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豪華だね

玄関のドアを開けて、莉乃愛がいないことを確認すると、俺は急いで自分の部屋に入りプレゼントをクローゼットに仕舞った。



ふぅ、これでひと段落…。



俺は安心して着替えて、パソコンを起動するとディスボにgoodさんからメッセージが来ていた。




『もう1人決まったぞ。Shunさんでいい?』




いいもなにも、Shunさんと言えばプロゲーマー黎明期からいる大御所だ!


動画チャンネルの登録者も確か50万人以上いたはずだ。


既に結婚もしていて、奥さんのパーツが時々動画に登場して、そんなパーツの奥さんも人気のプロゲーマー動画配信者だ。



メッセージが来てから結構時間が経ってしまっているので、俺は直ぐに返事した。




『もちろんです! 俺が緊張しそうです』




いい加減スマホのディスボいれなきゃ…。


俺はそう思ってスマホでディスボのアプリをダウンロードしていると、メッセージが返ってきた。




『んじゃそれで。てか設定が難しすぎたから、オーナーの地元でOPEXのイベントが開かれるみたいだから、特別に相乗りしてみたってことにするわ。オーナーもオッケーだって』

『え、カッキーさん地元なんですか?』

『あぁ、らしいよ。とはいっても、同じ市ってだけらしいから、その駅には行ったこともないらしいけど、まぁ嘘ではないだろ』

『そっすね…。すいません』

『てかなんでパン屋なんだよ! 難しすぎだわ!』

『すんません…告知とかはいいんですかね?』

『ああ、それはむしろして欲しいって。後、会場でダマスカスのビラ配らせてほしいのと、講座から俺らも参加でもいい?』

『もちろんす』

『後、うちの活動記録にも載せるから、写真撮影いれていい?』

『大丈夫だと思いますが一応聞きますね』

『おけ。んじゃわかったら教えて』

『了解です』




俺は急いでスマホのLimeで田原君達のグループチャットに連絡した。




『チーム決まりました』

『お、そりゃよかった!』

『ダマスカスのgoodさんとShunさんと出ますね。講座からお2人も参加で』




俺がそうメッセージを送ると、返事が来ない。



暫くしてグループ通話が飛んできたので、それに出ると、




「まじ?」


「うん」


「やばすぎん?」


「豪華だね…」




すると華蓮さんもグループ通話に参加してきて、




「りのあと一緒にいるよー! ダマスカスってなに?」


「プロゲーミングチームだよ。前俺が出たOPEX大会を主催したチーム」


「えーなんかすごそう!」


「いや、すごいも何も…幼馴染くんよ、それは告知していいのか?」


「むしろ告知してほしいって」


「わ、わかった…。三好SNSチームに伝えてくれ」


「りょー!」


「あと、当日ダマスカスのビラを配りたいのと、写真撮影もいれたいだって」


「それは全然構わんが、ちょっと怖くなってきたぞ…」


「そういうことなんで、詳細告知文とか決まったら、ダマスカスさんに確認するから、投稿する前に見せて欲しいかな…」


「りょー!」


「じゃあそういうことなんで…」


「あぁ…」




そう言って俺はグループ通話を切った。



そして暫くすると華蓮さんから、投稿予定文が送られてきた。




『プロゲーミングチームダマスカス所属、goodとShunがアークのOPEX講座と勝負に緊急参戦! これに伴い、講座と勝負の方式が変わりますので、決定し次第アップします! SNSを要チェック!』

『あっくんへ→タグ付けしていいかってのと、ホームページの写真使っていいかを聞いて欲しい』


『了解しました。少々お待ちください』




俺は急いでパソコンでLimeを起動して、goodさんに告知文の確認と質問をした。


どれも問題ないということだったので、それを華蓮さんに伝え、その1時間後に投稿された。





そしてそれにより、アークを知っている人たちで盛り上がっていたOPEXイベントが、goodさんとShunさんが参加することで、プロゲーマーファンにまで広がり、再びSNSと参加希望者はとんでもないことになった。





更にゲーミングパソコンメーカーから協賛の依頼も来てしまい、田原家はもう受けるキャパシティがないので、莉乃愛のクラスメイトが広報的な感じで対応し、物品協賛を受けることになったそうだ。



もう、商店街のイベントの規模感超えてるでしょ…。



ベーカリーTAHARAはOPEXパンの制作を進め、莉乃愛のクラスメイト達が運営を仕切る。


もうすでにホールや機材の調整も華蓮さん達でやっている。


怖いからって担任の先生も色々協力してくれているらしい。



今回、ベーカリーTAHARAは莉乃愛のクラスメイト達にバイト代を出すらしい。


まぁ確かに、バイトと言っても過言じゃないもんな…。






結局、ホールでも入りきらなそうということで、講座は先着順で整理券が配られ、勝負は当日13時までにセットパンを購入してもらうとビンゴ券が発行され、14時から開催されるビンゴ当選先着45名程ということになった。




だって勝負したい人200人越えとか無理すぎでしょ…。


まぁプロ選手と戦えると思ったらやってみたいよな…。





俺はそんなことを思いながら、直人から送られてきた完成した莉乃愛の動画を見ていた。


相変わらずのクオリティだ。


今回学校部分の編集を手伝ったが、あのレベルにするのに、結構微妙な調整を重ねて、ほんの10秒ぐらいなのに結構時間がかかった…。


いやぁプロの仕事ってすごい。




その動画を見た莉乃愛や華蓮さんはいつも通りの、テンション爆あがり状態で、彩春ちゃんと茜ちゃんも俄然やる気をみなぎらせていた。


いや、勝ち負けとかないらしいんだけどね…。




莉乃愛の方も大事になっており、急遽彩春ちゃんと茜ちゃんのクラスの出店の場所が広いところへ変更されたり、SNSを見る限り、ただのくじ引き屋さんなのに妙に本格的だ…。



クラス全員で本気で! がモットーらしく、クラス皆が自分の力も親の力もフル活用しているらしい。


なんか莉乃愛のクラスみたいだな…。




そんなことを思いながら配信の日々を過ごし、いよいよイベント当日となった。

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