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【菅谷莉乃愛視点】センス良き

ふふふふふふーーー!


わたしはベッドに横になりながら、首にかけたネックレスのトップを持ち上げニヤニヤしながら見ている。



クリスマスプレゼントの交換で、あっくんがまさかのティフェニーを買ってきた。


あっくんが選んでくれたと思うとなんでも嬉しいんだけど、かなり可愛くてより嬉しい!



あっくんセンス良きじゃないか!




わたしはそう思いながら、スマホでRinoのSNSを開いた。


おぉー、相変わらずすごい数のフォローが飛んでくる。



彩春ちゃんと茜ちゃんのクラスの模擬店に協力して、写真撮影を一緒に行った人たちがタグ付けしてフォローしてくれてるようだ。




正直写真撮影なんてそんな需要ある? って思ってたけど、彩春ちゃん達のSNSの運用が非常に上手かったのか、当日はびっくりするほど多くの人が来てくれた。



茜ちゃんから、ブランドごりごりでって言われたから、お母さんから衣装代を出すと言われ一緒に買いに行った。


持ってるのでもなんとかなったと思うんだけどさ…。


結局メイクさんとかは美容室でやったので自分で出してしまい、お母さんがめちゃくちゃ寂しそうな感じになってしまったので、断ることもできなかった…。


お母さんわたしの服選んでる時めっちゃ楽しそうだったなぁ……。



最近ようやく少し慣れてきたけど、これが要はお金持ちの生活と言うものなのだろう。


正直どれぐらいのお金があっくんの家にあるのかわからないが、衣装代って言って30万とか出してしまうのはどう考えたって異常でしょ…。


あっくんの家にいると、そんな自分の感覚が間違っているのかと思ってしまうほどだ。




結局お母さんに買ってもらったDeorの洋服で、後は芸能人の人とか良く使う、度のはいってない大きな丸いだて眼鏡でイベントには出た。



あんな長時間Rino状態でいたのは初めてだから、結構疲れた。


本来のわたしであれば、いつもだったらあぐらとかかいちゃうし、短めのスカート履いてる時とかは正直パンツが見えてしまっていたりする時も絶対あるのだろうってぐらい、雑な感じなのだが。


Rinoはwiwiのモデルだから、座り方も綺麗だし、所作も大きくて勢いのある動きが少ない。


そして丁寧めの言葉遣い。



でも皆喜んでくれたみたいだし、食生活はどうしてるのかとか、化粧品は何を使ってるとか、色々美容に関することも聞かれた。




正直わたし何も特別なことやってないんだよなぁ。


食事もなんならあっくんより食べる。


化粧品は、撮影の時にメイクさんに教えてもらって言われたものをそのまま買ってるだけだし…。



それを皆に教えるってのもなんだか申し訳ない気がする。



wiwiに出てるわけだし、もう少し美容に気を遣ってみようかなぁ。


お母さんに相談すると、これ幸いとデパコスだらけになりそうで怖い…。





わたしは次の日学校に行き華蓮に相談してみた。




「ねーねー華蓮?」


「なぁにー?」




そう言って振り返った華蓮の首には昨日もらったネックレスがかけられている。




「華蓮似合ってるじゃんそれー!」


「でしょでしょ! りのあも可愛い!」


「ありがと!」


「そんでどしたの?」


「あぁ、わたしさRinoでイベント出た時、結構美容のこと聞かれたのね?」


「そうみたいだねぇ。昨日彩春ちゃん達が言ってたもんねー」


「でもさ、華蓮もご存じの通り、わたしもなんもやってないわけよ?」


「そうだね(笑) わたしも何にもしてない!」


「もう少し美容に気を遣った方がいいのかなぁって」


「あーねー。りのあがそういう道に進むのなら必要かもねぇ」


「やっぱりかぁ」


「あー!!! そしたらあたし美容の専門学校行くわ!」


「華蓮が?」


「そう! そしたら、わたしが詳しくなってりのあも綺麗になるじゃん!」


「それ結局、メイクさんが華蓮に変わるだけじゃん(笑)」


「あたしはりのあと一緒にいたいんだよぉぉぉ!」




と華蓮は抱き着いてくる。




「ちょ、ちょっと、華蓮ー。でもありがと! そしたらわたしは華蓮と一緒にいれるぐらい稼がなきゃだねー!」


「りのあなら余裕!」


「頑張るわ!」




と二人で話していると、田原が大きな荷物を持ってクラスに入ってきた。




「皆! イベントありがとう! おかげさまでぶっちぎりの1位だった! 本当に感謝してる!」




と、教卓に荷物を置いて言った。




「いいぞー。バイト代も出たし、結構楽しかったしー」




と3バカの一人が言うと、皆口々に「楽しかったよね~」みたいな感じで話し出した。




「まぁバイト代はあれとしても、今回クラスの皆に親父からお礼でパンを持ってきた! 当日は全て売り切れて食べれなかったであろうOPEXパンだ!」




そういうと田原はパンを一つ取り出した。


なんか爆弾みたいな形のカレーパンらしきもの。




「おお! 今SNSで話題の元祖OPEXパンじゃんー!!!!」




と男子が言うと、皆がわらわらと集まっていった。


そうなのだ。


ベーカリーTAHARAが当日販売したOPEXパンは、その完成度の高さと以外に味も美味しいということから、結構SNSに投稿されている。


そして「私も作ってみた」みたいな感じでOPEXパンを作ってSNSにあげる人まで出てきている。


そしてベーカリーTAHARAには、OPEXパンは売ってないのかと問合せが来たり、店で質問されることも多いらしい。




「売上も過去最高で、親父がまじで感謝してるから、皆好きなだけ持って行ってくれ!」




すると華蓮が聞いてきた。




「りのあいるー?」


「いやぁ、わたし家で結構食べたからな…」


「んじゃあたしもらってこよーっと!」




そう言うと華蓮もみんなの所に向かった。



ベーカリーTAHARAからあっくんへのお礼でOPEXパンめっちゃ送られてきて、結構食べたんだよね…。


だって、4人家族で食べるような量じゃないんだもん…。


どこの学校に送ったんだよと…。


あっくんなんて1個食べて、もう無理って言ってたし。




あっくんはもう少し食べた方がいい。


しかも最近はプログラムもやっているらしく、食べないことすら増えてきた。


本当にあっくんは生活がダメダメすぎる。


でも、昨日の夜、早速皆で選んだキーボードを使ってくれていて少しうれしかった。


普段はボーっとしてて、オドオドしてるのに、パソコンに向かっている時のあっくんの指はびっくりするほど俊敏だ。


あれで本当に打ててるのだろうか…。


まぁわたしにはわからない世界だわ。




わたしはそんなことを思いながら、あっくんにもらった、一応直人が半分払ってるけど、クリスマスプレゼントのネックレスを眺めて、嬉しい気持ちになりながら、皆がパンを食べている様子を見ていた。

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