ゲームは文化
「アークどんな感じなんー?」
俺は待ち合わせ時間になりディスボを立ち上げ暫くすると、goodさんが入ってきた。
「お疲れ様ですー。さっき聞いたら講座の応募ができるパンは480個売れて、勝負の応募ができるセットパンは250セット売れたみたいです」
と俺が話すと、もう一人shunさんが入ってきた。
「ちわーーす」
「あ、初めまして。アークです」
「おーっす! 今日はよろしくー!」
「はい、ありがとうございます!」
「いいよいいよー」
「shunさん、勝負の応募が250みたいっすよ」
「来場型でそれはやべーな」
「それじゃあもう少ししたら、会場の様子のビデオ通話が来るはずなんで、そしたら画面共有しますね」
「おっけー」
そして暫くすると、いつもの男子から通話が来た。
「よ、よろしくお願いします」
「おっす! すげーことなったな! 会場映すぞ!」
そういうとスマホのカメラが会場に向けられた。
俺はその映像を画面共有する。
「本当満員じゃん」
「アークやばくね?」
「いやいや、お二人のお名前の力のお陰もかなりありますから…」
そうやって話していると、ステージに司会の田原君と華蓮さんが歩いてきた。
会場のマイクと繋がったディスボのチャンネルに既に俺達3人は入っており、そっちはミュートして、3人だけのチャンネルで話している。
「皆さんこんにちわー! ベーカリーTAHARAの息子です! 今回はたくさんのご参加ありがとうございます」
「こんにちは! 司会の三好華蓮でーす! よろしくね!」
「さてさて、今回は! なんと特別に今話題沸騰中のOPEX実況者アークさんと、プロゲーミングチームダマスカスからgoodさんとshunさんに講座からご参加いただきます!」
「時間は1時間だから、皆さん積極的に質問してくださーい! 時間までもう少しありますので、少しだけお待ちくださいね!」
俺達はそんな二人の司会を聞きながら、
「司会の子達OPEX知ってるんー?」
とshunさんが聞いてきた。
「男子の方はやってて、女子の方は俺の動画で少し覚えたみたいですー」
「え、まじ。あの子も知り合いなんアーク?」
俺がそう話すと、goodさんが聞いてきた。
「あ、はい。なんなら男子よりも女子の方が知り合い感強いですね…」
「まじか。俺ああいう元気な感じの女の子めっちゃ好きなんだけど」
とgoodさんが言うと、shunさんが、
「あーーー! わかるそれーー!」
「そっすよね! めっちゃよくないすか?」
「わかる! なんか大会とかあのテンションで応援してほしいよな(笑)」
「そうそう!」
「紹介しましょうか? 彼氏いないですし多分できますよ?」
と俺が言うと、goodさんは、
「い、いや無理だ。心の準備ができていないし、ずっとできない」
「だよなー。あれは住む世界の違う陽の者だ」
「そうっす。俺からすると結婚してるshunさんも陽の者っすけどね」
「華蓮さん、あんまり偏見ないと思いますけどねぇ。リアル陰キャの俺とも喋ってくれますし」
「名前も可愛いな…」
そんなことを3人で話していると、会場では、
「それでは少し早いですが、もう整理券全て回収できたので始めてしまいましょう!」
「それではー! アークさん、goodさん、shunさんよろしくお願いします!」
と言われたので、俺達は会場のマイクと繋がったディスボをonにした。
そして会場のスクリーンには、練習場にいる俺等3人が映し出された。
「皆さんこんにちは。アークです。今日はよろしくお願いします。」
「プロゲーミングチームダマスカス所属のgoodです! よろしくー!」
「shunだよー! 今日は嫁はいないよー!」
と挨拶した。
「それではもうさっそく質疑応答形式にしようと思いますので、質問のある方は挙手お願いします! 質問する際は誰宛かの質問を言ってくださいね! 3人宛でも大丈夫です!」
と華蓮さんが言うと、一斉に手があがった。
まぁみんなそのために来てるんだしな…。
そして暫くすると、
「goodさんに質問です! 大会でマリンスノーのキルムーブで倒されたときどんな気持ちでしたか?」
「あーあれなぁ…。正直、まじで、やられたーーーーー! っていう感じでさ、俺プロだからさ他のチームのメンバーに申し訳なさ過ぎてやばかったわ。思わずあの試合の間黙っちゃってどうするか必死に考えてたもん」
「ありがとうございます!」
OPEXの質問じゃないんかい!
「それでは次の方!」
なるほど華蓮さんがステージ上で進行して、田原君が走り回る感じなのね。
「アークさんに質問です。今ダイヤ2なんですが、ミスリル行くためにこれをマスターしろ! みたいなのありますか?」
「ダイヤ2ですかー。ちなみにフルパですか? ソロですか?」
「ソロが多いです」
「もしご自身のエイムに自信があるようでしたら、まず自分が死なないことを考えてください。俺はソロでミスリル行くときは必ずそうしてます。もしそうじゃないなら、まず立ち回りを重視したほうがいいですね」
「立ち回り…」
「ちょっとやってみましょうか。Shunさんいいですか?」
「オッケー」
「例えばこういう物陰がある所で戦闘になりそうだとするじゃないですか? もちろんキャラにもよりますが、まずは一旦引きましょう」
「上をとるのでは?」
「ダイヤ2になるとデスト帯のプレイヤーがいます。その実力差は、立ち位置だけで変わるほど簡単じゃないんで、圧倒的有利な場面以外は、落ち着いて引きましょう」
「そうなんですね…」
「例えば俺がここで待っていたとしても」
そういうとshunさんは上からジャンプしながら飛び出て、全弾当てた。
「まぁこんな感じで「まじかよ!」みたいなことがよくありますから」
「うまくいって良かったわー(笑)」
「なので引いて落ち着きましょう」
「あ、ありがとうございます」
「それでは次の方ーー!」
「shunさんに質問です! どうしたらゲームばっかりやってても結婚できますか?」
「あーんー、どうすりゃいいかな。てかなんで俺結婚できたんだろ…奇跡かもな…」
とshunさんが言うと、会場では笑いが起こった。
「あれだ! 何事も本気でやることだ! ゲームだって本気でやれば受け入れられるってことだ! ゲームは文化だ!」
とshunさんがいうと、「おーー」という声が聞こえてきた。
そして1時間のOPEX講座は少しだけ延長して、無事終了した。
「それでは、この会場では引き続き、VS方式による勝負の模様を放映しますので、ご興味ある方は見て行ってください! 勝負ではこちらに準備してある3台のパソコンで行っていただきます! 今回パソコンおよびキーボード、マウス、コントローラーはパソコンメーカーのレガリアさんからお借りしております!」
華蓮さんがそういうと、何人かは会場から出ていった。
「ではまず1番のチームの方々をよろしくお願いします! 会場にいらっしゃる場合はステージ上にお願いします!」
田原君がそういうと、会場の案内係の子が外に出ていった。
そして一人の人が会場からステージにあがり、外から二人連れてきた。
「はい、それでは、今から1分間、チームの相談時間とします! 短くてごめんなさいね…。決してランクが低かったとしても何か変なこととか言わないように! 会場の方々も!」
と田原君が言うと、3人は相談しだした。
「それでは、大丈夫ですか? 設定はデフォルトになってますが、時間の都合上恐縮ですがそのままでお願いします!」
「それでは、アークさん達も大丈夫ですかー?」
「いいですよー。俺達武器一本にしますんでー」
「後ロングとショットガンも使わないからー」
「あと、最初さ、真ん中集まってスクショ撮ろうよ折角だし」
「スクショどうやって本人に渡します?」
「あーそこら辺は会場でうまいこと?」
俺達がそう言うと華蓮さんが、
「はいはーい! 了解しました! 後日欲しい方はスクショをメールで送りますので、メールアドレス教えてもらいますね! 誰かメモ用のスマホ係お願いしまーす!」
「じゃ、じゃあ早速行きましょう! 時間もないですからね! では1チーム目開始!」
「アカウント教えてくださーい」
「あ、すいません! どなたかアカウント名記載してもいいですか?」
一人の男子が手をあげたので、それを見ながら、華蓮さんがスマホのディスボで送ってきた。
「では、こちらからVS飛ばしますんでよろしくお願いします」
「それでは、開始です! 次の2番のチームの方はステージ脇にお願いします!」
そしてその後15チーム連戦して、OPEX勝負が終るころには18時を回っていた。
いやーVS方式は安地収縮が1/2の時間になっているから、早めに進んでよかった…。
「いやー流石に強いですね皆さん」
「まぁ俺とgoodは同じチームだし、アークもデスト帯だし、流石になー」
「でもショットガン無しは思ったよりきつかったですねー」
「俺無意識に拾ってて慌てて捨てたもん(笑)」
「それでは、長時間皆さんありがとうございました! これでベーカリーTAHARA主催、アークのOPEX講座と勝負は終了とさせていただきます!」
「皆ありがとねー!」
「「「ありがとうございましたー」」」
こうしてベーカリーTAHARAの集客応援のための、OPEX講座は色々あったけど無事終了した。
一つ。
思いの外OPEXパンの完成度が高く、結構SNSで話題になっていた。




