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【菅谷莉乃愛視点】一生家族

「はーい、Rinoちゃんじゃあ今度はこっちの方見ようかー! そうそう!!」




わたしはカメラマンさんに言われた感じでポーズを変える。




「はーいオッケー!!! これで終わり―! お疲れ様!」


「おつかれさまでーす!」




今日はモデルの撮影に来ている。




「Rinoおつかれー」


「華蓮ありがと!」




撮影スタッフさんの後ろで待っていた華蓮が水をくれた。




「今日はこの後予定ないけどどうするー?」


「んーそうだなー、ロウンドワンでも行く?」


「えー、あたし今日スカートなんだけどーー」


「わたしショーパンだしよゆー!」




そんなことを話しながら控室に二人で戻る。


撮影用の洋服から、着てきた洋服に着替える。




「てか、りのあ、あっくん本当によかったのー?」


「よかったってー?」


「りのあも好きなんでしょ?」


「んーまぁそうなんだけど、家族だからさー、まじでわかんないんだよね」


「まぁでも確かにそれは難しいけどさぁ。でも実際は違うわけじゃない?」


「まぁそうなんだけどさ。わたしがもし実際は違うってのを強く思っちゃうとさ、大好きなお父さんとお母さんのことを家族だって思えなくなっちゃいそうでさー」


「なるほどねぇ」


「わたしにとっての本当の家族はもうないようなものだけどさ、やっぱりあっくんの家がわたしに家族を教えてくれたからさ、なんか大事にしたいんだよね」


「うーむ…」


「それに言いたいことは言えたし、なんか逆にすっきりしちゃった! わたしとあっくんは一生家族だし!」


「まー、そだね! てかあたしもりのあと家族がいいー!」


「えー、ガチで養子取ってもらう?(笑)」


「んーでもなぁ…」




何かを考えるように腕を組む華蓮。


ま、まさか!!!!!!




「華蓮! もしや好きな人でも?!」


「え、あ、いや! 好きってかなんだろ? んー気になる? 好きって難しいな!」


「だよねー…てか、えぇ!!!! まじ?!」


「あーうん。アークと一緒にゲームやってたgoodさんってプロゲーマーさん覚えてる?」


「あぁ! なんかアークと一緒にゆきはをストーカーから助けてた人だね!」


「そうそう。何回かご飯いってるんだけどさ、いいかもなーって?」


「まぁじ?!?! どこで知り合ったのそれ?」


「ええ? MSHが大会の解説お願いされたときについてきた」




と華蓮が言うと、なぜか顔が少し赤くなった。




「華蓮、顔赤いよ?」


「え、な、なんでもない!!!」


「えぇー? なになにー(ニヤニヤ) おじさんにも教えたまえー」




そういってわたしは華蓮の腕をぐりぐりする。




「なんでもないー!!!!!! りのあ行くよほら!!!」


「えー教えてよーケチー」


「内緒!」


「秘密はんたーい!」




そんなことを話しながらわたし達は控室を出て、撮影スタッフの方々にお礼を言って外に出た。



華蓮に今までそういう話無かったからなぁ。


なんか少し楽しみかも!


中学からずっと一緒にいてくれて、いつもわたしを支えてくれた。


本当に何でも話せる大親友だ。




あっくんのことは、何にも思うことがないかと聞かれればそんなことはないけれど、やっぱりわたしは家族に苦しめられて、あっくんの家族に色んな意味で助けてもらったから、大事にしたいんだよね。


あっくんのことはこれまでもこれからも多分好きなんだと思う。


でも、兄貴の件で助けてもらったあの時に、プリンセスはもう王子様に家族として迎えてもらってたんだ。


そもそも、誰もあっくんをもらってくれる人がいないなら、まぁ都合よくわたしは法律上家族ではないからもらってあげようかなとは思ってたけど、でもそれぐらいでしかなかった。



あっくんとはこれからもずっと家族だ。


それに雪菜もそうなる。



きっと華蓮もずっと一緒にいてくれるし、楽しそうだな!!!




「迎えに来たよー」




スタジオの外に出ると、車の運転席から直人が声をかけてきた。


あ。


直人忘れてたわ。




「おー気が利くね! 社長!」


「ねー直人聞いてよ!! 華蓮に好きな人が出来た!!!」


「まじ?!」


「ちょ、りのあ!!!!」




わたし達はそのまま直人の運転する車の後部座席に乗り込むと、




「華蓮ちゃん相手は誰だ! お父さんは聞いてないぞ!!!」


「えー直人がお父さんはちょっとやかも。めっちゃいっぱい子どもいそうじゃん」


「それなー」


「ちょ……俺大学入ってから、女の子と遊びに行ったことすらないんですが…」


「あー!!!! 運転手さんそしたら海へ!」


「はい?!」


「直人前に行きたいって言ってたじゃん? わたしも華蓮もこの後予定ないし、海行こうよ! 水着ないけど!」


「それはありよりのあり!!!」


「俺仕事あるんだけど?」


「社長だし別にいいでしょー! レッツゴー!」


「うぅ…了解」




直人はそう言うと仕事の電話をして、ナビをセットして運転しだした。




「あ、りのあちゃん、そう言えば、凜香さんから脱毛サロンのイメージキャラクターの話が来てたんだけどさ、断っといたよ」


「おお? そなの?」


「うん。だって、脱毛って、毛が抜けるか抜けないか人次第みたいなところあるからさ、りのあちゃんのスタンス的にそういうもののイメージキャラクターになるのはいまいちでしょ? 多分抜けるって言って欲しいって言われるし」


「あぁ…それはちょっと無理かもなぁ」


「だよね。動画配信者はまだ芸能人とは違ってなんでもやってくれるって思われてるからさ、今回はお断りしておいた」




直人は運転しながらそう言った。




「あーうん。ありがと…」


「あーそれと、この前お願いされてた動画配信者とのコラボなんだけどさ、調べたらさ自分達の方が少し登録者数が多いから、それをうまく使ってどうもりのあちゃんに近づきたいんじゃないかと思うんだよね」


「まぁじ?」


「うん、結構女癖悪いみたいで、他の動画配信者の事務所の人もそう言ってた。だからお断りしておいた。そう言うやつ嫌いでしょ?」


「そ、そだねー」


「あーあとあと! 逆にりのあちゃんが好きな化粧品ブランドになんかやりませんかって話したら、新商品の発表パーティーに呼ばれたよ!」


「えー! なんか楽しそう!」


「あーそれと、りのあちゃん個人用のクレジットカードできたから後で渡すね。Rinoチャンネル用は念のために華蓮ちゃんに渡しておくから」


「おー! ついに! 不便だったんだよねー!」




すると横に座る華蓮が、




「まじ直人万能すぎんだろ」




と言った。


まぁまじでそうなんだよね。


本当なんでもできる。


あっくんは限られたことが死ぬほど得意なタイプだけど、直人はなんでも人並み以上にできる。


まじでできないことなんてないんじゃないかと思える。


しかも最近は仕事をしているせいか昔みたいな軽い感じもなくて、まじでただのイケメンで仕事ができてわたしの事をよくわかってくれてる人だ。




「えぇ?」


「あっくんの側にいるとさ、あっくんが一点突破しすぎてて直人の万能感霞むけどさ、直人ってまじなんでもできるよねぇ」


「そ、そう?」


「太田さん達も言ってたよー? 彼女募集中ならまじで立候補したいって」


「お、おう…それは嬉しいね…」




それはなんか少しムカつくな。




「直人! 許さんぞ!」


「はい?」


「他の女を目にいれたら裏切りだ! 解雇する!」


「ええ?」


「あれあれー?(ニヤニヤ) りのあまさか嫉妬?」


「そ、そんなんじゃないが、なんかムカつくからダメ!」


「え、俺今後どうしたらいいのそれ…え、てか今から海行ってそこに女の人いたらどうしたらいいの?!」


「わたしと華蓮だけを見ていればいい!!」


「まぁそれはありだな。んじゃ穴が開くほど二人を見てるわ!」


「えー!! あたしはやだ! 好きな人いるんで!!!」


「やっぱり好きな人なんじゃーん!!!!!!」


「てか誰なんだよそいつはー!!!!」




そんなことを車で三人で話しながら、その日は海に行った。


これからも、こうやって皆と楽しく、あっくんとあっくんの家族と幸せに暮らしていけたら最高だ!!!

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