039 「外伝・戦後日本の軍備(2)」
(※舞台裏・メタフィクション視点となります。)
●東西冷戦時代の軍備(2):
●史実との違い:
・自衛隊ではなく陸海軍から発展した国防軍。
・国内に外国軍(在日米軍)の駐留はない。
・装備も独自開発が多く、アメリカからの導入(輸入)は少ない。
・装備の国産度合いは史実の西欧諸国に近い。
・そもそも史実ほど日本軍(自衛隊)とアメリカ軍の関係は深くない。
●規模:
・軍人数は、時期にもよるが60〜70万名。中華戦争、ベトナム戦争の頃、冷戦最盛時には増加。
・軍全体の規模は、史実との比較だと自衛隊+在日米軍(第七艦隊含む)+英仏を足した程度の核戦力が基本。加えて満州駐留軍が必要。
・軍備全体は、後述する2020年現在の5割り増し程度の規模。
・満州駐留軍の規模は、重装備の陸軍が米軍陸軍基準の1個軍(2個軍団・4個師団と各種支援部隊)。
空軍が2個航空団(100機程度)
※史実米軍のような巨大で贅沢な軍隊は、日本の基準で法外な予算を投入しても、保持したくともできない。
※欧州列強の2国分程度が限界。
●核軍備:
・核兵器(原子爆弾)はソ連より早い1952年に開発。
・戦略爆撃機、中距離弾道弾、大陸間弾道弾、戦略原子力潜水艦、巡航ミサイルなどの戦略兵器を順次保有。
・保有の時期は、大抵は米ソより少し遅い。
・当初は、米ソよりロケット(弾道弾)開発が遅れている事もあって、戦略爆撃機(重攻撃機)中心。
・この為の空軍と言われるほどで、空軍は戦略空軍とも言われた。
・技術の発展、生残性、有事の際の国土への被害、コスト問題から、潜水艦発射型弾道弾、巡航ミサイルに順次集約。
・軍が積極的に宇宙開発に予算を傾注。
・各種弾道弾、人工衛星の投入を積極的に実施。
・1980年代には、技術的に米ソに準じるまでになる。
●陸軍:
・満州、樺太・千島列島防衛が主題。
・機甲戦力、重武装部隊の大半は同地域に集中。
・内地(本土)は、一部の機動戦力と予備兵力以外、半ば治安維持(と災害対応)目的の軽装備部隊が中心。
・近衛は師団編成を戦後の軍縮で解体。宮城警護の為の純粋な警備部隊、儀典部隊の近衛隊に改変。
史実のような皇宮警察はない。宮城警護は軍の領分のまま。
・また、首都有事にも対応できるように、空挺部隊(+特戦部隊)、機械化嚮導部隊を首都圏か首都近郊に駐留。(=富士の教導団、習志野の空挺団)
・主力戦車は満州、樺太での運用限定の大型が中心。
・ベトナム戦争以後、空挺師団はパラシュート降下部隊、ヘリ強襲部隊を合わせた編成を取る。(お金がないので、それぞれの師団化は無理)
●空軍:
・第二次世界大戦後に、陸軍航空隊の大半、海軍航空隊のうちの地上配備部隊(基地航空隊)を中心に編成。
・海軍は空母部隊、艦艇搭載部隊、対潜水艦哨戒部隊、水上機など多くを残す。
・陸軍は地上支援の機体(その後ヘリコプター中心)を残す。
・創建時はもと海軍航空隊を中核とした「戦略空軍」の側面が強いが、徐々に本来の空軍としては陸軍航空隊が中核となっていく。
・当初は、核兵器を運用する戦略爆撃機(重爆撃機)が表看板(主力部隊)となる。
・核兵器の運用が潜水艦中心になると、防空(制空)中心にシフト。
・戦略爆撃機は東西冷戦時代が終了するとすぐに全廃。
・地上攻撃は、戦略爆撃機廃止後は純粋な爆撃機は保有せず。戦闘攻撃機のみになる。
・海軍共々、自前(国産)の航空機は、かなり保有し続ける。それでも、F-4ファントムは買うだろう。
●海軍:
・戦後すぐは、海軍自体が対潜水艦戦以外で不要とする極端すぎる考えすらあった。
・戦艦など金食い虫の艦艇は、戦後すぐに軒並み退役か予備役。
・軍全体が外征軍化した影響で、空母は遠隔地に簡単に空軍力を移動・展開できるので一定数保持。
・大幅に縮小しても、大型空母などの維持で組織規模が肥大化。
・規模の大きさが空軍設立の理由の一つになる。
(海軍が「空軍」化しすぎている為。)
・1970年代後半は、大型空母全廃の危機。
(老朽化と空母不要論。何より国に金がない)
・1960年代から原子力潜水艦を保有。
・戦略原子力潜水艦は1970年代に保有。
・海軍陸戦隊は、強襲上陸、即応展開を前提として旅団規模で保持。
・また、迅速な海外展開、輸送を目的として、陸軍の輸送艦艇、揚陸艦艇を一定数保持。
・戦艦は最後に建造された大型艦が予備役保管され続ける。
ベトナム戦争、1980年代に予備役だった2隻が一時的に現役復帰するが、徹底した近代改装は行われず。20世紀のうちに全艦退役。以後、記念艦となる。
・記念艦は、他に第二次世界大戦後に何隻か存在。
●戦後の大型空母(攻撃空母)の変遷:
・概要
・アメリカのように次々と新造する国力、予算はない。
・第二次世界大戦中に建造開始した空母を、改設計して就役。近代改装しつつ長らく保持。
・海軍の主力兵器、表看板とされるが、時代ごとに数が増減。基本的に減少し続ける。
・メタ視点では、史実のイギリス海軍より少しマシなイメージ。
・展開、待機、訓練、保守・改装などのローテーションがあるので、4隻もしくはそれ以上の保有が前提。だが徐々に難しくなっていく。
・流れ
・第二次世界大戦の終了後すぐに、大半が予備役か解体。運が良ければ記念艦。
・小型の護衛空母を含めると数十隻を数えていたものが、1947年には10隻以下に激減。
・残ったのは、1937年度計画以後の空母のみ。
・緊急展開性の高さもあり国家戦略的に必要とされるが、金食い虫なので不遇の扱い。その後さらに削減され全廃すら検討。
・1950年頃から、第二次世界大戦中に建造開始していた大型空母を、改設計で近代化対応した上で完成させる。
(基準排水量4万から5万トン。満載6万トン級。イギリスのアークロイヤルより一回り大きい)
・この時の空母群(4隻)を近代改装しつつ四半世紀ほど保持。
・その後、維持に手一杯で新造する予算はなし。
・大型空母を次々に建造するアメリカに完全に置いていかれる。
・それ以前の空母は艦載機の大型化に対応できず順次退役。
・ベトナム戦争での動員により、一時的に稼働数が増加。
・ベトナム戦争の影響で、久しぶり(約20年ぶり)に1隻建造が決まる。1980年頃に就役。
・通常動力型だが、ようやくアメリカ海軍の攻撃空母に匹敵する大型空母を新造、保有。
・しかし1隻のみ。建造に手間取り就役が遅れる。
・予定した2隻目は、オイルショック以後の不景気と国全体の低迷で予算が通らない状態が続く。
・ベトナム戦争から撤退し、建造が遅れる新型が就役する前の1970年代後半は、旧式化した2隻に激減。
・長い不景気の影響で、一時全廃が真剣に議論される。
・新型空母に合わせF-14戦闘機(60機程度)を買った影響で予算が取られ、水上艦艇の建造計画の幾つかが消える。
・大型機のF-14は、新型空母以外に搭載可能な空母がない。
・新型空母は、2番艦の分も含めF-14ばかり運用する空母になる。(36機搭載)
・1980年代の軍拡時に、ようやく2隻目の大型空母の予算が通過。しかし10年以上開いたので、実質違う空母となる。
・1990年頃に大型空母(攻撃空母)2隻体制。
・1990年代前半に、経済の拡大、予算の増額の影響でもう1隻建造承認。
(海軍は2隻求めるが通らず)
・その後冷戦崩壊もあるが、経済発展に伴う国防予算拡大のおかげで、常時3隻保有が慣例となりつつある。
・東西冷戦終了後も、アメリカ以外で唯一大型空母を保有する。
・海軍は4隻保有が念願だが、予算と兵員の都合から3隻以上の保有はできていない。
・また原子力空母を建造するだけの金はない。
・空母型の強襲揚陸艦はベトナム戦争以後に保有するようになり、常時3隻を保有。
・1980年代からは、空母戦力の補完も兼ねて垂直離着陸機(AV-8B ハリヤーII)を運用して軽空母化。
・しかし強襲揚陸艦は速力や機動性に劣るので、対潜軽空母には使えない。
・他に、対潜水艦用の軽空母を同数保有が求められるも、ヘリ駆逐艦でお茶を濁す以上は無理。
.。゜+..。゜+.玲子の部屋.。゜+..。゜+
お嬢様「じゃあ話の続きね。と言っても、こっちの方が私には宇宙人の会話ね」
龍也「アハハハハ。宇宙人か。確かに専門外だと、何かわからない事ばかりだろうね」
龍一「うちは兵器もたくさん作っていただろ」
お嬢様「まあね。お互い適材適所って思っておいて。それにしても、時の流れを実感するわね」
龍一「ああ。だから俺が現役で付き合えたのは、冷戦が終わるまでだ」
お嬢様「そっか、もう軍人が大臣する時代でもないものね」
龍一「1980年代の改革でな。だが退役すれば政治家になれたぞ。俺も父上の後継状態で、やらないわけにいかなかったからな」
龍也「龍一が政治家になるあたりからは、議員になったんだったか?」
龍一「はい、父上。これが大変というか面倒でした」
お嬢様「華族ってだけで議員になれなくなったものね。平成の時代は、お世話になりました」
龍一「玲子に改めて礼を言われると、なんだか面映ゆいな」
龍也「俺のぶんもよくやってくれた」
龍一「はい。その言葉で報われます」
お嬢様「解せぬ」




