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【中里雪菜視点】声の主

『ゆきはちゃんまたやろう』

『もう一回聞きたい』

『最高だった』




とコメント欄はある意味大盛り上がりで、




「えーっと、萌え声はもうしません! 今日は200キル目標ですからぁ! もうアークさんー!」


「あはは(笑) すいません! では気を取り直して普通にデュオでいきますか?」


「はい! あ、ちょっと待ってくださいね」




ディスボにいくつかメッセージが届いていた。


他の配信者の方からだ。



皆さん、大丈夫なの? とか心配してくれている。


このまま視聴者さんにも他の配信者の方にも大丈夫なことを示さなきゃ。




「ちょっとメッセだけ返事していいですか?」


「大丈夫ですよー」




そう言って私は、『今のところ大丈夫です!』とか返事をしていると、まりんさんかメッセージがきた。




『参加しようか?』




まりんさんも大変だったからいいかもしれない。




「アークさん、一人呼んでもいいですか?」


「あ、俺は全然大丈夫ですよ」




そうして、私はまりんさんに招待を送った。




「やっほー! まりんだよー! 私は昨日配信してたから改めてになるけど、皆さんあけおめー!」




とまりんさんが入ってきた。




「まりんさんお久しぶりです」


「アークさん久しぶりー!」


「この3人でやるの本当久しぶりですね!」




『マリンスノーの箱舟再結成!』

『MSH WIN』

『これは良配信!』




とコメント欄は今度は違う形で大盛り上がり。


そしてその後、まりんさんと3人でマリンスノーの箱舟で配信した。




「さてもうちょいで100キル超えますねー」


「200って結構時間かかるんだねー」


「まだまだ頑張ります!」




そう言いながら3人で物資を漁ってると、恐らくアークさんのマイクから「あっくん」という声が後ろから入った。


視聴者さんも敏感に聞き取り、




『あっくん?』

『あっくん』

『アークか?』




確実にアークさんで声の主は莉乃愛ちゃんだ!


私は急いでディスボの個別メッセージでアークさんに連絡する。




『配信にりのあちゃんの声が入っちゃったよ!』




そう言うと、アークさんのキャラは止まった。


アークさんは壁の方を向いて暫く止まってて、私とまりんさんは漁り終わったので、止まっているアークさんのキャラの周りをぴょんぴょんしていると、




「す…すいません……戻りました……」


「大丈夫ですかー?」


「は、はい。俺実家なんですが、いつも配信中は配信中って書いたホワイトボード扉にかけてるんですけど、今日俺の方は配信もしてないので忘れてしまって…」


「あぁ、そうだったんですね」


「返事がないから心配して開けて呼んだみたいです…」




『結構若い声だった』

『兄弟?』

『正月だし従妹?』

『まさかの彼女?』




と、コメント欄は声の主の特定に入ってしまった。


これはアークさん困るだろうなぁ…。


私がそう思っているとまりんさんが、




「まぁまぁ、アークさんの女フラは置いといてさ、大会の時のキルムーブもう一回やろうよ!」




おぉ、なんて堂々としているんだ。


変に隠すから余計探りたくなるんだよな…。




「あ! いいですね! 同じ構成でやりましょうよ!」


「お、俺はいいですよ」




『最高』

『それ見たい』

『遅延ありだったからうれしい』

『アークの件は置いておこう』




まだ、チラホラ特定コメントは出てるけど、一気にマリンスノーコメントに変わった。


まりんさん流石配信者歴が長いだけあって、切り抜け方がすごいなぁ。


なんて感心しながら、キルムーブのピックをして試合に臨んだ。



そして3人でキルムーブしたが、敵が集まりすぎて、チームで9キルしたがすぐ負けてしまった。


その後、しばらくマリンスノーの箱舟で配信し、まりんさんがご飯食べるということで落ちると、今度は昔育成枠に参加した人達からも『参加できるよ』って連絡が来てた。


それからは、育成枠に参加した人たちをお呼びしつつ、かれこれ10時間強かかり、ようやく200キル達成した。




「おわったーーーーーーーー!」


「お疲れ様ですー」


「最後私でよかったのかなーーーーーー」




と言ったのは、最後ご一緒することになった、南雲リンカさんだ。


南雲さんも例の問題の対象になっていた方だ。




『いい配信だった!』

『なんかすごいよかった、色々』

『ないす~~』

『いい新年だ』




とコメント欄も前みたいにすごいいい雰囲気だ。




「えーみなさん、めちゃくちゃ疲れましたが…見てくれてありがとう!」


「んじゃ、俺はここでー」


「私もー! ゆきはちゃんお疲れ様! そしてなんかありがとう!」


「あ、いえいえ、リンカさんありがとうございました! アークさん本当にありがとうございました!」




そうして、投げ銭を読んだ後に配信を終わらせた。


疲れたーーーー。もうすぐ深夜3時だ。


こんな時間まで配信したことないし、こんな長時間も始めてだ。


でも変なコメントは、見てた範囲では一つも来てなかった。


ということはそういうことなんだろう…


でもこれできっと元に戻るしよかった。




しかしアークさん大丈夫だっただろうか。


アークさんと言うかりのあちゃんかな?


変にネットの人達に特定されたりして困らなければいいけど…。


まぁ一言だし大丈夫かな…。




そんなことを思いながら、長時間の配信に私は疲れ果てて、着替えることも忘れてベッドにもぐりこんだ。



色々あったけど、アークさん、何から何までありがとう…。


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