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豪快

それから数日経ち、日向ゆきはの顔出し配信は大きな話題になった。


SNSでは、肯定的な意見が多いが、中には否定的な意見もあるようだ。


日向ゆきはは、これまで雪菜さんの性格もあってかあんまり荒れることがなかったから大丈夫かなと思ったが、莉乃愛から完全スルーだよそんなん! と言われているようで、特に気になっていないと言っていた。



まぁ日向ゆきはのSNSには応援するとかそういう意見が多いから、別に周りが何を言おうが、ゆきはさんとその視聴者さん達がいいのであれば、問題ないだろう。



そんなことを思いながら、研究室に行こうと準備をしていると莉乃愛から着信が来た。




「どうしたの?」

「あっくん今からパーティールームで幼馴染チャンネルの撮影だから!」

「えぇ?」

「あっくんの予定が大丈夫なことは知っている!」

「華蓮だよー!」




俺は頭を押さえた…。


そりゃ華蓮さんは俺のスケジュール知ってるよな…。



一応コラボ配信等はスケジューラーに予定をいれて華蓮さんに共有している。


アークのコラボは勝手にやっていいと言われているので、事務所に所属する前と変わらず俺が話してる。


まぁ別に「いついつ空いてるー?」「空いてますよー」ってだけだから、やってもらうってほどでもないんだよね…。




「わかったよ…」

「あ、ご飯とか食べてこないでね!」

「あ、うん?」

「じゃ!」




そう言うと通話は切れた。


俺は、「はぁ」とため息をついて諦め半分でパーティールームへ向かった。


折角この後研究室行ってプログラムやろうと思ってたのに…。



そしてパーティールームに入ると、今日はギャラリーが多いことにびっくりした。


カメラに映らなそうな位置に、凜香さんに直人までいる。


そして、いつものテーブルが横並びにされており、カセットコンロが一つずつ設置されている。




「な、なにがあるの??」


「これから幼馴染チャンネルの撮影!」


「う、うんさっき聞いたけど…」


「今日は料理対決!」


「りょ、料理?」


「そう! でもアークは試食係! 今日は特別ゲスト!」




莉乃愛がそういうと、パーティールームの奥から雪菜さんが出てきた。




「アークさんこんにちは…」




と少し恥ずかしそうに言う雪菜さん。




「同じ事務所に所属する、特別ゲストのYukiちゃんです!」


「よ、よろしくお願いします…」




莉乃愛が元気よく言い、雪菜さんが少しもじもじしながら言った。


すると華蓮さんが、




「Yuki緊張してるねーー!」


「だ、だってこういうのは初めてだから…」


「あ、ちなみにあたしはYukiのマネージャーでもありますので、皆さんよろしくねー!」




と華蓮さんが端からカメラに手を振りながら言った。




「ほらYuki緊張してると怪我するよ?!」


「そ、そうだね」




そういうと雪菜さんは深呼吸して、




「よーし! よろしくね!」


「んじゃ今日は、わたしとYukiの料理対決!」


「お、俺は食べればいいの?」


「そう!」


「だ、大丈夫?」


「大丈夫ってどういうこと! 大丈夫だよねYuki?」




莉乃愛が少しぷんぷんしながら雪菜さんにそう聞くと、




「あ、うん…。別にそこまで得意ってわけじゃないけど、出来ないってわけでもないから…」


「ふふふ、わたしもそんな感じ! はい、じゃあ、華蓮今日のお題は?!」


「今日のお題はー…ドコドコドコドコ、ドン! RinoがハンバーグでYukiが唐揚げ!」




ちょ、どっちもメイン料理じゃん…。


そんなのこんな時間から食べるの??!!




「ではスタート!!!!!」




始まってしまった…。




「えーそれでは、今日は華蓮リポーターが調理の模様をお送りします!」


「さーてまずはゲスト参加のYuki! おっと調味料を準備している! 勉強してきたんですか?」


「う、うん…昨日試しに作ってみたから…」


「おっとなんと試作済み!! これは期待できる!!!」


「ハードル上げないでよーーーー」


「さて、Rinoはどうか? おーっと玉ねぎを切ろうとしている!」




俺は華蓮さんの実況にあわせて莉乃愛を見ると…



危ねぇ!!!!!


危なすぎる!!!!!!!!!!!



なんでそんな持ち方になるの!!!!!




「Rino危ないよそれ!」




と華蓮さんが言うと、莉乃愛はドンッと玉ねぎを半分に切った。


ドンッって…。




「え?」


「いや、Rino普通に見てたらあぶない!」


「華蓮も変わらないでしょ!」


「そうだけど! あたしは今切ってないから!」


「ちょ、り、Rino俺玉ねぎ切るよ…」




俺が莉乃愛にそう話しかけると、




「え、アーク包丁使えんの?」


「少なくとも怪我をしない程度には使えるかと…」


「えーんじゃおね!」




そういうと莉乃愛は包丁をまな板の上に置いた。


俺は慣れない手つきではあるものの、莉乃愛よりははるかに安全に玉ねぎを切って、そのままみじん切りにした。




「こ、これぐらいでいい?」


「オッケー!」




そういうと莉乃愛そのみじん切りをフライパンにいれた。


俺はひとまず大丈夫かと思い席に戻ろうとすると、




「まさかのRinoが危険すぎて、アークの神の手が出てしまった! これではYukiが不利になってしまうかもしれないので、Yukiも一度だけアークを使っていい権利を渡します!」


「え、いや、不利になる?」


「だって自分で作ったものは美味しいって言うじゃん!」




華蓮さんは大まじめにそう言った。


いやいや…。


玉ねぎ切っただけだよ?


それ自分で作ったって認識できなくない…。


俺はそんなことを思いつつも、もう動画も回ってるので止まれないので、




「そ、そう…。Yukiさんも一回なら手伝いますので言ってください…」


「あ、本当ですかー? そしたら揚げるときに手伝ってもらおうかな?」




雪菜さんはそう言いながら、鶏肉を切っている。



そしてその後調理が進んでいった。


とりあえず、莉乃愛は何をやるにも豪快で、作業一つで笑いが起こる。


お餅じゃないんだから、そんな叩きつけなくてもいいんじゃない…。


雪菜さんは堅実な感じで、どこかのお嬢様が料理をしているようだ。



そして、雪菜さんが唐揚げを揚げる段階になると呼ばれた。

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