取ると直人の座ってるテーブル席に行き、あらかたの事情を話した。


胸を揉まれた云々は話さなかった。なんか直人に莉乃愛が下賤な目で見られたら嫌だなと思ったからだ。


直人、下賤だし。




一通り話を聞いた直人は、




「なんか、あれだな、衝撃的な展開だな」


「俺もびっくりしてるよ」


「ん! あっ、だから髪の毛切ったのか!」


「いいでしょ! わたしが魔改造した!」


「いいね! りのあちゃん流石!」




と、二人で話し出したので、俺は頼んだハンバーガーを食べだした。




「しかしなるほどなぁ~、まぁでも家近くなったし、これからはもうちょっと会えるね!」




と、直人が莉乃愛を見ながら言うと、




「そうだねー! あっくんと一緒ならいいよ!」


「俺を巻き込まないでよ…」


「えー、りのあちゃんこいつなしでもいいじゃんー」


「えー、あっくんはわたしが他の男と一緒にいても、何とも思わないの~?」


「いや、俺が関与するような話じゃないでしょ…」


「…そうやってまた私を疎遠に…」




と、下を向いた。


いや、チラってこっち見たの見えてたからね????




しかし、それでもいいとはとても言えないので、




「…はぁ……、直人、俺と一緒ならりのあに会わせてやるよ」


「まさかのお前の許可制かよおおおおおおおお」


「すまんな…そういうことだ」




その後、普段の湯月家での生活はどんな感じとかを、主に直人と莉乃愛が話していた。




そして、もうすぐ夕方だしとお開きになり、俺は莉乃愛と一緒に駅に向かい、家に帰った。


家に帰り、自分の部屋で少し勉強をしていると、直人からメッセージがきた。




『二人で一緒に帰るとか羨ましすぎるんだが』

『いや、しょうがないじゃん』

『そうかもしれんが…』

『お前なんとも思ってないの?』

『なにが?』

『え、家にりのあちゃんがいること』

『母さんは喜んでるしいいんじゃない?』

『ええ、まぁ、とりあえずいいか…』

『よくわからんけど、そういうことだ』

『俺は西の中里を頑張る』

『連絡先聞けたんだ』

『45万』

『ご愁傷様』




そして俺は予定していた個人勢の方との配信時間となったので、配信の準備を始めた。



ゆきはさんのプラチナ道を再開してから、以前ご一緒した個人勢の方からお声がけ頂くことも多くなり、「白風さんのことは知ってたんですか~?」とか色々聞かれたりもした。

 

雪菜さんに連絡し、どう回答したらいいか事前に聞いており、『事務所の人に聞きましたが、相談されていたことぐらいは言ってもらって大丈夫ですよ~とのことでした!』と回答をもらっていたので、「どうしようかと相談はされましたね~」と話していた。


そうすると、実は…と配信後に相談されることが多くなった。


どうも個人勢のバーチャル配信者の方々に、現在様々な事務所のアプローチがホットになっているようだ。


そして聞いていると、それらが全て転生告知を前提としている。



まぁ、雪菜さんがあれだけ話題になれば、自分の事務所でその流れを作りたくなるか。



と、思いつつ、当たり障りない感じで相談にのったりもした。




「ありがとうございました~またお願いします~。では、俺の配信も今日はここで終わりにしますー。ありがとうございました!」




と、配信を終わらせ、キッチンからお茶を取ってきて、ドアのホワイトボードを取った。


莉乃愛に配信していることがばれていたようなので、最近は立入禁止ではなく配信中と記載したホワイトボードをかけるようになった。




そして配信も終わって一息ついていると、ドアがノックされたと思ったらバンっと開けられた…。




「りのあー、ノックしても開けちゃったら意味ないじゃんー…」


「そういうもん?!」


「多分…」


「ところであっくんさ、次の休み暇でしょ?」


「えぇ? まぁ配信するぐらいしか予定はないと思うけど…」


「だと思った! じゃあさ、勉強教えて!」


「ええ? ああ、期末テストか…」


「そうなのだよ~」


「うちの高校はもう模試が中心で定期テストってないからな。そういう時期か」


「そうなのだよ~。そしてわたしは困っておるのだよ~」


「りのあって勉強苦手なの?」


「んーーー、あっくんよりは苦手!」


「全然わからない…前のテストで一番悪い点数何点だった?」


「前のテストか~…んーっと数学の28点かな!」


「ちなみに一番いいのは?」


「国語の51点かな!」


「…」




そうドヤ~っと莉乃愛は言っているが…。




「まじか………」


「ということで、お願い! 高校最後の夏休みに補講は嫌だぁぁ」


「あーうん、いいよ、わかった」


「本当? ありがとー!」




そう言うと、莉乃愛は自分の部屋に戻っていった。


28点て…。


俺は逆にその点数をどうやってとったらいいかわからないよ莉乃愛…。

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