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小桜さんは義理堅い  作者: 奈瀬 朋樹
第2章:小桜姉妹編
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38話 仲良し姉妹

どうやら俺は美羽ちゃんに相当気に入られてしまった様で、それからも一緒に遊んでいたら昼前になり、我が母が餃子を作ると言ったら、美羽ちゃんが手伝いを志願・台所に向かっていきました。


今日の美羽ちゃんは本当にイキイキとしていて、昨日の嘔吐が嘘みたいだ。


「小桜さん。昨日の、あの後の美羽ちゃんは大丈夫でした?」


コクコク(首を縦に振る)


「それは何よりですが、ええっと、俺って美羽ちゃんと会って大丈夫ですか? その、トラウマとかで」


あれから自分なりに考えたけど、美羽ちゃんはあの事故がトラウマらしい。だからこそ事故に大きく関わり、今も左足が包帯グルグルという事故を連想させてしまう格好は、美羽ちゃんにとって大きなストレスではないだろうか? 


コクコク(首を縦に振る)


それならいいんだけど、これから美羽ちゃんとどう接すればいいのだろう。事情というか、距離感が分からない。


トラウマ内容についても考えたけど、最初は昨日の台詞から『赤』は『血』だと思ったが、事故で擦り傷を負ったとはいえ、出血はなかったと聞いている。それに吐く直前の『また赤い』の『また』って何だ? あれただの反復で、深い意味はないのか? だけどあの言葉で台詞が止まってからの嘔吐だから、何かが隠れてる気がする。……あれ? そういえばあの時、何かが赤かった気がする。なんだっけ?


そんな思案を重ね続けて唸っていたら、小桜さんがゆっくりと、言葉を選ぶ様に答えてくれた。


「…………………………美羽は『病院』『赤い車』が駄目」


「えっ? 病院は分かりますけど、赤い車?」


「…………………………跳ねた車が、赤」


「そういえば、そうだった、かな?」


あの時は本当に咄嗟で、指摘された今でもピンとこないけど、何かが赤だった記憶が残っているから、そうみたいだ。


「成程、大体分かりました。じゃあ『また赤い』の『また』に、深い意味はなかったんですね」


昨日の嘔吐が衝撃的で、つい考え過ぎてしまったらしい。そう思ったんだけど、小桜さんは黙ったままで、悩んでいる様子だ。こういう時の小桜さんは、ひたすらに待つしかない。そう判断して待ち続けていたら、こんな質問をされてしまった。


「…………………………私達、姉妹に見える?」


「ええっと、昨日しか知りませんけど、仲良し姉妹に見えますよ。まぁ、似てないなーとは思いましたが」


性格は正反対、パッと見は姉妹っぽくないけど、美羽ちゃんはお母さん似だったし、小桜さんはお父さん似なのだろう。そう思っての言葉だったんだけど。小桜さんの表情が暗くなってから、こう言われてしまった。


「…………………………それは仕方ない」


「…………………………私と美羽は、実の姉妹じゃないから」

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