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閑話【good視点】反則だ

すいみません、1話が長くなってしまっています。

切るのもどうかと思いまして…

『shunさん相談したいことがあるんですが』

『んだよ』

『ボイチャいいすか?』




するとshunさんからボイチャが飛んできた。




「なんだよ相談て」


「shunさん、俺はどうしたらいいすか」


「何がだよ」


「あの、以前アークのOPEX講座に参加してもらった時覚えてますか?」


「あー覚えてるぜー。あの司会の子可愛かったよなぁ」


「あの子、今アークと日向ゆきはさんのマネージャーになってました」


「まじ?!」


「この前、MSHに解説お願いする為にカッキーさんとVゲージ行ったんですが、その時に出てきました」


「どうだった?」


「死ぬほどかわいかったっす。てかまじで死ぬかと思いました」


「ぶははははははははは!!!! それ俺も行きたかったわー!!!!!!!」


「そ、それでですね、大会の詳細やり取りする為にってグループLimeが繋がってしまいまして…」


「Lime送れんじゃんーーー!!!!!!」


「そうなんす…アークからも頑張ってくださいねって言われてて、まじでどうしようかと…」


「ちょ、goodガチなん?!」


「いや、え、俺今までゲームばっかりでこういう経験ないんでわからないですが…正直好みでしかないです…」


「まーーーーーーーじーーーーーーーーーー!!!!!! ウケんだけどwwwwww」


「ちょ、ちょっと茶化さないで下さいよ!」


「いや、ぶはは! これは笑わずにはいれねぇ…!」


「shunさん結婚してるし、こういう場合どうしたらいいか相談したく…」


「んなもん連絡するしかねーだろ」


「な、なんて…」


「んなもん知るかよ(笑)」


「そんなぁ…」


「まぁ可愛い後輩の相談だしな? 相談にのってやるか。ちなみにどんな性格の子だった?」


「そうですね、陽キャでコミュ力高くて表裏なくて真っ直ぐって感じですかね…」


「あーんじゃ、俺等みたいにウダウダ考えたって無駄だ。ダメならいつまでたってもダメだし、いいなら別にいつでもいい。多分そんな感じだろ」


「そ、そんな行き当たりばったりな! も、もう少し、安地に先入りして情報集めるぐらいの計画性は持てないんすか」


「無理だな。俺も見たことがあるあの子の感じと、お前の言う性格を掛け合わせると、ああいう子はもう俺等のロジックの外にいる」


「ロジックの外?」


「あぁ、例えば俺らが安地に先入りして情報集めたとすんじゃん?」


「はい」


「いきなり安地内の地面の中から出てきたりすっから!」


「そんなめちゃくちゃな!」


「え? 地面だし普通掘れるでしょ! みたいな、そんな感じだ」


「なるほど…わからなくはない……」


「だから、ここはウダウダ考えても無駄。とりあえず、あいさつ程度に連絡してみろよ。興味もなければ、社交辞令的な『よろしくお願いします』ぐらいしか返ってこねーから」


「うっす…」


「いや、しかしうけんなー!!!! まじでそれ結果教えろよ! あしらわれたら慰めてやんよ!!」


「うっす…」




そう言うとshunさんはボイチャから抜けた。




まじでどうしよう。




産まれてから23年。彼女なんていたこともない。


というかそう言う年頃の殆どの時間をFPSゲームに費やした。



お陰で今ではプロゲーミングチームに所属できて、色んな大会にもこれまで出てきた。



動画配信がメジャー化してからは、チームメンバーも皆配信をやりだした。


プロゲーマーの配信はそこそこ需要があるようで、俺のチャンネルもそれなりに多くの人に見てもらえるようになった。



俺の流れが変わったのはダマスカスがOPEXの大会を開いてからだ。



OPEXは多くのバーチャル配信者もやっていて、その人たちも招いた大会だ。


ナナイロの大物配信者の参加も決定して、開催前から大盛り上がり。


俺もチームリーダとして、バーチャルの人と動画配信者の人とチームを組んだ。



そして初戦、0キルであっけなく死んだ。



まじでどうしようかと思った。


俺一応プロだぞ?! こんな序盤で!!


てかアークってやつまじでギリギリの作戦考えてきやがったな!




そんなことを思いつつも、必死に考えそれ以降の試合に臨んだ。




そして大会が終ってから、俺は初戦の事が話したくてアークに一緒にOPEXやらないかと連絡したら、OKだと返事が返ってきた。


そこからだ。


アークとはうまもあって、それ以降定期的にランク配信をした。




そして、色々やり取りはあったが、日向ゆきはさんの配信が荒れた時に助っ人参加して、そこから一気にチャンネルの登録者数が増えた。


ゴースティングチーターとやりあったりもして、明らかにゆきはさんの視聴者さんらしき人も見てくれてコメントをくれるようになった。




それからは配信の頻度も増やし、俺がナナイロの方とご一緒していたということもあって、他の事務所のバーチャルの方にも誘われるようになり、俺はプロゲーマーと言うより動画配信者としての色が強くなっていった。


今では次の大会に出ないことを決めて、配信を充実させることをメインで考えている。



そして俺はMSHに第2回大会の解説をお願いする為にVゲージに行った…。




三好華蓮さん…。




アークのOPEX講座に参加した時に本当に可愛い人だなって思った。


明るいし元気だし、そ、それに可愛いし…あんな子に応援してもらいたいなって思った…。





連絡しろっつってもなぁ。


俺はスマホを持ちながら落ち着きなく部屋を歩き回る。


しかしshunさんが言うことは尤もだろう。


なんせ俺には女性経験と言うもんがないからな。


話せないわけじゃないけど、そもそも女性をそういう対象として見たことがなかったから、まじで初恋レベルなんだよな…。




やるしかない。



今俺はロングのレジェンド武器を持ってる。弾は残り一発。他は何も持っていない。


ヘッショ当てれば勝ち。


外したら負け。


そういう状況だ。




俺は意を決して三好さんにフレンド申請を送った。


信じられない程にドキドキしていると、フレンドに追加された。




俺はすぐさまトークで、




『goodです。よろしくお願いします!』




とメッセージを送った。


するとすぐに、




『よろ!(スタンプ)』




と返ってきた。


こ、これはどっちだ!!!!!





俺は再び頭を悩ました。


そうしているうちに返事をするタイミングを見失い、大会を迎えた。


グループチャットでは普通に話せていたし、嫌われてるってことはないだろう…きっと……。



そして大会では、俺はプレーしてたからわからなかったが、大会でどうも日向ゆきはさんというか、日向ゆきはさんの中の人のYukiさんに向かって誹謗中傷がされていたようだ。


大丈夫だろうか。


三好さんゆきはさんのマネージメントしてるって言ってたし…。


そして大会の翌日、脅迫されているという発表があった。



個人名は書かれていないが、十中八九ゆきはさんだろう。


大事件過ぎる。


きっと今頃Vゲージはてんやわんやだ。




ど、どうする…。


三好さんに大丈夫か連絡してみようか…。


忙しいだろうし邪魔だろうか…。



いや、ここは攻めるのみ!!!!!!!




『大丈夫ですか? 無理されないでください』




忙しいのか中々既読にもならず、俺はOPEXのコラボ配信の時間になったので配信に集中した。


そして配信を終えてLimeを見ると返事が返ってきていた!




『めちゃくちゃ忙しい! 流石に疲れたかも!!!』

『少しは休んでと言える状況ではないと思いますので、落ち着かれたら何か美味しい物でもご馳走しますから頑張ってください!(ガンバレスタンプ)』




や、やべぇ!!!


勢いで言ってしまった!




すると返事が返ってきた。




『美味しい物!(スタンプ)』

『よろ!(スタンプ)』




おお、これが噂に聞くスタンプ会話ってやつか。


まさか俺が…。




そして数日経つと、問題が解決したというような内容の発表があった。


ゆきはさんとは何度かご一緒しているし、本当に何事もなくて良かった。




そんなことを思いながら、俺は今日予定していたまりんさんのコーチングを終えてボイスチャットを切った。




するとLimeにメッセージが来ていた。




『落ち着いた!』

『美味しい物!(スタンプ)』

『よろ!(スタンプ)』


『お疲れさまでした!』

『オッケーです!』

『ご都合のよろしいタイミングにあわせます!』


『今日!』




俺は固まった。


今日?!


確かにまだ夕方前だけどさ!


今日?!?!?!




『了解しました(スタンプ)』

『何時がいいですか?』


『20時! 新宿希望!』

『後は頼んだ!』

『お願いします(スタンプ)』


『了解!(スタンプ)』




やべぇやべぇやべぇやべぇやべぇやべぇやべぇ…やべぇ!!!!!!!!!



俺は大急ぎでshunさんにボイチャを飛ばす。




「んだよ、配信中だぞ」


「は、配信中すか…例の件で進捗が…」


「あぁ? 例の件? あぁ!!! 三好さん?!」


「うっす。大変そうだったんで、落ち着いたら美味しい物ご馳走するから頑張ってくださいって言っておいたら」


「おう?」


「落ち着いたからご馳走しろと」


「まーじー?! それあり得るんじゃね?!?!?! いつになったん?」


「…今日って…shunさんやばいっすどうしましょう!!!!!!!!!!」


「ぶははははは!!!! 今日!!!!!!!!!!!!! やっぱりロジックの外から来るなー!!!!! 流石だわー」


「み、店とか俺全然知らないんですが!!!!!!」


「待て待て、配信中だから、ちとキリいいところで終わらせるから…このボイチャで相談しとけ」




そういうと、カッキーさんがボイチャに追加された。




「カッキーさん、俺配信中なんで手短に話します。三好さんgood今日」


「え?」


「んじゃ配信終わったら参加するんで!」


「ちょshunさん!」




するとshunさんはこのボイスチャットをミュートした。




「good三好さんと今日何かあるの?」


「あ、いや、ゆきはさんの件で大変そうだったんで落ち着いたら美味しい物ご馳走しますから頑張ってくださいって前に連絡したんですけど、そしたら落ち着いたから今日美味しい物ご馳走しろと」


「あはははははは! 今日ってところが、三好さんらしい!!! てかgood連絡する根性あったんだねぇ!」


「shunさんに相談しました…」


「あはは! んで店も知らなけりゃ服もどうするかと」


「そっす…」


「あはは! んじゃまず店決めようかー…」




そうして俺はカッキーさんとまず話し、途中shunさんが戻ってきてからは3人でどこの店でどんな感じで行くかを相談した。







待ち合わせの20分前。


俺は予約した韓国料理屋の前に立っている。


ちと早かったか?


しかし三好さんを待たせるわけにはいかない。


暫く待っていると、




「あー! goodさんおっつー!」


「こんばんわです」




そう言いながら向こうから手を振って歩いてくる三好さんは、ジーンズ生地のショートパンツに大きめのTシャツを着てキャップを被ってる。


やっべーーー…。


可愛すぎる…。




「韓国料理とは中々いいチョイスじゃのー? 辛い物好きなんだよねー!」




と俺の目の前に来た三好さんは肘でコンコンと俺の腕をつつく。




「よかった…。ぶ、ぶっちゃけ、カッキーさんに相談しました…」


「あはは! まぁそれも一つの選択! お腹すいたー! 行こっ!」


「うっす」




ルンルンと言った感じで歩く三好さん。


いや、待ってよ。


可愛すぎて、俺もう死にそうなんだけど……。




「あ、予約した一之瀬です」


「一之瀬様ですね? ご案内します」




そう言われて、店員さんの後をついて行くと、




「goodさんって一之瀬って言うんだぁ」


「あ、うん。一之瀬亮太だよ」


「へぇ、じゃあ亮太だね!」


「う、うん…」


「あたし三好華蓮! 華蓮でいいよ! よろしくね!」




三好さんは俺の横でそう言うと、ニコッとこっちを覗き込むように下から見てそう言った。




あぁ、可愛すぎる。


これは反則だ。


最高級チート全積みのチーターより反則だ。




俺はそんなことを思いながら、華蓮さんと韓国料理屋で初めてご飯を食べた。



ちなみに味は全くわかりませんでした。

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