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c

雪菜さんにゴースティング対策として、ヘイトの矛先を変えることを提案した。


正直プログラムを勉強しだしてから、配信を忘れてしまうこともチラホラあったし、今後は不定期にしていこうかと丁度考えていたところだった。


だから俺に矛先が変わったとしても別にいい。


まぁ、不定期予定じゃなくても雪菜さんが楽しくできるならいいけど。




ゆきはさんではないにせよ、アークもそこそこ登録者のいるOPEX配信者だ。


なんなら個人勢のOPEX配信者の中では、今やトップの可能性すらある。




恐らく俺が気付いてない感じで煽れば、本アカかそれに準ずるデスト帯のキャラで来るはずだ。


そうすれば、きっとゆきはさんから矛先が変わる。



一度俺に矛先を変えた後に、逆にゆきはさんに戻ると、恐らく「デスト帯では勝てないのか」と視聴者さん達にこれでもかと煽られるはずだ。



すると、愉快犯は愉快などころか、不愉快な思いをしながらプレーすることになる。




そうなればこっちのものだ。




「こんゆきー! 今日は耐久配信ぶりにアークさんとOPEXを配信しようということになりまして、アークさんとの配信です! よろしくお願いします!」


「アークですこんにちは。今日特に何かあるわけではないのですが、たまには何もないときにまったりやりましょうとゆきはさんから頂きまして、参加させていただきます。よろしくお願いします」




『アーク久しぶり』

『耐久良かった』

『まりんちゃんは来ないの?』




「あ、MSHの配信は今まりんさんと相談してまして、どこかで一度ちゃんと告知してやろうと思っていますので、その時までお待ちください!」


「あ、MSHやるんですね?」


「あ、まりんさんとだけ相談してました…」


「俺は…」




『アーク暇だろ』

『女の子の予定に合わせるの当たり前』

『まりんちゃんとゆきはちゃん優先』




「うぅ、いつもながらゆきはさん視聴者さん達は俺の扱いが雑なような…」


「そ、そんなことないですよ!」




俺は自分の配信の方を見ると、




『なに自分の意見言おうとしてんだ』

『ヘタレのくせに』

『流されに流されろ』




「俺の視聴者さんも変わりませんでしたわ…(笑)」


「そうみたいですね(笑)」


「では、とりあえずカジュアル行きながら何するか決めましょうかー」




そう言うと、ゆきはさんはカジュアルの試合を開始した。


ここまでは打合せ通り。


どちらの視聴者さんからも若干雑な扱いなのはちょっと違うのだ…。



そしてこのカジュアルの試合中にナチュラルな流れで相談してもらって、俺が淡々と煽っていく予定である。




「そういえば最近はランク配信あまり多くないですねー」


「そうなんですよー。必ずではないんですが、最近それこそ3回に2回ぐらいはゴースティングされてまして…」


「あぁ…この前配信見た時ゴースティングされてるみたいだったんですが、あれいつもなんですね。しかし珍しいですね。ゆきはさんのランク帯で」


「そうみたいですよね。視聴者さん達もそう仰ってました」


「普通はデスト帯とかの有名配信者にやることが多いんですけどねぇ」


「そうなんですよー。何したいのかさっぱりでー」


「あ、そしたらこの試合終わったらランク行きますか?」


「ランクですか??」


「そうです! そいつらゆきはさんのランク帯でゴースティングしなきゃいけないぐらいの下手糞ってことですよね? 俺のランク帯には来れないでしょうし」


「サブ垢かもって視聴者さん言ってましたよ?」


「まぁそうかもしれませんが、プラチナ帯でゴースティングするレベルなんてたかが知れてますよ」


「そうですかね?」


「そうですよー。上手けりゃゴースティングなんてせずとも余裕なはずですからねぇ。器が小さいやつが粋がってるだけですねー」


「でも、私普通に足引っ張っちゃいそうで…。しかもデュオだから、野良の人も1人いるし…」


「まぁそこは俺が頑張りますし、ゆきはさんも本気でやってくださいね。ゆきはさんも本気でやれば俺やまりんさんと同じ速度で行けるんですから大丈夫ですよ」


「そうですかね…。では少し行ってみましょうか…。緊張しますが…」




『アーク今日めっちゃ言うやん』

『でもその通り』

『今日はアークの攻撃力が高い』




まぁこれぐらい言わないと俺にヘイト向かないしね。


さぁゆきはさんの配信を見ていてくれよ。


そして顔真っ赤にして俺に矛先を変えるがいい!!




そしてカジュアルの試合を終えて、デュオチームでランクマッチを開始した。




「お、マッチしましたね」


「私、スキャンでいいですか?!」


「大丈夫ですよー」


「お願い野良さん! スキャンはやめて!!」


「あ、次元っぽいですね」


「よかったー…」


「そしたら俺力士あたりで行きましょうかねー」


「ジャンマスは野良さんに渡します!」


「次元ですしね」


「では行きましょー!」




そして俺達は野良の次元さんがピンを指したところに降りていく。


野良の次元さんもん、ミスリルなので、結構うまい方だ。


さて、どうなのだろうか…。




「んじゃ俺こっちから漁り…後降り来た!! ゆきはさんの方!」


「え!」


「今行きます!」




すると、射撃音と共に一瞬でゆきはさんがダウンした。




「まじすか! 敵何人います?」


「えっと、一人は私の前でフィニキャンしてますが、もう一人はどこかに行きました!」



「あ、こっちきました! って、えー!!!!」




見えたと思ったら、一瞬で俺もダウンした。


俺はダメージログを見ながら、流石に予想外な展開にどうするか考え出した…。



その後しばらくすると次元さんもダウンさせられ、部隊は全滅した。



するとパーティ解散前に、次元さんがゲームチャットで『c』と記載してきた。




そうなのだ。


こいつチーターじゃん…。



まさかゆきはさんをゴースティングしてたのはチーターだったのか…。



俺は次元さんにゲームチャットで、『sry』と返すと『アークさん登録してます!』と返ってきたので、『ありがとうございます!』と返した。



最近はソロ配信をやっていると、パーティーが一緒になった野良の方から、こうやってチャットで話しかけられたり、ゲームのボイスチャットをやってるデュオチームと一緒になったりすると、「めっちゃ緊張する」なんて言われることが多くなった。



しかし、今回はこれどうしよう。


ゆきはさんをゴースティングしていたのが仮にあいつらだとすると、流石に野良の人は巻き込めない…。





俺とゆきはさんはロビー画面に戻ると、




「ゆきはさん、あれはチーターです」


「チーターですか?」


「はい。ほら、前にロイドさんと一緒に、初めてデスト帯のランクやった時にいた」


「……あーーーーーーー!!!! 確かにあんな名前だったかも!」


「はい…。しかも後降りできたんで、恐らくゴースティングしてます」


「え…ということは?」


「ゆきはさんをゴースティングしていたのは、あいつらのサブ垢で、本垢はこっちってことかもしれません…」


「ど、どうします…?」


「えっとですね…、流石に野良の人は巻き込めないので、少しお待ちいただいてもいいですか?」


「は、はい?」


「一人助っ人を呼んできます」




俺はそう言うとディスボをミュートにして、急いで別のディスボにメッセージを送った。

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